<内容>
■生活者の声を届けよう! 新しいアンケートのお願い
■環境モデル都市の学びを全国へ
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■生活者の声を届けよう! 新しいアンケートのお願い
先日メールニュースなどでお願いした日刊 温暖化新聞のアンケート
「家庭のCO2はどこから出ている?」にご協力いただき、ありがとうございました。
147人の方から回答をお寄せいただき、現在集計中です。得られた知見は広くお伝えするとともに、政府や業界などにもフィードバックしていき、実態にあった効果的な取り組みを考えていけるよう、プッシュ/サポートしていきたいと思っています。
このようなアンケートを随時実施していく予定ですので、ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします!
で、さっそく次のアンケートのお願いです〜。
「温暖化の意識と行動に関するアンケート」
こちらも5〜8分で終わると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。こちらのアンケートは6月14日までの期限限定でのお願いです。
なぜ今回のアンケートにご協力いただきたいか・・・現在、「中央環境審議会 地球環境部会 中長期ロードマップ小委員会」のメンバーとして、たくさんの業界団体や個別企業、NGOや消費者団体、労働組合などの取り組みや考えをお聞きするヒヤリングに参加しています。毎週のように開催され、1回3時間、6社・団体からお聞きするという、なかなか濃密でハードなスケジュールで、全部で9回ほどの予定です。
こちらに、終わったものの資料や議事録がアップされています。
http://www.env.go.jp/council/06earth/yoshi06-11.html
見ていただくとわかるように、さまざまな団体や企業ばかりなので、この小委員会の第1回でヒヤリングの進め方について議論したとき、
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家庭の方々は削減にしても省エネ家電を買うにしても鍵を握っているので、ぜひそこのヒアリングが必要だと思うんですが、ヒアリングのフォーマットというか形式を、これまでのやり方でやらないといけないとすると非常に聞きづらくなる。つまり、普通の主婦がこういうずらっと偉い人たちがそろったところで本当の話をするかというと、それは無理です。
なので、一つ提案ですけれども、もし家庭の声を聞くことが重要ということであれば、そのヒアリングのフォーマットを少し違うものも用意して、私がよくやるのは、もう少し話しやすい人数で、フォーカスグループ的にファシリテーターが入って、井戸端会議的に皆さんの意見を聞いて、それを後でレポートにしてこの委員会にお持ちするとか、そういった形ができますので、この場に招致して、それでヒアリングという、そのパターンでないものもできたらやっていただきたいなと思います。
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と発言しました。大きな部屋でずらーっと委員の先生方が囲んで、傍聴席にも数十人、というところで、たとえば、家庭の主婦がふだん考えていることを述べる、というのはなかなか難しいと思うので、もっと少人数で井戸端会議的にできないかな?と思って。
いずれにしても、実際に日常生活で、「何をやる/やらない」「何を買う/買わない」を判断し、行動する生活者(私は消費しないこともオプションとして重視するという意味で、「消費者」より「生活者」という言葉を使っています)に、実際のところをお聞きすることは、中長期ロードマップの議論でも重要だと思っていて、そのために、前回や今回のアンケートをお願いしています。
ということで、1週間限定ですが、「温暖化の意識と行動に関するアンケート」
どうぞよろしくお願いいたします〜。もしかしたら、さらに詳しくお話をうかがわせていただきたい場合が出てくる可能性があるため、最後に少し属性をうかがい、追加のお願いの連絡をしてもよいよ、という方はメールアドレスもお聞きする形式になっています。可能な範囲で、どうぞご協力下さい。
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■環境モデル都市の学びを全国へ
福田内閣時代に設置された「温暖化に関する懇談会」はそのいくつかの分科会とともに、民主党政権に変わって廃止されましたが、1つだけ生き残っている?ものがあります。「環境モデル都市」です。
こちらに素敵なウェブサイトもできているので、ぜひごらん下さい。
http://ecomodelproject.go.jp/
> 「低炭素社会」と言われても、イメージが湧かない......!そんな声に応え、目指
> す社会の姿を具体的に分かりやすく示すのが、「環境モデル都市」です。高い目
> 標を掲げて先駆的な取組にチャレンジする都市を国が選定し、その実現を支援し
> ています。現在、13都市が選定されています。
北九州市
京都市
堺市
横浜市
飯田市
帯広市
富山市
豊田市
下川町
水俣市
宮古島市
檮原町
千代田区
環境モデル都市の分科会の委員から、数名が「環境モデル都市評価アドバイザリーグループ」の委員に任命され(私も入っています)、先月評価会合が開催されました。その結果と学びがアップされていますので、ご紹介します。
http://ecomodelproject.go.jp/doc/D27
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
我が国政府は、今後目指すべき低炭素社会の姿を具体的にわかりやすく示すため、平成20年7月以降、温室効果ガスの大幅削減など高い目標を掲げて先駆的な取組にチャレンジする都市を「環境モデル都市」として選定し、関係省庁が連携してその実現を支援しています。
選定された13の環境モデル都市は、それぞれが掲げる大幅な削減目標達成のための具体的な行動計画「アクションプラン」を策定し、平成21年4月に公表しました。
策定から1年を経て、今般「アクションプラン」に基づく取組の平成21年度の進捗状況について、各自治体から報告を受けました。(各都市からの報告資料はこちら。http://ecomodelproject.go.jp/doc/D27 )
各自治体からの報告をもとに、内閣官房地域活性化統合事務局において、他の自治体にも広く展開が可能と考えられる取組を抽出するとともに(別紙1)、各都市の事業の進捗状況の評価を行いましたので(別紙2)、公表します。
なお、評価に当たっては、平成22年5月19日に開催した「環境モデル都市評価アドバイザリーグループ」(別紙3)の有識者からも助言をいただきました。
各環境モデル都市に対しては、今後、国内外の成功事例・失敗事例を踏まえた取組の拡充・改善の勧告等を行いつつ、秋には、各環境モデル都市の温室効果ガス排出量の状況についてもフォローアップを行い、必要に応じて選定都市見直しの検討等を行います。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この中でも、「 別紙1 全国展開が可能と考えられる取組」はぜひ見て下さい。
http://ecomodelproject.go.jp/upload/100524FUkekka/besshi1.pdf
いわゆる「ベストプラクティス」(優良事例)といわれるもので、それぞれの環境モデル都市で試行錯誤して企画・実施した取り組みの中でも、全国に展開できる可能性があるもの(しかも、あまりお金がかからず効果がある!)をピックアップしてまとめたものです。
13の環境モデル都市は、こうしたベストプラクティスを創り出す切り込み隊長のような役割を期待されて、選定されました。日本中の自治体が、ここでの試行錯誤や学びを、自分たち流にしながら採り入れることができます。自治体の方、ぜひ眺めてみて「自分たちだったら何ができるか?」考えてみて下さいね! 良いヒントになると思います。
これからもこうした「全国展開ができる取り組み」は増えていくと思いますが、現在の報告書に載っているのは、以下のものです(ぞれぞれ1枚のシートにまとめられているのでわかりやすいです)
◎堺モデル
「金融機関と連携した新規環境ビジネスの創出」
市内22金融機関が、「SAKAIエコ・ファイナンスサポーターズ倶楽部」を設立し(平成22年2月) 、環境関連金融商品の提供や市内80店舗で省エネ取組を行うほか、環境イベント等啓発活動を実施。
金融機関による組織の設立と市との協力協定の締結、環境関連金融商品の提供とともに、「SAKAI環境ビジネスフェア」の開催など、環境関連のビジネスマッチング等により、新規環境ビジネスの創出を図っている。
◎飯田モデル
「おひさま0円システム」による住宅用太陽光発電普及プロジェクト」飯田市、地元金融機関、企業と連携し、全国初の初期投資ゼロで住宅用太陽光発電を設置するシステム
を構築。平成21年度から実施。
設置した市民が売電量を増やす目的を持って家庭で省エネ行動を実施することにより、民生・家庭分野における温室効果ガスを削減。
◎京都モデル
「新ダイヤ編成による公共交通機関の利便性向上」
公共交通優先の「歩くまち・京都」に向け,公共交通の利便性を高める取組として,京都市営地下鉄・市バスにおいて「河原町通等間隔走行」、「シンデレラクロス」などを盛り込む新ダイヤを平成22年3月に実施した。
ダイヤ改正の機会を捉えた投資の少ない,工夫による公共交通利便性向上を図っている。
◎富山モデル
「住宅建設・取得への助成など公共交通沿線への住み替え促進」
公共交通軸の沿線において、住宅建設・取得への助成、公共交通サービスの充実等により、居住を誘導(沿 線エリア居住割合:現在約3割→20年後約4割)。
まちなかや公共交通沿線への住み替え促進など、コンパクトシティ化に向けて徹底した取組を推進している。
◎下川モデル
「環境先進企業等と連携した森林づくりプロジェクト」
カーボンオフセット制度による都市の環境先進企業等と山村地域連携による森林づくりプロジェクトを実践。J-VER制度により森林吸収クレジット5,688t-CO2を発行。
外部資金を活用した森林経営を行い、地域産業の発展と雇用の創出、さらに都市企業との交流人口拡大等による地域活性化と温暖化対策に貢献している。
◎横浜モデル
「都市・農山村連携事業(横浜市・道志村)」
農山村地域の森林資源を活用し、山梨県・道志村・横浜市の3者が共同研究したカーボンオフセット事業及び交流拡大事業等を展開。
農山村地域が持つ森林資源と都市部が持つ人的資源、技術をうまく組み合わせ、県境を越えた事業展開や交流人口拡大による地域活性化と温暖化対策に貢献。
飯田モデル、富山モデル、京都モデルをはじめ、こうした取り組みがどんどん広がっていったらいいなあ!と願っています。