自転車は日本の中ではまだまだ亜流というか邪魔者扱い(歩道を走っても車道を走っても怒られます、、、)のところが多く、「自転車優先の地域づくりをしたら、自動車で買い物に来る人が来られなくなって、売上げが下がるから困る」という小売店の声もよく聞きます。
ところが、「自転車レーンがあったほうがお店の売上げはアップ! だから自動車を閉め出して、自転車レーンを作ってほしい」と考えるお店が増えてきている、「地域の不動産業者の半数以上が、自転車レーンをセールスポイントと考えている」という、わくわくする記事が、意識の高いビジネスリーダー向けのニューメディア、トリプル・パンディット(Triple Pundit)の2013年9月3日付に載っていました。かいつまんで、ご紹介します-。
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
バンクーバーとサンフランシスコ:「自転車レーンが小売店の収益を押し上げる」
自転車を利用する多くの人にとってサンフランシスコが最高に理想的な街だということは、そこが急な坂や雨が多いことを考えると不思議に思えるだろう。しかし、サイクリングのメッカを形成するのが地形や気候でないことはよくあることだ。しっかりとした自転車社会を築くには、自転車利用を推進する自治体、自転車も車も安全に走行できるような自転車レーンや自転車専用道路、自転車ルートを含む包括的な計画、地元の熱心な販売業者が重要なのである。
サンフランシスコのゴールデンゲートから1,500キロ余り北に位置する、カナダのバンクーバーやその近郊のニュー・ウェストミンスター、バーナビー・リッチモンドは近年、自転車利用の中心地になってきている。グリーンなライフスタイルやカーボンフットプリントの削減がますます強調されるようになったおかげで、自転車利用が持つ多くのメリットに光が当たったのだ。小売店にとっては、そのメリットの中には安定した顧客基盤の獲得や、駐車場に対する需要の減少も含まれている。
バンクーバーでは、ダウンタウンの中心部内外で増えている自転車利用者を誘導する安全で利用しやすい道として、数年前にダウンタウンを南北に走るホーンビー通りと東西に走るダンスミュア通りに自転車レーンを建設した。
このホーンビー通りにある自転車レーンの南端に位置するある園芸店の経営者は、自転車交通量が増えた結果、女性の衣服や食料品など自転車通勤者の興味を引くための品揃えを増やし、自転車にぴったり収まる箱や貸出用の台車など、包装の仕方も選べるようにしたという。
この店の体験は、ダウンタウンの居住地区を再形成しつつある傾向に適合するもので、バンクーバー市の調査によると、不動産業者の半数以上がこうした自転車対象のレーンや道路をセールスポイントと考えているようだ。
ただ、サンフランシスコでもそうだったように、自転車レーンは居住者だけでなく、自転車利用者をターゲットとした事業にも利益をもたらす。しかも、通勤者の目に入る店だけではない。ダウンタウンの北東端にあり、バンクーバーの素晴らしい景色を望むレストランの経営者も、自転車利用者から利益を得ているという。そこは自転車か徒歩でしか行けない場所だが、その立地と見晴らしが人々を引き込んでいるのだ。
上述したどちらの店の経営者も、店のそばに駐輪スタンドがあることが客を引きつける最大の要因だと言う。店の前で駐輪スタンドが目に入ると、中に入ってぶらぶら見てみようという気になるのだと。
ニュー・ウェストミンスターで不動産開発・管理を行う会社の副社長も同意見だ。彼の会社は、ニュー・ウェストミンスター周辺の6カ所に自社の駐輪スタンドを設置した。利用客の多いショッピングモールの調査から、一日当たりおよそ8,000人の(重複しない)来場者のうち、車で来ているのは32%にすぎず、残りは自転車か徒歩による来場者であることがわかるとのことだ。彼は「自社の持つアクセスのしやすさが、車以外の交通手段に大変好都合なのだ」と言う。
リッチモンドで毎日およそ19キロを自転車で通勤する男性は、ニュー・ウェストミンスターは社会基盤の中に自転車社会をどう組み込んでいくか、試行錯誤を続ける市の一例だという。
彼は15年間も自転車通勤する中で、小売店にとっては何が自転車通勤者に有効なのかがわかってきた。自転車に乗っているときに目に入ればその店を訪れる可能性は高いと言う。いつもの道をはずれて新たなお店を探すことはない。ただ、通勤ルートにあれば誰もが立ち寄ってくれるわけではないとも指摘する。ニュー・ウェストミンスターもサンフランシスコ同様、きつい坂や通勤渋滞がある。市は、どうすれば自転車利用者が坂を容易に通り抜けたり、通勤ルートから外れたお店に頻繁に通ったりできるのか、まだ把握できていない。
インタビューを行った店のうち、製品やサービスを広めるために、自転車利用のための非営利組織バイク・ハブ(Bike Hub)の割引券を重宝している店がいくつもあった。バイク・ハブは自転車利用者だけでなく、店側にもサービスを提供する。自分たちの店がどのくらい自転車利用者にとって利用しやすいか評価してもらい、アドバイスやフィードバックももらえるのだ。
こうした動きから、バンクーバーでは自転車利用者が店にとって大きな収入源となりつつあり、すでにいくつかの地区では、自転車社会の便益により重点を置き、車の乗り入れが禁止となっている。
元情報URL:
http://www.triplepundit.com/2013/09/bike-lanes-boosts-revenue-for-retailers/
~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~
こういう情報や事業者の声がどんどん伝わればいいですね!
日本にも同様の事例はありませんか? ご存じでしたらぜひ教えてください~。