<内容>
■バラトン湖畔から〜バラトン合宿が始まりました
■「第1回世界資源フォーラム」 シュミット・ブレーク氏からのメッセージ
■「新しい経済の枠組み」に関する事例や情報、募集中!
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■バラトン湖畔から〜バラトン合宿が始まりました
2002年から毎年参加しているバラトン・グループの合宿が、今年もバラトン湖畔で始まりました。私は8回目ですが、今回が28回目とのこと。
5日間の合宿の今年のテーマは「持続可能な開発のフロンティア」。1日目は科学、2日目は政治、3日目は社会・文化、4日目は経済の視点から、「いよいよ主流となった環境への取り組みや持続可能な社会への動き」を分析し、どうすれば、正しい方向への動きを加速できるかを議論し、考えていきます。
毎回合宿は、午前中は全体会合で、全員(約50人)が出席し、3〜4人の話題提供者(バラトンメンバーが務めることも、外部からゲストを招聘することもあります)がそれぞれ30分ほどプレゼンテーションをして、そのあとディスカションをします。
午後は、sefl-organized open space となっていて、「これについて話し合いたい」「自分のプロジェクトにアドバイスがほしい」等々、だれでもミニセッションをおこなうことができます。壁に時間と部屋のマトリクスが張り出され、早い者順で、「この場所で、この時間に、こういうことをやります!」と書いた紙を貼っていきます。昼食前にそれぞれから簡単な説明&勧誘があり、残りの参加者はそれぞれ自分の出たいセッションに参加して、議論をするしくみです。
先ほど1日目の午前中が終わったところです。3人からのプレゼンテーションはどれも興味深く、自分のやっていることと重ねながら一生懸命聞いていました。午後もセッションがいっぱい提案されていて、どこへ行こうかな、それとも自分の準備をしようかなと思っているところです。
2日目の全体会での「政治でのフロンティア」では、国際政治のレベル、国内政治のレベル、地域レベルからの発表があるのですが、国内政治のレベルで、私が温暖化に関する懇談会での経験をもとに、発表することになっているのです。(プログラム委員会が発表者とテーマを決めます)
今回のホテルはバラトン湖畔に立っており、私の部屋から芝生の向こうにバラトン湖が広がっています。湖に落ちる夕日も見える、素敵な部屋です。5日間の楽しみな合宿が始まりました。
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■「第1回世界資源フォーラム」 シュミット・ブレーク氏からのメッセージ
今回はバラトン合宿のあと、スイスのダボスに移動します。「第1回世界資源フォーラム」の分科会にパネリストとして参加するためです。どんなフォーラムなのか? このフォーラムの言い出しっぺで、私にも声を掛けてくれたシュミット・ブレーク氏のメッセージをお届けします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今日の金融・経済危機の原因は、その大部分が、破滅的な状況を迎えつつある環境問題の原因と同じものです。しかし、大きな違いが一つあります。それは、迫り来る生態系機能の崩壊は、人間の力では修復できないということです。
今年9月14〜16日にかけて、ダボスで世界初の会議が開かれます。「私たちが、生命を脅かすような生態学上の危機に瀕しているのはなぜか、世界に向けて明らかにしたいと思っています。そして、遅きに失することなく解決をはかるための現実的な提案について議論します」。ダボスで開催される「第1回世界資源フォーラム(WRF)」代表のクサヴァー・エデルマン氏はこう語ります。
この野心的な取り組みは、フリードリッヒ・シュミット・ブレーク氏が2007年に提案したもので、スイスのザンクトガレンにある「スイス連邦素材科学技術研究所(Empa)」と共同で企画・開催されます。
日本の名古屋とベルリンで同時に開催される会議の参加者も、インターネットの双方向通信を用いてダボスでの会議に参加します。そうすることで、飛行機による長距離移動に伴うCO2を排出せずにすみます。
会議では、生命を維持してくれている生態圏とその源の安定を揺るがす深刻な脅威について提示され、時機を逃さないうちにその脅威を取り除くためにどのような選択肢があるかを議論することになるでしょう。その選択肢は、社会の発展とは何かという問いの中に見いだすことができ、経済が天然資源をコストを払わずに浪費することをやめるとき、その選択肢はしっかりしたものになるでしょう。
世界的に有名な講演者たちが、複雑な資源問題とその解決策について詳しく語ります。ローマクラブの共同会長であり国際自然保護連合(IUCN)の代表でもあるアショク・コスラ氏、ローマクラブの研究レポート『成長の限界』(1972年刊)の共著者であるデニス・メドウズ氏、国連環境計画「持続可能な資源管理に関する国際パネル」の共同議長を務めるエルンスト・ウルリッヒ・フォン・ワイツゼッカー氏などが登壇するほか、ポール・エキンズ氏は、「国際リンダウ・グループ」が提案する気候変動にとどまらない新しい資源経済モデルを説明します。
(訳注:「国際リンダウ・グループ」とは、F・シュミット・ブレーク氏らによって2007年に設立された欧州各国の専門家が参加するネットワーク。第1回会合がドイツのボーデン湖畔の町リンダウで開かれた)
WRF会議のハイライトを飾る最終イベントとして、未来のある今後の政策についての現実的な解決策を提案する「WRF宣言」が採択されることになっています。
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■「新しい経済の枠組み」に関する事例や情報、募集中!
3日間にわたる第1回世界資源フォーラムで、私が参加する分科会のテーマは、「Toward a New Economic Frameworks」(新しい経済の枠組みに向けて)です。
GDP万能視や経済成長至上主義から脱却して、本当に大事なことを大事にする経済の枠組みについての考えと、日本やブータンをはじめとするアジアの事例などを紹介できれば、と思っています。
限られた時間でのプレゼンなので、できるだけ中身の濃い議論になるよう、最近出てきているいろいろな考え方や取り組み、事例などを引き続き探しているところです。
もし「こんな動きも関係あるのでは?」「あの取り組みは面白いと思う」というようなものがあったら、ぜひ教えて下さいな。このメールニュースへの返信で送っていただければ、私にだけ届きますので!
フォーラムの1日目の夜には、学生たちのためのディナーパーティが開催されるのですが、そこでも15分のスピーチを頼まれています。これから持続可能性のためにやっていこうという学生たちへのエールを、ということで、こちらのスピーチも準備しなくては。。。
日本を出る直前に届いたアル・ゴア氏の次の本の原稿もスーツケースに入っているし、相変わらずやることいっぱいの合宿になりそうですが、バラトン湖の朝日と夕日だけは見逃さずに楽しもう!と思っています〜。