ホーム > 環境メールニュース > アースポリシー研究所より「海底の石油ではなく海上の風を」 (2011.05.27...

エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2011年05月28日

アースポリシー研究所より「海底の石油ではなく海上の風を」 (2011.05.27)

新しいあり方へ
 

しばらく震災・原発事故関連の情報を中心にお届けしていますが、その間も、温暖化をはじめとする環境問題やそれらに関連する動きがストップしていただけではなく、世界は着々と新しい時代に進みつつあります。

少し古い情報になってしまいましたが、アースポリシー研究所のリリースを実践和訳チームが訳してくれましたので、お届けします。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

海底の石油ではなく海上の風を                       ジャネット・ラーセン

www.earthpolicy.org/index.php?/press_room/C68/2010_datarelease11

すさまじい環境破壊をもたらしているメキシコ湾の原油流出事故。これは、汚染と地球温暖化を引き起こす化石燃料への依存が高まると、人間の健康や環境、そして経済が危険にさらされるということを、改めて気づかせてくれるほんの一例である。

米国の石油生産量は1970年にピークを迎え、1日あたり 960万バレルとなった。以降、生産量はほぼ半分にまで減少し、現在の供給量は国内消費量の30%弱にすぎない。その不足分を補うため米国が2009年に石油の輸入に費やした額は2,000億ドル(16兆8,000億円)近くにのぼる。

【グラフ】
米国における石油生産 総生産量および海底油田生産量(1900年〜2009年)
【グラフ縦軸:単位】100万バレル/日
【出典】EIA(米国エネルギー省エネルギー情報局)
【凡例】
Total Production
総生産量
Offshore Production
海底油田生産量
【グラフ作成】アースポリシー研究所www.earthpolicy.org

陸地の油井は枯渇しつつあり、海底油田がなければ、米国の石油生産量は現状よりもっと急激に減少していただろう。海底油田からの生産量は、現在、米国の石油生産量全体の約1/3を占めるに至っている。しかし、残る資源は限られており、採掘はますます困難になってきている。石油掘削基地ディープウォーター・ホライズンからの原油流出をBPが止められないことではっきりと示されたように、海面下1.4キロメートル近くでの原油採掘の制御は、きわめて難しく危険を伴う。

「簡単に手に入る」石油の時代は終わった。国際エネルギー機関のチーフエコノミストであるファティ・ビロールが世界に勧告するように、「私たちは最後の一滴がなくなるまで原油にしがみついていてはならない。石油に見捨てられる前に、私たちが石油のもとを去るべきなのだ」

幸いなことに、代替手段はある。米国では、1日に2,000万バレル近い石油が消費されているが、その多くは自動車を走らせるのに使われている。その自動車が、都市部では、通勤者を渋滞に巻き込み、累計で年間42億時間の無駄を生んでいるのだ。これによってかかる社会的コストは870億ドル(約7兆3,000億円)ほどに上ると、テキサス交通研究所は試算している。

石油への依存を減らす方法としては、一人乗りの車以外にも、バス高速輸送システム(BRT)、ライトレール(路面電車)、高速鉄道、自転車や歩行者の専用道路といったさまざまな交通手段が考えられる。

米国の自動車保有台数は昨年1年間で400万台減少したものの、車が近い将来にすべてなくなることはないだろう。しかし、市場に投入され始めた電気自動車やプラグイン・ハイブリッド電気自動車と、再生可能な方法で生産される電力とが結びつけば、今ある車を一掃することは可能だ。

米国パシフィック・ノースウェスト国立研究所の試算によると、現在の電力供給インフラでも、車のバッテリーを夜間に充電してオフピーク電力を大いに利用すれば、米国の自動車保有台数の80%以上に電力を供給することが可能である。さらに全米の電力網を、米国内の膨大な風力、太陽、地熱エネルギーを活用する、より強力でスマートな相互に連結された電力網に進化させれば、車に関して石油から電力への移行は完了する。

石油が限られた資源であるのに対し、風力資源は豊富で枯渇することがない。米国科学アカデミー紀要に掲載された最近の研究によると、世界の炭素排出大国各国には、現在の電力需要の何倍もを満たす風力エネルギーが潜在している。米国の風力の潜在エネルギー量は合計で、現在の電力使用量の22倍になると推算されている。中国では15倍以上、ロシアではなんと170倍なのだ。

洋上風力資源だけをみても、米国の持つ潜在エネルギー量は現在の電力使用量の4倍である。カナダについては、洋上風力資源は39倍に跳ね上がる。
(参照:総合データセットhttp://www.earth-policy.org/datacenter/xls/Offshore_Wind_Not_Oil_Data.xls

【グラフ】CO2高排出国における年間の洋上風力エネルギー賦存量と現在電力消費量
【グラフ縦軸:単位】テラワットアワー
【グラフ横軸:国名】
China:中国 United States:米国 Russia:ロシア
India:インド Japan:日本
Germany:ドイツ Canada:カナダ United Kingdom:英国
【出典】Lu, McElroy, Kiviluoma (米国科学アカデミー紀要2009年)
【棒グラフ色別表示】
青色:洋上風力エネルギー賦存量
茶色:現在電力消費量
【グラフ作成】アースポリシー研究所www.earthpolicy.org

これまでのところ、洋上風力発電への取り組みはそのほとんどが欧州で展開されてきたが、状況は近いうちに変わっていくかもしれない。中国と日本は、ちょうど洋上風力資源の開発を始めたところだ。米国では、最近、マサチューセッツ州沖のケープウィンド・プロジェクトに認可が下りた。デラウェア、ニュージャージー、ロードアイランド等の各州でも計画が提案されており、米国もこの開発ゲームに加わることになりそうだ。

石油と違って、風はどこでも手に入るクリーンなエネルギーで、流出したり気候を乱したりすることはない。また、価格もこれから安くなる一方だ。そして、風力に関しては、枯渇の心配が全くないのである。

# # #
詳しい情報およびデータについてはwww.earthpolicy.orgを参照。

メディア関連の問い合わせ
リア・ジャニス・カウフマン
TEL:(202) 496-9290 内線 12
電子メール:rjk@earthpolicy.org

研究関連の問い合わせ
ジャネット・ラーセン
TEL:(202) 496-9290 内線 14
電子メール:jlarsen@earthpolicy.org

アース・ポリシー研究所
1350 Connecticut Ave. NW, Suite 403
Washington, DC 20036
ウェブサイト:www.earthpolicy.org

(翻訳者:古谷明世 チェッカー:A.I.)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

先日も大学生で翻訳者をめざしているという方から、「どうやって勉強したら良いのでしょうか?」と質問をいただきました。「ちょうどそれに答えるためのセミナーをやるんですよ。実践的なトレーニングも体験してもらえます」とご紹介した大阪でのセミナーのご案内です。翻訳や英語にご興味のあるお知り合いやお友だちに回していただけたらありがたいです。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここからご案内〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

有限会社イーズのトラたまコミュニティ事務局より、初めての大阪での
翻訳セミナーのお知らせです。

6月4日(土)に大阪で

翻訳セミナー
「あなたも翻訳家になれる! 〜翻訳を仕事にするための3つのステップ〜」

実践トレーニングセッション
「力のつくトレーニングを体感し、勉強法を身につけよう」

を開催します。

「趣味から一歩踏み出して、いつかは翻訳を仕事にしたい」「少しは翻訳の仕事をもらえるようになったが、翻訳で食べていけるようになりたい」「翻訳家になって、本を出版したい」という方々に向けて、夢の実現に一歩近づくための「翻訳セミナー」です。

この機会にぜひご参加下さい!

※トラたまコミュニティは枝廣淳子が主宰する翻訳者さんのたまごさんたち(+ 元たまごさんたち)のためのコミュニティです。ただいまメンバー募集中です!
=======================================================================

翻訳セミナー「あなたも翻訳家になれる! 〜翻訳を仕事にするための3つのステップ〜」を大阪で開催いたします。

第1部では、アル・ゴア元米国副大統領の『不都合な真実』をはじめ20冊以上の翻訳書を出し、翻訳者を養成するためのコースを主宰し、『あなたも翻訳家になれる!』(ダイヤモンド出版)を出版している枝廣淳子が、多くの経験をもとに「翻訳の仕事とは? 使ってもらえる翻訳力をつけるには?」について、お話しします。

翻訳者を育成するトラたまコミュニティでも、しっかりとトレーニングを積み重ねて、仕事につながる実力を身につけているメンバーも増えてきました。ぜひ一緒に勉強し、自分の成長につなげていきませんか?

また第2部では、ふだんなかなか体験できない現場の緊張感やスピード感をもって、翻訳を体験していただく『実践トレーニングセッション』を開催します。やってみてはじめてわかるコツや目からウロコのヒントをいっぱいお持ち帰りいただけると思います。

みなさんが日ごろ感じている疑問や不安にもできるだけお答えする時間をとっておりますので、翻訳という仕事にご興味・ご関心をお持ちの方、翻訳の勉強をしながら仕事につなげたいと考えていらっしゃる方、翻訳の仕事をさらにステージアップしたいと思っていらっしゃる方、翻訳を体験できるこの貴重な機会に、ぜひご参加下さい。

====================================
・翻訳とはどのような仕事?
・翻訳力の構成要素とは?
・効果的なトレーニング法とは?
・仕事につなげるにはどうしたらよい?
などなど。

■6月4日(土)翻訳セミナー 「あなたも翻訳家になれる! 〜翻訳を仕事に
するための3つのステップ〜」

○日時:6月4日(土)

第1部 10:00〜12:00 講演
「あなたも翻訳家になれる! 〜翻訳を仕事にするための3つのステップ〜」

第2部 14:00〜16:30 実践トレーニングセッション
「力のつくトレーニングを体感し、勉強法を身につけよう」

○講師 枝廣淳子

○会場:大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)
セミナー室2

・京阪「天満橋」駅下車。東口方面の改札から地下通路を通って1番出口より
東へ約350m。
・地下鉄谷町線「天満橋」駅下車。1番出口より東へ約350m。
・JR東西線「大阪城北詰」駅下車。2番出口より土佐堀通り沿いに西へ約550m。
http://www.dawncenter.or.jp/shisetsu/map.html

○定員:45名

○参加費:第1部 講演 一般 3,000円(税込)
            トラたまコミュニティメンバー 2,700円(税込)

     第2部 実践トレーニングセッション 
            一般 10,000円(税込)
            トラたまコミュニティメンバー 9,000円(税込)

※トラたまコミュニティについてはこちらからご覧いただけます。
http://www.es-inc.jp/toratama/index.html

※当日参加後2週間以内にトラたまコミュニティにお申し込みの場合、午前中のセミナー参加費(3,000円)と午後のメンバー割引(1,000円)を年会費に充当し、6,000円のところ2,000円でトラたまコミュニティメンバーになっていただくことができます。

○お申込み
電子メールでお申込ください。件名に、6月4日翻訳セミナー申込、と書いて、以下の申込書を
tra-semi@es-inc.jp までお送り下さい。
折り返し、参加費のお支払い方法のご案内を自動返信メールにて送信いたします。
参加費のお支払をもって正式受付とし、参加票を電子メールでお送りいたします。

===================================================================
          申 込 書

■6月4日翻訳セミナー 「あなたも翻訳家になれる! 〜翻訳を仕事に
するための3つのステップ〜」

ご氏名 [                      ]
ふりがな[                      ]
メールアドレス [                  ]
連絡先電話番号 [                  ]
参加ご希望[第1部のみ ・ 第2部のみ ・ 第1部と第2部両方]
※参加ご希望をお選びください
備 考 [                      ]

なお、クレジットカードでのお振り込みを希望される方はPaypalでの決済をご利用できますので、下記欄にその旨ご記入ください。のちほどトラたまコミュニティ事務局よりご案内させていただきます。

[                      ]

※このセミナーをどこでお知りになったか教えていただけると幸いです。
( ) a. 枝廣淳子のメールニュース(enviro-news)
( ) b. イーズメール
( ) c. 職場・知人・友人からのご紹介
( ) d. イーズのウェブサイト
( ) e. その他 (          )

===================================================================
※お申込後、数日たちましても仮受付票が届かない場合は、メール送受信のトラブルの可能性がございますので、その際は tra-tama@es-inc.jpもしくは電話03-5426-1128までお問い合わせください

○お問合せ:
有限会社イーズ  トラたまコミュニティ事務局 担当 瀧上
E-mail:tra-tama@es-inc.jp/電話:03-5426-1128


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ご案内ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

明日は福山にお邪魔します。

何年も前のこと、福山で一泊したときにびっくりしたことがあります。私の名字「枝廣」はかなり珍しい名字なのですが(枝が広がるって、芸名ですか?と聞かれることもある......)、福山のホテルで電話帳をめくったら、2ページ半も枝廣さん・枝広さんがいらっしゃったんですよ〜。あちらでは全然珍しい名字じゃないんですって。明日は里帰り?気分で行ってきます〜。(^^;

※メールニュースの引用・転載は出所を添えて、ご自由にどうぞ
(枝廣淳子の環境メールニュース http://www.es-inc.jp


※有限会社イーズは、2017年12月25日に移転いたしました。
この記事に関するお問い合わせ

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ