今年秋、名古屋で、生物多様性条約第10回締約国会議が開催されます。
「温暖化の次のテーマ」ともいわれる生物多様性への取り組みが、世界的に大きな動きとなりつつあります。
しかしその一方で、「生物多様性はわかりにくい・伝えにくい」という声もよく聞きます。
私自身も、生物多様性に関するセミナーや講演をする中で、「温暖化よりもずっと伝えること、行動につなげることのハードルが高いなあ」と思いつつ、どう伝えたらより伝わるのだろう? どういう例をお話しすれば実感につながるのだろう? と試行錯誤を続けています(ちょっとずつ前進、、、という感じです。。。)
先日、生態系保全活動に関わっていらっしゃる団体の方々を対象に、「生物多様性について、特に生態系サービスという考え方について」お話をする機会がありました。
一般の方々よりも生物多様性になじんでいらっしゃる方が多かったと思いますが、エダヒロの講演の「使用前/使用後」?の効果測定のために、講演前と講演後に、同じシンプルな問いに答えていただきました(1〜5点評価)。結果は以下の通りでした。
【講演前】
生物多様性について
その意味を理解している 3.76
なぜ大事かを理解している 3.82
自分にとって近いと思う 3.69
【講演後】
生物多様性について
その意味を理解している 4.24
なぜ大事かを理解している 4.36
自分にとって近いと思う 4.18
(有効回答数45人)
生物多様性ってどういうことか、なぜ大事かをよりわかっていただけて、また、自分とは関係ない問題なのではないということを感じていただけたようで、ほっとしました。講演をさせていただくのは、その前後の「知識や理解、納得度、態度、行動」などに変化を創り出すためですから(何も変わらなかったら、講演の意味はないですものね?)
講師としては、できるだけ効率的に効果的な変化を創り出すために、講演の話の組み立て、データ、エピソード、問いかけ、映像、その他、いろいろと工夫しては結果を見て(アンケートを読んで)また工夫をする……の繰り返しです(それが好きなんですねー。^^;)。
そして、こうした市民の意識や行動への働きかけも大事ですが、昨今の生物多様性をめぐる動きの中でも特に注目されているのが企業の取り組みです。
生物多様性条約でも「生物多様性の構成要素の持続可能な利用」が大きな目的の1つとされているように、生物多様性の保全のためには、企業の取り組みが欠かせないものとして位置づけられています。
日本でも、「生物多様性方針」を発表するなど、何らかの取り組みを始める企業も増えてきました。
その一方で、「何かをすべきだと思うが、何から始めてよいかわからない」「企業の内部や経営層を説得することが難しい」「自社と生物多様性の関係をどのように考えたらよいのか」「社会は企業に何を求めているのか」「NGOとのコラボレーションをどうやって進めたらよいのか」など、担当の方々の悩みの声をよく聞きます。
そういうときに、これまでも、企業向けの「生態系の変化に伴うビジネスリスクと機会を見出すためのガイドライン」のプロセスをお手伝いしたり、市民やNGOのほか、内外の専門家とのつながりなどを活かして、企業の生物多様性への取り組みをお手伝いしてきましたが、個別のお手伝いだけではなく、グループで取り組めないかな?と思っています。
ということで、業種を超えて、生物多様性に関して何らかのアクションや成果を出す必要がある企業同士が学び合い、情報交換しながら、生物多様性の取り組みを実際に進める半年間のグループ・プロセスを考えています。
半年間と期間を区切って、「6ヵ月で何らかの成果を出す」ことをめざします。個別のお手伝いに比べて格安の料金で、実作業を進めていくことができます。参加社数を最大10社とし、少人数で密度の濃いプロセスを進めていきます。
■生物多様性への取り組みを形にするための6ヶ月プロセス
・月1回(3〜4時間)×6ヶ月のグループ・プロセス
・内外の最新情報とネットワークを活用し、具体的な成果物をカタチにする
□方針、行動指針の策定
□自社の生態系サービスへの影響・依存のスクリーニング評価
□経営層へのアピール(説得)
□社内への意識啓発
□NGOとのコラボレーションなど
(※グループプロセスの場合は最低催行社数あり)
ご不明な点やスケジュールや費用などの詳細は、問い合わせ下さい。
有限会社イーズ 担当 飯田/安西
E-mail:info@es-inc.jp/電話:03-5426-1128
少しでも意識と理解が広がり、深まっていくように、そして、取り組みを具体的なカタチにしていく企業が増えていくように、お手伝いできたらと思っています。
※有限会社イーズは、2017年12月25日に移転いたしました。
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