レスター・ブラウン氏を招いてのシンポジウムから、あっという間に1ヵ月が経ちました。シンポジウムのようすは公開して見ていただけるよう、準備を進めておりますので、またご案内しますね。
本題に入る前に2つ、お知らせです。
●毎回好評の「一年の計ワークショップ」、次回の開催日が9月1日(土)〜2日(日)に決まりました。(定員16人)
大きく変わりつつあるこの時代・社会。これまでの「〜べき」をいうメンタルモデルをゆるめ、心の声に耳を傾け、ありのままの自分を大事に、しなやかに、軽やかに、自分らしく生きていくための「人生の棚卸し」「バックキャスティングでのビジョンづくり」「じょうずにシフトしていくための自分マネジメントシステム」を、森に囲まれた静かな時空で、じっくり進めてみませんか。
●事務や経理・プロジェクトを担当して下さる方(正社員)を募集中です
持続可能な社会をめざす企業向けの環境/CSR/組織作りのための研修・コンサルティング、一般向け環境コミュニケーションや自己啓発セミナー・ワークショップ運営など、さまざまな活動を展開している有限会社イーズ/有限会社チェンジ・エージェントでは、小田急線千歳船橋の事務所にて、事務全般・経理・各種プロジェクトを担当して下さる方(正社員1〜2名)を募集します。
さて、レスターの来日中、いくつものメディアが取材をしてくれて、雑誌や新聞などに載せてくれました。日経新聞の滝編集委員が取材してくれたものは、ネットで読めますので、ご紹介します。
人口増、環境悪化...訪れる「転換点」 アース・ポリシ―研究所のブラウン氏に聞く
編集委員 滝順一
http://www.nikkei.com/tech/ecology/article/g=96958A90889DE1EBE7E7E7E3E7E2E3E1E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2;p=9694E2E4E2E7E0E2E3E2E3E7E5E7
少し前のものになりますが、レスター・ブラウン氏のアースポリシー研究所からのリリースを、実践和訳チームが訳してくれましたので、お届けします。グラフは、ウェブサイトからご覧ください〜。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
データ・ハイライト 数字から見た「崖っぷちに立つ世界」
エネルギー効率に光を当てる
http://www.earth-policy.org/data_highlights/2011/highlights15
私たちの非効率的な、炭素ベースのエネルギーに頼る経済のせいで、地球の気候は取り返しがつかないほどかく乱されようとしている。危険な気候変動を回避し、気候変動の結果生じる穀物の収穫量減少を招く熱波や、ますます破壊力を強める暴風雨、加速する海面上昇、押し寄せる気候難民を防ぐには、2020年までに炭素の排出量を80%減らさなくてはならない。(http://www.earth-policy.org/books/wote/wote_data_topic#4)
アースポリシー研究所が「気候安定化プラン」の中で主要な項目の筆頭にあげているのは、世界のエネルギー経済の効率を組織的に向上させることである。効率を上げ、炭素の排出量を減らし、コストを削減する最大の近道に、「ただ電球を交換するだけ」という方法がある。
世界の電力需要の約19%は照明用である。この分野で排出される炭素の量は、世界中の自動車が排出する炭素全体のおよそ70%に相当する。
【グラフタイトル】照明と世界中の軽量自動車による炭素排出量 2005年
【グラフ横軸】照明・軽量自動車
【グラフ縦軸】炭素排出量(単位:100万トン)
【グラフ右】アースポリシー研究所─www.earthpolicy.org
【グラフ下】出典:国際エネルギー機関(IEA)のデータよりアースポリシー研究所作成
http://www.earth-policy.org/images/uploads/graphs_tables/highlights15_lightingauto.PNG
世界中の照明設備で消費される年間3,400テラワット時の電力のうち、40%以上はオフィスや小売店を含む商業施設、学校、病院で使われている。1/3近くは家庭で使われ、18%が工業施設、残り8%が交通信号機、駐車場など屋外の利用である。
【グラフタイトル】世界の分野別の照明用電力消費量 2005年
【グラフ下】合計:3,418テラワット時
【グラフ下】出典:国際エネルギー機関(IEA)のデータよりアースポリシー研究所作成
【円グラフの項目】家庭、商業施設、工業施設、屋外
http://www.earth-policy.org/images/uploads/graphs_tables/highlights15_sector.PNG
効率の悪い白熱電球を格段に効率のよい電球型蛍光ランプ(CFL)に交換すれば、照明用の電力使用量を3/4以上減らすことができる。しかもこの型の電球は10倍も長持ちするため、標準的なCFL1個につき、寿命が尽きるまでにざっと40ドル(約3,200円)の電気代が節約できることになる。
【グラフタイトル】白熱電球と電球型蛍光ランプの1万時間の消費電力(単位:キロワット時)【グラフ下】出典:米国エネルギー省(DOE)および米国環境保護庁(EPA)、国際エネルギー機関 (IEA)のデータよりアースポリシー研究所作成【グラフ下】注:見た目の明るさが同じ60Wの白熱電球と13WのCFLを使った比較に基づく。標準的なCFL1個の寿命は最大1万時間だが、白熱電球をそれだけ長期間持たせるには10個必要であり、使用電力は4倍以上になる。
http://www.earth-policy.org/images/uploads/graphs_tables/highlights15_incancfl.PNG
多くの国で白熱電球は段階的に廃止されつつあり、世界はCFLへ移行する劇的な転換点を迎えている。2006年以降、オーストラリア、キューバ、日本、米国、欧州連合(EU)全体を含めた約40カ国が白熱電球を段階的に撤廃、または撤廃を宣言している。
しかしCFLへの移行が完了するのを待つまでもなく、発光ダイオード(LED)への転換は進んでいる。現在、世界でも最新の照明技術であるLEDは、CFLよりもさらにエネルギー消費量が少なく、耐用年数は20年を超える。
LEDは、交通信号機のようないくつかの隙間市場を急速に席巻し始めている。欧州ではまだ2割足らずだが、米国では、交通信号機のほぼ7割がLEDに入れ替わっている。ニューヨーク市は街の交通信号機をすべてLEDに交換し、年間の電気代と維持費用を600万ドル(約4億8,000万円)削減した。それよりもはるかに数の多い街灯ランプをLEDに取り替えると、節約額はさらに大きくなるだろう。LEDは価格低下が続いていることから、2015年までに北米及び欧州の全照明市場の5割以上、2020年には8割以上をLEDが占めそうである。
省エネは、人がいない場所では消灯する動作センサーを使っても可能だ。また自動調光機を利用すると、日の光が明るいときは室内照明の照度を抑えることができる。こうした「スマート」な照明技術とLEDを併用することで、白熱電球に比べて電気代を9割安くすることが可能になる。
全体的にみると、家庭でのCFLへの移行、事務所ビルや小売販売店、工場での最新式直管蛍光灯への切り替え、さらには交通信号機のLED化により、現在照明に使っている電気消費量は65%削減され、同時に、世界の総電気使用量のうち照明の占める割合は19%から7%に低下するだろう。これによって電力は、世界中で2,800ある石炭火力発電所のうち705箇所を閉鎖できるほどの量が節約できるだろう。
もし、現在の傾向から予測されるように、2020年までにLED照明への依存が世界中で強まれば、節約効果はさらに大きなものになるはずだ。照明効率を高めるこの技術革新に他の主要な経済分野における同様な省エネ活動が結びつけば、今から2020年までの間に予想されるエネルギー需要増加分は、全て吸収することが可能になる
(http://www.earth-policy.org/datacenter/xls/book_wote_ch8_4.xls)。
アースポリシー研究所が作成した気候安定化プランの中で、エネルギー効率とその他の項目についてさらに詳しいデータ・情報を知りたい方はレスター・R・ブラウン著『地球に残された時間』(World on the Edge)www.earth-policy.orgを参照のこと。
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メディア関連の問い合わせ:
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研究関連の問い合わせ:
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アースポリシー研究所
1350 Connecticut Avenue NW, Suite 403
Washington, DC 20036
ウェブサイト:http://www.earth-policy.org
【訳注】1ドル=81円 で換算
翻訳:野村、酒井
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