いま成田空港です。2週間弱の海外出張に出ます。ネット環境があまりない場所なので、メールニュースもGWのお休みになるかな〜?(それとも、機内で書きためてしまうかな、、、^^;)
ということで、私は出られませんが、今日も基本問題委員会が行われます。今日の議題の一つが「国民的議論」ということなので、ぜひこれまでの発言や提案が”生きている”ことを願っています。
これまでの自分の発言と資料から、大事なポイントを3つ、整理しておきたいと思います。
(1)コストを考えるときに大事なこと
(2)エネルギーに関する情報やデータをわかりやすく伝える必要
(3)エネルギーについての市民との対話のプロセスをつくる必要
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(1)コストを考えるときに大事なこと
これから特にコストの話がいろいろ出てくると思います。先ほども、再エネを増やした場合のコストというのが出ていました。
この場合、「再生可能エネルギーを大きく増やしたときにコストがいくらかかるか」と同時に、「今大きく増やさなかったら将来的にどういうコストがかかるか」、つまり、「作為のコスト」と「不作為のコスト」の両方を出していただきたいと思っています。
何か物事をしようと思ったら、短期的には、どうしたってコストがかかってしまいます。だけど、今そのコストをかけることで、将来の起こり得るコストを避けることができる。投資というのはそういった判断で行うものだと思っています。
ですから、短期的な、「いくら上がりますか?」ということだけではなくて、中長期的な、CO2のコストであるとか、原発のバックエンドであるとか、枯渇性のエネルギーである化石燃料の将来的な値上がりであるとか、こういったことをきちんと、短期だけではなく中長期も入れて、作為・不作為という形で整理して出していただきたいと思っています。
「エネ女」「エネ若(やん)」等、国民の方々といろいろお話をする機会を持っているのですが、そこで、この基本問題委員会でぜひ重視して議論してほしいと挙がってくるのが、たとえば「安全性」とか「命」とか「未来世代」とか「倫理」とか、こういった観点です。
残念ながら、こういったものには値段がつけられません。ですので、コストの計算や経済モデルには入ってこないと思います。「値段はつけられないけれども大こと」、今申し上げたようなことを、どうやって議論していくのか、どうやってそれを私たちの選択肢の判断に入れていくのか。やはりそれもこの委員会で議論していかないと、「値段つけられないから、それは考えに入れません」という形で進めるのは間違いだと思っています。
もし、「倫理」とか「命」とか「未来世代」とかの観点が、ここにいるメンバーの得意分野ではないということであったら、そういったことの話ができる有識者、専門家に来てもらって、その話を聞いた上で議論をする。必要があれば私も候補者をお出ししますし、皆さんそれぞれ候補者の当てがいらしたら出し合って、ぜひその議論――これまではそういった議論があまりなかったですが、ぜひそれをしてから選択肢ということを考えていきたいと思っています。
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(2)エネルギーに関する情報やデータをわかりやすく伝える必要
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「エネ女の集い」と「エネ若(やん)の集い」と、女性・若者バージョンを1回ずつやってみて、2つ、これは、これから進めていく上で必要なこと、自分の学びとして得ましたので、皆さん、ぜひ共有していただければと思います。
1点目は、エネルギーに関する情報やデータを、わかいやすく入手しやすい形で提示するということです。いろいろなことを聞くと、「あちらにあります」「こちらにあります」と、きっと、データと情報はもうたくさん、皆さんのほうにあると思いますが、それがわかりやすい形で、入手しやすい形で、自分たちが考えるために存在しているという感じは今、一般の人たちは持っていません。
今回、「エネ女」「エネ若」でも、「こういうことを知りたい」というのがたくさん出ています。それに答える形でぜひ、事務局の責任として、データ・情報を整理して出していただき、それを見て、「もっとここを知りたい」とか「ここ、わからない」とか、キャッチボールを何回かやりながら、一般的な人が手に入れたい情報を提示するようなことを、ぜひやっていただきたいというのが1点です。
前々回でしたか、使用済み核燃料について「その後、どうなるんですか? 今の現状はどうですか」ということを質問した時、委員長が「事務局でそれは作らせます」ということを言ってくださいました。そのお答えや情報もお待ちしていますし、それも含めた全体の話を、ぜひ出していくような場をつくっていただきたいというのが1つです。
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(3)エネルギーについての市民との対話のプロセスをつくる必要
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2点目は、今回、女性・若者を中心でやりましたが、若い世代も含めた議論・対話の場が非常に必要だということです。これは、参加した人たちも非常にそう思っている。こういうことをもっとやってほしい。これが政府に対する信頼回復の大きな1つの手掛かりになるという感触も得ています。
プロセスに入れていく必要があります。「エネ女」と「エネ若」の2回は、第1回の試みとして、私が自力でやりましたが、このように個人でやるのではなくて、政府の公的なプロセスとして、国民との対話・議論を入れていただきたいということです。
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その後の委員会で、「国民的議論に向けて」という資料を出しました。
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/kihonmondai/18th/18-9-2.pdf
ここでは、他国の国民的議論の取り組み例として、
・討論型世論調査(DP)
・コンセンサス会議
・英国政府のパブリック・コメント:コンサルテーション
・カナダのコンサルテーション検索サイト
・米国ホワイトハウスの「パブリック・エンゲージメント室」
を紹介しています。よかったら見てみてください。
なお、(2)に関連して、資源エネ庁の担当の方にいろいろ教えていただきながら、「核廃棄物のゆくえ」の資料を作成中です。
まだ最初のところですが、よかったら見てみて下さい〜。
http://www.es-inc.jp/news/20120411kakuhaikibutu.pdf
日本の核廃棄物の現状と(できたら)見通しを、ストック(いまどこにどれだけ蓄積されているのか)とフロー(どのくらいの量がどこにどういうペースで入っていき、どこにどういうペースで出て行くのか)を整理する形で見えるようにできたら、と思っています(かなり手強い課題ですが、、、)
そうそう、いまの選択肢候補の原発比率は0%、20%、25%、35%なっています。3.11以前は日本の原発比率は26%ぐらいだったので、「原発依存度を下げる」という基本方針から言えば、35%というのは絶対におかしい選択肢です。
私を含め、何人もの委員が「おかしい」「外すべき」と言い続けていますが、がんとして譲れない何かがあるらしく、ずっと残っています。
現行のエネルギー基本計画(いま作り直しているもの)では、2030年の原発比率を50%以上としていました。「それよりは下げている」というのですよ〜。
これって、まるで……? という資料を4月11日の委員会で出しました。
http://www.es-inc.jp/news/20120411_4edahiro.pdf
政府の委員会の資料で、マンガっていうのもあまりないだろうなあ〜。(^^;