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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2010年02月09日

エダヒロの今日のひと言〜日本の条件付き削減目標について(2010.02.09)

 

去年の8月からツイッターを始め、いろいろ試してみて、<伝える><広げる>という、私にとってとても大事な側面において、とても勉強になりました。

一方、始めてみてから気づいた「自分にとっての問題点」が明らかになってきたため、12月にツイッターへの書き込みをやめました。メールニュースやダイアリー、日刊温暖化新聞、私の森.jp からのフィード(自動転送)があるので、私のツイッターページには毎日何件かの書き込みが出ますが、自分自身でツイッターだけに書き込むのは、現在お休み中です。

ツイッターを始めてしばらくしてわかってきた「自分にとっての問題点」とは、「表現することへの内圧を下げちゃう」ということでした。

何かを見聞きしたり、思いついたりしたときに、私は「あ、メールニュースに書こう!」、(下らないことだと)「ダイアリーに書いちゃお!」と思うのですね。

そして、PCに向かってメールニュースやダイアリーを書く時間がとれるまでの間(数時間のこともあれば数日待つこともある)「ああ書こうかなー、こう書こうかなー」「そういえば、前に書いたあのことと共通する点がある! そのことも書いたらいいかな〜」などと、アレコレ考えるのがまた楽しくて。

ようやく時間がとれて、PCに向かってからも、どういう順番で書くのがいちばんすーっと入りやすいのか、この言葉よりあの言葉を使った方がいいのか、漢字で書くか、ひらがなで書くか、カタカナがいいのか、フェイスマークを入れようかやめようか、ひとしきり、あれこれ楽しむのですねー。(^^;

ところが、何かを見聞きしたり、思いついたりしたときに、ツイッターはただそれだけを140字でカンタンに書き込めちゃいます。最初はそれが「とても便利〜、自分へのメモになるし。あとで詳しくダイアリーやメールニュースで書こう」と思っていたのですが、いったん思いや考えをつぶやいちゃうと、ソレは安心してしまうらしく、「出してくれ〜」と内側でふつふつと沸きつづける力がなくなってしまうのですね。表現への内圧が下がっちゃうんです。

結果、ダイアリーもメールニュースもなかなか書く気が起こらなくなってしまいました。ツイッター書くのはカンタンなので、ついそちらを書くと、ますます「考えて練って書く」意欲がなくなってしまう、という悪循環にはまりかけているなー、、、と気づいたのが12月はじめ頃。で、直接の書き込みは、いったんお休みすることにしたのでした。

ツイッターは、情報・動向収集という意味でも、いろいろと便利で役に立つツールで、今でも時々読みにはいきますが、前のように、それにけっこうな時間を使うことはなくなりました。

好きなだけ考えて練って書きたいという、表現者としての欲求を活かしつつ、ツイッターの気軽に短く書き込める長所も採り入れられたらいいなあ、と思って、新しい試みをメールニュースで始めることにしました。何か考えたり思ったりしたことを、メールニュースほどは気合いを入れずに、さくっと書く「エダヒロの今日のひと言」です。ひと言つぶやきたくなったら出します〜。

という前口上で、今回は長めになってしまいましたが、「ツイッター的メールニュース」がどんなふうに展開していくか、どうぞお楽しみに〜。(やってみて、また何か気づいたら、方向や形態を変えていくと思いますので!)

で、今日のひと言です。

COP15で採択された「コペンハーゲン合意」では、1月31日までに先進国が削減目標を提出することになっていました。ご存じのように、日本は、これまでの立場通り、「すべての主要国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築及び意欲的な目標の合意を前提」とした上で、2020年に1990年比25%削減目標を提出しています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/22/1/0126_05.html

「他の主要国もちゃんとやるなら日本も25%減らします」という、条件付きの目標設定です。

同様に、条件付きの目標設定をしているのが、欧州連合(EU)です。EUの目標値は、20〜30%削減と表示されますが、「2020年までに域内の温室効果ガス排出量を少なくとも1990年比20%削減する」そして「他の主要排出国が応分の削減努力をするなら、目標値を30%に引き上げる」というものです。

一見同じ「条件付き目標設定」に見えますが、大きな違いがあります。

日本の場合は「他の主要国がどうなるかがわからないうちは、目標が定まらない」のですね。「すべての主要国」「公平かつ実効性のある国際枠組み」「意欲的な目標」のそれぞれをみなが納得するようにどう定義するのだろう? このすべてをクリアするって、可能なのだろうか・・・?

そして、それがクリアされるまで、日本の目標が定まらないとしたら、それまで日本は対策をしっかり進めることができないのではないか。

それに対して、EUの目標設定は二段構えになっています。「だれがどうであっても、EUは20%減らします」そして「みんながやるなら30%やります」ということです。なので、他の主要排出国がどう出るかが決まらなくても、その出方が不十分でも、「少なくとも20%削減」に向けて、着々と対策を打っていくことになります。

この違いはとても大きいと思うのです。ジャンケンの後出しごっこみたいな国際交渉や他国の国内政治の動向を待つのではなくて、「だれがどうであっても、日本は(たとえば)15%は減らします」そして「みんながやるなら25%やります」という二段構えにしておかなくちゃ、動きたくても動けません。

いずれは大きく減らすことになる長期目標をにらんでの中期目標(二段構えの片方でよい)を一刻も早く設定して、少なくとも国内にはその目標を高々と掲げて、産業界も市民も「やるべきこと」を考え、進めていく必要があります。

鳩山政権に変わって、「25%削減」という画期的な目標を設定し、それを変えずに来ていることはとても高く評価していますが、一方で、「みんながやるならね」という条件(これ自体は、国際交渉上、また国際競争力等の点から必要だと思っていますが)がついてから、実際の削減へ向けた政策や施策があまり出ていないような気がして、気になっています。

国際交渉のため、国際的な公平性のため、必要な条件はつけたらよいのですが、条件のつけ方によって、自分たちが進んでいく上での足かせをつけてしまってはいけない・・・と思うのです。

というような側面も含め、今週、「日刊 温暖化新聞」の企業パートナー向けのフォーラムで、経産省の環境政策の担当者をお迎えして、「COP15と今後の地球温暖化対策について」(仮)をテーマに、これからの日本の動向などについてもお話しいただき、意見交換をする予定です。心待ちにしているところです。
http://daily-ondanka.com/partnership/forum_20100210_15.html

ちょっとPRですが、2ヵ月に1回開催している「日刊 温暖化新聞」の企業パートナー向けのフォーラムは、さまざまな講師を迎えての異業種勉強会です。これまでの開催内容はこちらにあります。
http://daily-ondanka.com/partnership/forum.html

このフォーラムは、「日刊 温暖化新聞」を財政的に支え、一緒に会社や社会を変えていこうというパートナー企業のために開催しているため、パートナー企業以外の方にはご参加いただけないのですが、上記URLで、簡易レポートを読んでいただくことができます。(パートナー企業には詳細レポートを送っています)

日刊 温暖化新聞のサイトで自社の取り組みを広く伝え、エコプロ展などでもPRでき、そのうえ、年に6回の異業種勉強会に社員2人ずつ送って、情報収集や業種を超えたネットワークを築くことができて、それで年会費10万円って、けっこうオトクじゃないかな〜? よろしければぜひパートナー企業に参加してくださいな。いっしょに勉強し、自社の取り組みを広く伝え、変えていきましょう!
http://daily-ondanka.com/partnership/guide.html

というわけで、「ひと言」初回、でした。これじゃ、どう考えても140字じゃ無理ですよね〜。(^^;

 

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