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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2013年10月23日

【世界からのニュース】「環境配慮型住宅の資産価値は9%高い」(2013.10.23)

世界のわくわくNews
 

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日本でもいわゆる「環境配慮型住宅」へのシフトが(少なくとも新築では)大きな動きになっていますが、ビジネスリーダー向けのニューメディア、トリプル・パンディット(Triple Pundit)で、「環境配慮型住宅は、環境に優しいだけではなく、お財布にも良い」という研究結果の報道がありました。資産価値が9%上がるとしたら、魅力的ですよね? ご紹介します。

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

「環境に配慮した住宅は確実な投資先である」と示す研究

株式市場は2013年初めに記録的高値を達成し、住宅市場も過去7年間で最も力強い動きを示している。不動産の所有者が新しく代わり、人々が家を売りに出そうとするとき、全ての市場参加者が持続可能な建物、技術、ラベリング(認証制度)の意味について考えていくことが重要になる。

住宅は、私たち全てにとって生涯で最も高価な投資だ。最近の研究によると、自分の家が持続可能だと証明できれば、資産価値を9パーセント上げることができる。300,000ドル(約2,944万円)相当の不動産なら27,000ドル(約265万円)分の割増しだ。

カリフォルニア州では、住宅向けLEED認証(*注1)やグリーンポイント(*注2)を取得した住宅が注目されている。こうした不動産は交通網やショッピングセンターに近く、毒性のない建築資材を使用し、水効率が良いという特徴を備えている。従来、住宅が「環境に配慮している」とする根拠は、資源を保護し、お金が節約できることだった。

現在では、こうした家は売却の際より高く売れるだけではない。認証を受けた住宅は、売却時に上積みできる収益が、環境に優しいという特質によって節約できる金額よりも多い。

カリフォルニア州の一部の消費者にとっては、たとえ住宅が生み出す節約分で余分な出費をまかなうことができなかったとしても、環境に優しい住宅を所有することで得られる安心感は、9パーセント分の特別な価値に匹敵するようだ。

環境に配慮した建物、グリーンビルディングに心躍らせるのは住宅所有者だけではない。たとえ2,500ドル(約25万円弱)から3,000ドル(約30万円弱)の住宅用LEED認証費用が価格に含まれているとしても、公的な認証の取得による価値の上昇は、投資家にとって非常に魅力的である。

Urban Land Instituteとプライスウォーターハウスクーパース(PWC)が2013年に発表した直近の論文『不動産市況の新しい動向(Emerging Trends in RealEstate 2013)』では、グリーンビルディングがますます重要な役割を担っているとされ、「より環境に配慮した持続可能な建物と空間の有効利用という方向に向かっている。環境に配慮した開発業者は引き続き、この方向性で開発を推進し消費者の新たな需要に対応していくだろう」としている。

環境に配慮した住宅への需要は確かにある。マグロウヒル社の"New andRemolded Green Homes: Transforming the Residential Marketplace"では、2011年から2016年の間に環境に配慮した住宅の新規建築数は5倍に増え、こうした住宅の市場はここ数年のうちに、なんと1,140億ドル(約11兆1891億円)相当の投資機会になると予測している。

価格の上昇や需要の高まりだけでなく、グリーンビルディングの普及を支援する政府の奨励策も今までになく増えてきている。場合によっては、政府機関はインセンティブを与える以上のことも行ってきた。米国住宅都市開発省(USHUD)は、ハリケーン・サンディの被災者で住宅の再建費用を支給された者は、グリーンビルディングの建築基準に従わなくてはならないと発表した。

先頭を走るカリフォルニア州だけでなく、他の州もグリーンビルディングに関心を持っている。これまでの研究で、グリーンビルディングに対する需要の高まりが現在の住宅市場で重要な役割を果たしていることが示された。政府のインセンティブも増え、環境に配慮した住宅の価格も上昇していくにつれて、グリーンビルディングは主流の建築方法となっていくだろう。

元記事:
http://www.triplepundit.com/2013/09/studies-show-green-housing-solid-investment/

注1 LEED認証について 参考URL 
http://leedjapan.com/http://www.usgbc.org/leed

注2 Green Point について 参考URL
http://www.builditgreen.org/
LEEDとGreen Point Ratedの比較
http://myearthboundhome.wordpress.com/2010/04/26/leed-vs-green-point-ratedgpr/

~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~

日本でも、日本独自のCASBEEという認証をとる建物も出てきています。こういった環境認証をとった建物や住宅がラベリングなどで「見える化」され、人々が、単に環境に良いからだけでなく、資産価値が高いから、という理由で、それらを選ぶようになれば、市場を大きく変えていけることでしょう。

日本でもこういう研究がたくさん行われるようになればいいなあ!と思います。すでにそういった研究がありましたら、ぜひ教えて下さい~。

家を買うとき、建てるときにも「バックキャスティング」ですね!

 

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