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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2010年01月31日

米国便り〜サンフランシスコでは生ごみコンポストを義務化(2010.01.31)

コミュニケーション
食と生活
 

<内容>


■ 世界的な紛争解決ファシリテーター アダム・カヘン氏が来日します
 
■米国便り〜サンフランシスコでは生ごみコンポストを義務化

■どこの国が沈みそうですって・・・?


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■ 世界的な紛争解決ファシリテーター アダム・カヘン氏が来日します

4月に、U理論やシナリオ・プラニングを駆使して、世界でも「変革ファシリテーター」として名高いアダム・カヘン氏が来日します。チェンジ・エージェントのメルマガから、氏の紹介と日本でのシンポジウムのご案内をお届けします。シンポジウムはNPO職員や学生さんたちにも参加しやすい特別枠を設けていますので、ぜひふるってご参加下さい!

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「シナリオ・プラニング」という手法をご存じでしょうか? ビジネスの世界ではエネルギー業界のロイヤル・ダッチ・シェル社(以下、「シェル」)が使っていることで一躍有名になりました。

シェルでは、各国や各事業の戦略策定プロセスで、過去の延長ではない、大幅に異なる未来のシナリオを検討します。1970年代初期、「もし原油が枯渇したら何が起こるか?」というシナリオを信じるマネージャーはいませんでしたが、それでもあえて、「起こった場合、シェルに何が起こるのか、どのように対応するのか」を検討しました。

くしくも、1973年にはオイルショックが到来。突然の環境変化に右往左往する石油メジャー達を横目に、シェルのマネージャーたちは、現場レベルで原油供給の大幅な低下とそれに続く需要の減少に的確に対応して、業界6〜7位から一気に2位へと躍進します。

シェルではシナリオ・プラニングを定期的に実施しています。「未来に何が起こりうるのか」の検討には、政治、社会、経済、科学技術などの広範な知見が必要であり、そのために優秀なスタッフが招聘されます。アダム・カヘン氏も、1990年代にシェルに招聘されて、シナリオ・プラニングに携わりました。シナリオ・プラニングの実施方法も回を重ねる毎に改良が加えられ、複雑さを増すグローバルな課題に対応するために、「システム思考」と「ダイアログ」をベースにしたアプローチが取られるようになっていきます。
(「ダイアログ」に関してはこちらをご覧ください。)
http://change-agent.jp/news/archives/000111.html

人種を隔離する「アパルトヘイト政策」に行き詰まりを見せていた南アフリカは、新しい国の未来を創るために、シナリオ・プラニングの手法に着目し、アダム・カヘン氏をファシリテーターとして招聘しました。アダム・カヘン氏は、相克する利害関係者間での「ダイアログ」を積み重ね、南アフリカのシナリオを創り出しました。このシナリオの一つが、その後の南アフリカの民主化に大きく寄与す
ことになります。

グアテマラ内戦後の国づくりや、インドでの貧困による子供の栄養失調の問題など、さまざまな課題のダイアログをファシリテーションしたアダム・カヘン氏は、オットー・シャーマー氏やピーター・センゲ氏らとともに、変革の理論・手法である「U理論」の実践にも取り組んでいます。U理論では、「現実についてひた
すら観察を行い、内なる叡智を出現させて、その瞬間に即興で行動する」ことで、変革を引き出します。
(U理論の紹介はこちらをご覧ください。)
http://change-agent.jp/news/archives/000134.html

人口増加・ライフスタイルの変化で需要が伸びる一方で、自然破壊などで供給が伸び悩む世界の食糧・農業問題に取り組む「サステナブル・フード・ラボ」の共同リーダーとして、世界的な大手小売、流通、食品メーカー、生産者、政府、NGOなどのさまざまな利害関係者の代表たちによる変革のプロセスをファシリテーションしました。この大陸横断プロジェクトから、持続可能な管理に基づく農業
・漁業、フェアトレード、貧困に窮する農村コミュニティ開発など、持続可能な食の未来を創り出すさまざまな取り組みが生み出されました。
(サステナブル・フード・ラボについての紹介はこちらをご覧ください。)
http://change-agent.jp/news/archives/000146.html

このシンポジウムでは、さまざまな複雑な課題のファシリテーションを行ってきたカヘン氏から、「変化の担い手」となる上で何が大切なのかを語っていただきながら、複雑で困難な時代の中で私たちが望む未来へ流れをつくる本質を、カヘン氏と共に考え、対話していきます。

この変化の時代を共に生きる私たちに何ができるのか、共に探求できるまたとない貴重な「場」となることでしょう。


SoLジャパン シンポジウムのご案内

世界的な紛争解決ファシリテーター アダム・カヘン氏来日!

『Power and Love 〜私たち一人ひとりの社会変革〜』

【日 時】 2010年4月12日(月)午後1時〜5時(予定)

【場 所】 六本木泉ガーデンギャラリー(東京都港区六本木)

【プログラム(予定)】
本シンポジウムは、一方的な講演(スピーチ)という形ではなく、アダム氏の知見をもとに全体を通して対話の場としてプログラムがデザインされ、アダム・カヘン氏と会場との双方向のコミュニケーション及びグループや会場全体の対話の中で進行いたします。

第一部 インタラクティブ(双方向)セッション

これまでの世界中で実践されてきた数々のプロジェクト通してカヘン氏が導き出した社会変革の取り組みと洞察をご紹介いただきながら、会場とカヘン氏の双方向のやりとりの中でカヘン氏のストーリーと共にメッセージを深めていきます。

第二部 ホールダイアログ(全体での対話)

インタラクティブセッションを受けて、「今の自分たちの生活や社会にあてはめたときに何がみえるのか」「私たちにとってどんな意味があるのか」を、カヘン氏のファシリテーションにより会場全体で探求していきます。当日カヘン氏から参加者の皆様に素敵なプレゼントがあるかもしれません。お楽しみに!

【演者プロフィール】

アダム・カヘン (レオス・パートナーズ社パートナー)

世界50カ国以上で企業の役員、政治家、軍人、ゲリラ、市民リーダー、コミュニティー活動家、国連職員など多岐に渡る人々に対して困難な社会問題に取り組むプロセスをデザインし、行動をとるための対話(ダイアログ)のファシリテーションを行っている。1990年代に英蘭のロイヤル・ダッチ・シェル社において社会、政治、経済、技術シナリオ・プラニングのチームの責任者として活躍。1991年〜1992年に南アフリカでアパルトヘイトによって分断されていた人々が集い民主化への移行を実現するために実施された「モンフルールシナリオプロジェクト」をファシリテートしたことをきっかけに世界中でセクター横断的なダイアログと行動のプロセスを支援するようになる。

(著書)
『Solving Tough Problems(邦題:「手ごわい問題は、対話で解決する」)』
『Power and Love』

【参加費】      一般価格 10,000円(税込)
           学生・NPO常勤スタッフ特別価格 3,000円(税込)※

※特別枠は定期収入のない現役の学生と、NPO法人またはそれに準ずる中間法人・任意団体からのみ収入を得ている方を対象とさせていただきます。

【主 催】 SoLジャパン (日本学習組織協会)

【協 賛】 英治出版株式会社

【告知協力】 有限会社チェンジ・エージェント、他

【参加お申し込み】
以下のお申し込みフォームにアクセスして必要事項を記入し、送信してください。

  パソコン用URL http://www.formzu.net/fgen.ex?ID=P53854815

  携帯電話用URL http://www.formzu.net/mfgen.ex?ID=P53854815

その後、振込をもって正式申し込みとなります。

【お問い合わせ】SoLジャパンシンポジウム事務局 sympo@change-agent.jp


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■米国便り〜サンフランシスコでは生ごみコンポストを義務化


昨年11月22日に出した[No. 1723] で、「米国では「地球温暖化の証拠がある」と考える人が減っている?」を取り上げたところ、サンフランシスコ近郊にお住まいの吉田かや子さんからメールをいただきました。ご快諾を得て、ご紹介します。米国の様子を垣間見ることができて、とても興味深いです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

アメリカで温暖化の証拠があると思う人が減少している、というメルマガを先ほど読みました。折角のご縁ですので、ご参考までに私の分析と昨今の経験を送らせて頂きます。

アメリカ人の温暖化への関心の低下や証拠への不審は、第一の原因は、メディアで最近環境について報道が減ったという点に尽きると考えます。

アメリカの公共ラジオ番組の主要番組の一つであるForumの今年の7月から9月の3ヶ月間のプログラム内容について調べてみました。

この番組は月曜日から金曜日の毎日午前9時から11時まで放送され、2時間の間に2つのトピックを取り上げます。

7月から9月の3ヶ月間には、全部で132のトピックが取り上げられています。

多い順にランキングしました。

1 芸術、本 27回
1 国内政治(環境テーマを除く) 27回
3 医療問題 18回
4 コミュニティー 15回
5 経済問題 12回
6 教育問題 8回
7 環境 7回
8 イラク、アフガン、戦争 5回
9 メディアについて 4回
10 宗教 3回
11 女性 2回
11 テクノロジー 2回

来週のコペンハーゲンでの環境会議がスタートすることにより、環境を取り上げるメディアは上昇すると考えることができるでしょう。

さて、メディアでの取り扱いが少ないことにより、アメリカの地域レベルでのグリーン化活動は減ってしまっているのでしょうか?

実は、そんなことはないのです。

「不都合な真実」、昨年のガス代の高騰、クリーンテックへの関心の高まり、経済の低迷による各地方自治体の予算不足といった様々な要素が絡み合い、アメリカのローカルレベルでの「環境」への関心は、「関心」から「実践」へ移行していると言う事ができます。

先月から実施されたサンフランシスコ市のゴミ削減への取り組みについて紹介させてください。

2009年10月23日水曜日にサンフランシスコのギャビン・ニューソム市長の指揮のもと、市内の住人、ビジネスはすべて、生ゴミをコンポストすることが義務づけられました。

1967年生まれのギャビン・ニューソム市長は、2003年から市長を務めていますが、その前の市議会時代にも積極的にホームレスの人たちのためにシェルターを作ったり、社会復帰へのトレーニング、医療の提供などを推進しており、社会派で実行力のあるかなりリベラルな市長さんです。春ごろ、友人と彼のスピーチを聴きにいきましたが、会場からの質問にも、ごまかさずに真摯に回答していました。

このコンポストのプログラムは、6月に市議会で決定され、10月23日水曜日に実施がスタートしました。その間、実にたったの4ヶ月間。そのスピードに早さには、アメリカ暮らしの長い私でも改めて驚く次第です。

ゴミ収集会社の人によると、今は1日に100個の緑色のコンポストの箱を住人に届けているそうですが、条例が決まる1年前は1日あたりたった15〜20個だったそうです。

この6月の時点では、市内にある約9000棟のアパートのうち、コンポストの箱があったところは、22%、それが10月には37%にまで伸びて来たということです。

また、サンフランシスコ市からのコンポストで、平均400トンの土が作られてきましたが、それが今では500トンまで上がってきたそうです。この新しい条例に従わない住民やビジネス、アパートの経営者は、数回に勧告ののち、100ドル(約1万円)の罰金からスタートし、最高1000ドル(約10万円)の罰金が徴収されるとのことです。

さて、サンフランシスコ市で集められたゴミは、サンフランシスコ市から北西に1時間ほどいったところにあるバッカビル市に運ばれ、広いオープンスペースでコンポストが作られていきます。

コンポストができあがると、多くは農家、ワイナリー、園芸業者、ゴルフ場といった業者に売られますが、年一度サンフランシスコ市民に無料配布されます。

ニューソム市長は、2020年までにはサンフランシスコ市から埋め立て地にいっさいゴミを送らない、というプランで動いているということです。

ですから、アメリカ人が温暖化の証拠を信じていない、というアンケート集計の結果については、さほど心配をする必要はないと、私は考えております。

科学的な証拠がある、ない、という学術的な論点ではなく、アクションを取る事が好きなアメリカ人は、ゴミを減らす、CO2を減らす、という点について、着実に行動を取り始めているのです。

シリコンバレーの各社でも、コンポストの義務づけが次々にスタートしています。

以上です。
また、環境のトピックについて面白い情報がありましたら送らせて頂きますね。

では、また。


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■どこの国が沈みそうですって・・・?

同じ吉田さんが、つい最近のアメリカ版Forbes.comに掲載された日本に関する記事を訳しておくってくださいました。一部、ご紹介します。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

Forbes グローバル経済

*ごまかされた日本の将来***

2010年1月26日付け ティム・ケリー記者

2002年に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)及び、ムーディーズ(Moody’s)が、日本の長期国債の格付けを下げたとき、日本の格付けはモーリシャス諸島などといった国と同レベルで比較されるようになったという面目のない状態に陥った。

経済援助を受けるために日本を訪れていたボツワナ共和国のほうが格付けが上であるということになり、ホスト側である日本政府は、フェスタス・モハエ大統領と決まりの悪い思いをしながら会談をしなければならなかった。

この火曜日、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、先進国のなかで最も多額の負債を抱えているアジアの最大経済国である日本が、対策を打ち出さなければ、再度日本のレーティングを下げると通告し、日本が再度赤面することになった。日本が抱える負債額は、日本のGDP総額の約2倍にも跳ね上がっている。

(後略)

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ツバルには、国内向けラジオ放送はありますが、テレビは近年になって普及しつつあるパラボラアンテナによる衛星放送だけです。この衛星放送はオーストラリア(と言っていたと思う)からのものなので、ツバル国内のニュースは流れません。CNNやその他のチャンネルを通じて、世界のニュースがツバルのお茶の間に流れています。

今回のツバル・エコツアーの団長、NPO法人ツバル・オーバービューの遠藤さんは、「日本のニュースって、ほとんど流れないんですよねー。でもたまに、北朝鮮の話題や、地震の報道があると、ツバル人はみんなで『おまえの国はだいじょうぶか?』と真剣に心配してくれます」。

日本はツバルで病院や港湾・エネルギーインフラなどたくさん援助していて、JICAをはじめそういった活動をされている方々もがんばっていらして、ツバルの人々はそれをとてもありがたいと思っているようですが、一方で、ツバルのいろいろなところを見学したり、話を聞いたりするたびに、「おまえの国はだいじょうぶか?」という問いが聞こえてくるような気が……。

ツバルにいながら、日本のことを考えつつ、「沈みゆく国って……?」

そうそう、今回のツバル・エコツアーの参加者のプロフィールをご紹介しましょう。団長の遠藤さん、ツバル・オーバービューの理事さんを含め、全部で15人のグループです。(なにせ、島で唯一の国営ホテルの部屋数が16室ですので、、、)

男性が6人、女性が9人。所属欄を見ると、高校生、大学生、大学院生、会社員、NPO職員、主婦、という感じですが、学生さんも会社員さんも主婦さんもほぼ、それぞれ地域や組織での環境NGO活動に携わっているようです。ご夫妻で参加されている方も。

遠藤さんやみなさんとの情報交換やおしゃべりも楽しみつつ、あと2日のツバル滞在です。

今日は日曜日なので、ツアーも自由時間の1日です。今朝はじめて、雨ではない朝だったので、朝6時ごろ、久しぶりのジョギングに出かけました。でも曇っていて風も吹いているとはいえ、やはり30℃ぐらいの気温のせいか、あまり走れませんでした。。。(_ _;;;

何だかとってもゆったりと時間が流れているここで、「走る」というのも何だかそぐわないなあと(確かに、まわりから浮いていました。。。)。あちこちのおじいちゃんたちがニコニコと「タロファー」って見送ってくれるのはうれしかったし、自転車の子どもたちやイヌがついて走ってくれたり(走る人は珍しいらしい。確かに走ってなんていられない気候ですが。^^;)。

途中、海岸の岩に腰掛けて海を見ながら休憩していたら、すごーくでっかいツバル人がやってきて(ツバルの人たちはみんなでっかい)、「何してるの? 何見てるの? 日本から来たの? 温暖化の研究しにきたの?」と人なつっこくいろいろ話しかけてくれました(でも「オレ、昨日村で飲んで、いま帰ってきたんだよ」と言うとおり、あまり脈絡のない話だったので、気を悪くしないように、「あ、朝ごはんを食べに帰らなくちゃ、ありがと、じゃね!」と失礼しました)

明日が最後の日になるので、晴れるといいなー、波がおさまってボートが出るといいなーと思っています。ボートが出れば、ラグーンの島へいったり、シュノーケルしたり、ツバルの紺碧の海を楽しめそうです。今は雨期ですから、雨が多いのもふつうなのですが、さあて、お天気はどうなるかな〜。

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