熱い日が続きますねー(暑い、というより熱いって感じで、、、)お元気ですか? お互い、熱中症などに気をつけましょうね。
暑い中、熱のこもった熱いセミナーがいくつも続き、来週の韓国での発表用などの厚い資料を作っていたところに、パソコンの調子が2度もおかしくなってしまって、ファイルやメールが失われるという事態に見舞われ、ようやく復活。。。(みなさんもバックアップなどはお忘れなきように〜!)
というわけで、10日振りのメールニュースです。
日刊 温暖化新聞 の明日のトップ記事は、「6月の世界の陸地・海洋表面温度の平均、過去最高の16.2℃を記録」
http://daily-ondanka.com/
日本だけじゃなくて、世界中で暑いんですねぇ、、、
でも、そんな中で、こんな涼風も〜。
2010年07月14日EU:再生可能エネルギー源、2009年新設発電容量の62%を占める
2010年07月19日ドイツ:2050年までに100%再生可能エネルギーによる電力供給は可能
さて、レスター・ブラウン氏のアースポリシー研究所からのリリースを実践和訳チームが訳してくれましたので、お届けします。(グラフは原典をどうぞ)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ここ10年間の気温、過去最高を記録
www.earthpolicy.org/index.php?/indicators/C51/global_temperature_2010
エイミー・ハインザーリング
21世紀に入って最初の10年は、1880年に観測が始まって以来、最も暑い10年だった。この10年間の地球の平均気温は摂氏14.52度(以下「摂氏」は省く)で、過去のどの10年間よりも0.2度高かった。2005年は観測史上最も暑い1年となり、2007年と2009年はともに2番目に暑い年となった。実際、観測史上最も暑かった10年のうち9年は、ここ10年間の中に含まれる。
気温の上昇は、ここ数十年で加速している。現在の地球の気温は、20世紀最初の10年より0.8度高くなっており、その上昇幅の2/3は1970年以降に生じている。(データ参照)
こうした地球の気温上昇は一見わずかなように思えても、自然のシステムは既に反応し始めている。氷床や氷河の融解、気象パターンの変化、季節的現象が発生する時期のずれを見れば明らかだ。もし気温が現在の曲線を描きながら上昇し続ければ、人類文明が発達し繁栄してきた狭い気温の変動幅を今世紀末には超えていることだろう。
気温は世界中で上昇しているが、温暖化の進行がほかより速い地域もある。中でも最大規模の温暖化が起きているのが北極だ。北極にあるいくつかの湖、樹木の年輪、氷床コアなどの古気候データを見ても、この10年間が過去2000年で最も暑い10年だったことは明らかである。
温暖化の勢いが北極圏で増すのは多くの理由による。その一つに挙げられるのは、圏内を広く覆っている雪や海氷の消滅だ。つまり、気温が上昇し、光を反射する氷が融けると、それまでより暗い色の海水が現われる。その海水が太陽からより多くのエネルギーを吸収し、温暖化が加速するのだ。
圏内の一部の地域では、年間平均気温が1950年代以降2〜3度も上昇している。2007年には北極海の夏季の海氷が観測史上最小にまで縮小し、北西航路は人類が知る限り初めて、まったく氷のない状態となった。その後、2008年と2009年の北極海の夏季の海氷は、観測史上それぞれ2番目と3番目に最小となった。
地球の気温は多くの要因で決まる。大きな影響を及ぼすものの一つは、エルニーニョ南方振動(ENSO)である。これは、熱帯太平洋全域にわたって大気と海洋の温度を大きく変えるサイクルで、二つの現象がある。概して地球の平均気温を上げるエルニーニョと、それを下げるラニーニャだ。
年毎の気温の変化は、地球が太陽から受け取るエネルギーの量によっても左右される。太陽活動が活発化すると地球の気温は上昇し、太陽活動が沈静化すると気温は下がる、という傾向があるのだ。
しかし、こうした自然のサイクルだけで、この10年間の気温のパターンは語れない。今世紀最強のエルニーニョは、1998年の気温を当時の最高記録にまで押し上げたが、最も暑かった一年(2005年)の気温上昇は、エルニーニョの影響を受けなかった。
また2007年は、気温を下げるラニーニャが発達したにもかかわらず、2009年とともに観測史上2番目に暑い年となった。さらに、地球の気温が記録的な高さにまで上昇している中、入ってくる太陽エネルギーは、実際のところ、今世紀当初から減少している。2009年初めの太陽活動は100年間で最低レベルにまで落ち込んだ。
ENSOサイクルや太陽の放射照度の変化よりむしろ、熱をとらえる温室効果ガスによって引き起こされる人為的な温暖化のほうが、気候に大きな影響を及ぼし始めた。大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命が始まって以来急上昇している。18世紀後半には280ppmだったのが、今日では387ppmにまで上昇しているのだ。
研究者が最近報告したところによると、過去に大気中の二酸化炭素濃度がこれほど高くなったのは約1,500万年前が最後で、当時の海面は現在よりも25〜40メートル高く、気温はおよそ3〜6度高かったという。
地球の気温上昇がもたらす危機は広範囲に及んでいる。大気の温暖化に伴い、10億人以上に水を供給している山岳氷河が溶けつつある。氷床の融解と海洋の熱膨張は、海面を引き上げ、沿岸住民を脅かしている。上昇し続ける気温は、作物生産量を低下させ、世界の食糧供給を危険にさらしている。世界中の生態系も取り返しのつかないほど変化し、大量の生物種が絶滅の危機に瀕している。
そのほか、地球の気温が高くなると、異常気象はより頻繁に起こるようになり、深刻さも増す。科学者たちは過去数十年間にわたり、地球全体における極端な暑さの増加と、極端な寒さの減少を指摘してきた。気温がさらに上昇すれば、熱波はより頻繁に発生し、激化するだろう。
干ばつはさらに長期化して厳しさも増し、より広い地域で発生するだろう。1970年代以降、気温上昇に伴って世界的に干ばつが急増していることも既に確認されている。同時に、気温が上昇すると、大気の保水容量も増加し、元々雨の多い地域では、より激しい嵐や洪水を引き起こす。
ここ10年の間には、記録破りの異常気象が多く見られた。その間に報告されたさまざまな事例は、温暖化の進行とともに、より頻繁に起こるようになると予想されている。2003年の夏、欧州は5万2,000人以上の死者を出した激しい熱波を経験した。
また米国ではこの10年間で、最高気温を観測した日数が最低気温を観測した日数の倍になり、後半の5年間はほとんど、南部と西部のいくつかの地域で長引く干ばつに悩まされることとなった。西部と中西部を襲った2006年の熱波も、カリフォルニア州で140人の死者を出している。
高温と干ばつは、山火事には危険な組み合わせだ。実際、2006年と2007年の山火事シーズンは米国の観測史上最悪となった。2009年初めには、同様の組み合わせがオーストラリア南東部の災害につながった。今日「ブラック・サタデー(暗黒の土曜日)」として知られている森林火災である。激しく急速に広がる山火事で173人が死亡、100万エーカー(約40万ヘクタール)以上が燃えた。
ほかの地域でも、この10年間は異常なほどの豪雨と洪水が起きている。2002年、中欧を襲った記録的な洪水では100人以上の死者が出たほか、45万人が避難を余儀なくされた。2007年夏にはイングランドおよびウェールズで、過去60年で最悪の洪水が発生、9人が死亡し、数十億ドル(数千億円)にも及ぶ損害が出た。5月から7月にかけてのその時期、同地域では1766年の観測開始以来、最大の降雨量を記録している。
また2008年には、アフリカ大陸の数カ所で大規模な洪水が発生した。アルジェリアでは過去100年で最悪の洪水となり、ジンバブエの洪水も観測史上最悪となったのである。
気温が上昇するにつれて、暖まった海洋は、より多くのエネルギーを生み、熱帯性暴風雨の勢力を強める。過去数十年の間には、最大規模のハリケーンの発生頻度が増したことも確認されており、研究者はその主な原因が海面温度の上昇であることを認めている。2005年の大西洋のハリケーンシーズンは史上最悪だった。
名前のついた暴風雨は27に及び、そのうち15がハリケーンとして分類された。1,300人以上の死者と1,250億ドル(約11兆2,500億円)の経済的損失をもたらしたハリケーン・カトリーナもこのうちの一つである。
2,500人以上の科学者で構成される国際機関「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は2007年、第4次評価報告書を発表した。その中でIPCCは、近年の地球温暖化を「疑う余地がない」と表現した。この報告書の予測では、今世紀末までに地球の平均気温は1.1〜6.4度上昇するという。
最新の科学的評価に基づくと、もし温室効果ガスの排出量が現在の勢いで増加し続けたら、気温は今世紀末までにIPCCの予測の上限値に達するか、それを上回る可能性が高い。既に、加速する氷の融解や海面上昇といった気温上昇の影響は、わずか3年前にIPCCが打ち出した予測を上回りつつある。温室効果ガス排出量を大幅に削減しなければ、地球の気温は今世紀末までに劇的に上昇し、現在私たちが知っている世界とは、はるかに様相の異なる世界になってしまうだろう。
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データと詳細情報はwww.earthpolicy.org を参照のこと。
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(翻訳:荒木由起子 チェッカー:角田一恵)