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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2013年09月23日

バラトン合宿より短信 (2013.09.23)

コミュニケーション
 

ハンガリーでのバラトン合宿、3日目の早朝です(海外出張でも時差ぼけなく、その日から2時起きができるのは相当神経が鈍いのだろうなあと思います。^^;)

ちなみに、バラトンメンバーは基本的に、バラトン合宿の参加者です。合宿に参加するには、ゲストスピーカーとして招聘されるか、メンバーからの推薦で参加者候補となるか、若い人向けのフェロープログラムに選ばれる必要があります。一度参加しても続けて呼ばれる可能性はそれほど高くなく、グループ全体の学習や成長に対する貢献(議論、役割分担その他)で判断されます。

私が2002年に最初にフェロープログラムの対象者として合宿に参加したとき、「これまでに日本人が参加したこともあったが、(自分のために)熱心に勉強したが、発言したり議論したり積極的に交流することがなく、翌年からは呼ばれなかったね」と聞いたことがあります。

私は幸い、それ以外毎年呼んでもらっており、途中で運営委員会メンバーにも選ばれて活動したり、ありがたいことだなあと思っています。

バラトンミーティングのスケジュールは、朝食のあと、8:30~12:30過ぎが午前のセッションです。毎年、その年のテーマに沿って、ゲストスピーカーやバラトンメンバーのプレゼン+ディスカションが4~6本あります。

午後は、オープンスペースと呼ばれ、各自がセッションを提案し、集まった人たちで議論を展開します。2~3時、3~4時、4~5時、5~6時の時間枠で、会議室が3つ、気持ちの良い季節なので外でセッションを持つグループもあって、毎日たくさんのセッションが行われています。お昼休みに、その日の午後のセッションの提案者がセッションの説明(PR)をして、行きたいところに参加するしくみです。参加せずに、メンバーと話し込んでいる人もいれば、一人で振り返りの時間を持つ人もいます。

7~8時半ぐらいが夕食で、そのあとは夜のセッションです。終わる時間はプログラム次第ですが、だいたい10時過ぎでしょうか。そのあともワインやビールを片手にあちこちで話し込んでいるグループがあります(私は寝ちゃいますが、、、)

昨日の夜のセッションは、イタリアでヨーロッパや米国のテレビ局向けに作られた「成長の限界」の番組をみんなで観ました。1972年に「成長の限界」が最初に出された経緯や貢献者、出版後のすさまじい批判と攻撃、デニスたち著者たちのその後や今の考えなどを丁寧に追った番組で、観終わったあと、みんなから深いため息が漏れました。そのあと、デニスがみんなからの質問に答えてくれました。

「あれだけ激しい攻撃を予想していた?」という質問には、こう答えていました。

「予想していなかったね。今となってはなんてナイーブだったんだろうと思うが。成長の限界の研究結果が示す事実はあまりに明らかだったので、世の中に伝えさえすれば、みな理解し、行動や進路を変えようとすると思っていた。1972年の時点では、限界を行き過ぎることなく、地球の限界内で人間の成長をおさめることは十分に可能だったから。

でも、私たちのメッセージはいまでも理解されていない。そして、1972年当時は可能だった「限界内におさめる」ことは、もう可能ではない。1992年の時点ですでに地球の限界を超えており、その後もますます加速しているのだから」。

バラトン合宿の写真などはこちらの「えだブログ」にあります。
http://www.es-inc.jp/

2004年に刊行された『成長の限界』の最新版はこちらです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478871051/junkoedahiro-22

 

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