海外ではよく、「あの人はMBAを持っているから云々」という話が出ます。MBAとは、「ビジネススクール」と呼ばれる経営学の大学院の修了証のことです。欧米などではMBAを持っていると収入が上がることが多く、MBAは学生の間でも、社会人の間でも、大人気です。
欧米のみならず途上国でも大手企業の経営層や経営企画担当者などの多くがMBAを持っており、MBAプログラムは主流ビジネスの頭脳部分に大きな影響を与えていると言ってよいでしょう。
そういった問題意識から、バラトングループのメンバーでもあるハンター・ロビンスはかねてから、「グリーンMBA」プログラムの展開に力を注いできています。
http://natcapsolutions.org/team/staff/l-hunter-lovins/#.UkMZfobIbDY
ハンターが数年前にバラトン合宿に参加したときにはずいぶんその道を切り開いていく話を聞かせてくれましたが、急速に時代が追いついてきたようです。世界からのニュースをお届けします。
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MBAプログラムの最近の傾向――「社会・環境問題」の要素は欠かせない
若い世代の関心を持続可能な未来のための取り組みへ向ける活動を行っているNPOネットインパクトが刊行した『普通とは異なるビジネス:学生のための大学院課程ガイド(Business as UNusual: The Student Guide to Graduate Programs)』2013年版によると、MBAプログラムに欠かせない要素の主流は、学生の圧倒的な要望も手伝って、社会・環境問題となっていることがわかった。
同誌は社会・環境面の革新で先頭に立つビジネススクール100校あまりについて、学生側の見解を取り上げている唯一の刊行物で、社会・環境問題がカリキュラムや就職指導、学生の活動にどれくらい組み込まれているかに対する、学生の評価が掲載されている。
ネットインパクトの最高経営責任者(CEO)リズ・モー氏によると、同誌2013年版では、大学院生3,300人以上のスクールに対する見解が一致しており、「人気の高いMBAのカリキュラムには、社会・環境問題への取り組みが欠かせない要素となった」と言う。
『普通とは異なるビジネス』2013年版の主な結論は以下の通り。
○社会・環境問題は最優先課題である。調査では学生の85%が大学院でこうした課題に取り組みたいと答えており、圧倒的多数が(そのぶん多少収入が減っても)持続可能性をキャリアに組み込むことに積極的である。就職希望者もそれは可能だと考え、その88%が「企業は持続可能性を事業に組み込む点で前進している」と回答した。
○MBAプログラムは学生の要望に合わせようとしている。昨年だけでも50校が学生の要望を反映してカリキュラムを見直し、社会・環境問題を講座や修了証、体験学習の機会や大学院課程との連携に組み込んでいる。
○より効果的なキャリアと体験学習とに対する支援が求められている。1/3近い学生が、MBAプログラムを改善するために効果的なキャリア支援に力を入れ、体験学習の機会を増やしてほしいと回答した。
モー氏は、「新たなリーダーが誕生する瞬間に立ち会えて嬉しい。世に影響を与えたいという意欲にあふれた学生たちは、現代の厳しい社会・環境問題へ取り組む事業にキャリアを生かせるような新しい教育を求めている」とコメントしている。
『普通とは異なるビジネス』2013年版:http://www.netimpact.org/bizschoolguide
ネットインパクトについてはwww.netimpact.orgを参照。
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経済界や産業界の中心の頭脳部分を担う人たちの教育が変わってきたら、貨幣ではかれるものだけで、効率の最大化だけを求めて、企業戦略を作るのではなくなるかもしれません。大きな変化が期待できそうですね!