あさってから、久しぶりに米国出張です。レスターの80歳のお祝いの会に出席します。短いスピーチを依頼されているので、張り切って、日本でのレスターの影響力と感謝の思いを伝えてきたいと思っています。
レスターへの寄せ書きの締め切り、1日延長しました。今日の23:59までです。明日印刷して、あさって持参しますので、ぜひ今日中に、英語でも日本でもかまいませんので、ひと言寄せ書きをお願いします~!
https://yosetti.com/mainyosegakis/invite?id=1403408&sc=75VF8
レスターに会うのも久しぶりで、インタビューの時間をとってもらえる予定です。いろいろ話を聞けることが楽しみです。
さて、イーズの「データのつながりを読む」に、「経済成長すれば、失業率は低くなる?」がアップされました。ぜひグラフをご覧下さい~!
http://www.es-inc.jp/
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
経済成長すれば、失業率は低くなる?
「経済成長してGDPが大きくなれば、雇用は守られ失業者は減るに違いない」と考えている人は多いのではないでしょうか? だからこそ、経済成長によって地球の資源が枯渇していくことがわかっていながら、「経済成長が優先」と考える人が多いのかもしれません。それでは、実際はどうなのでしょうか? GDPと失業率の関係を表したのが、このグラフです。
http://www.es-inc.jp/graphs/2014/grh_id004984.html
赤い線はGDPの金額を表しています(左軸)。緑色の線は完全失業率を表しています(右軸)。完全失業率とは、15歳以上の労働力人口のうち、職がなく求職活動をしていて、すぐに仕事に就くことができる人の割合を示す数字です。
グラフをみると、1980年代後半から1990年代頭のバブル経済の時期には、「GDPが増え、失業率が減る」傾向が見られるものの、その他の期間をみると、GDPと完全失業率の関係はまちまちであること、そして全体として1970年と2012年を比べると、GDPも完全失業率も高くなっていることがわかります。
つまり、大方の予想(希望?)に反して、「GDPが増えても、失業率は減っていないどころか、GDPが低かったかつてよりも高くなっている」のです。
~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~
元世界銀行チーフエコノミストであり生態経済学者でもある、ハーマン・デーリーの「定常経済」の考え方について、4回の勉強会をおこないました。そこでの理解と問いをもって、金曜日にハーマン・デーリー氏のご自宅におじゃまして、インタビューをさせてもらう予定です。とても楽しみです。
デーリーの主張の1つは、
・経済成長することの限界費用がその限界効用と等しくなる時点で、成長は止め るべきである(企業の生産量の見極めなどは、必ずそうしていますよね?)
・現在の経済成長は、限界効用よりも限界費用のほうが大きくなっていることを 示す証左がいくつも出ており、すでに「不経済な成長」=不経済成長である というものです。
経済成長は英語では、ecnomic growth ですが、英語で economic という形容詞は、「経済の」という意味のほかに、「合理的な」という意味もあります。
経済の成長かもしれないが、すでに合理的な成長ではなくなっているよ、ということですね。
今回お示ししたグラフも、「経済が成長しても、それがもたらすと期待されている効果を生み出せていない」という意味で、すでに現在の経済成長が「不経済成長」になっているという証左の1つではないかと思っています。
ハーマン・デーリーへのインタビューでは、定常経済をめぐる話のほか、世銀という"経済成長教"のメッカのようなところで、定常経済を言い出した顛末や周りの反応、リーマンショックなどをどう見ているか、という話、そして、アベノミクスの日本をどう見るか、他方、人口が減少し移民も少なく、GDPが成長していない日本は定常経済に最も近い位置にいるように思うがどう思うか、など、いろいろ聞いてみたいと思っています。
(もっともハーマン・デーリーは、「定常経済と、成長しようとしているのにうまくいっていないる経済は、別物だ」と言っていますが、、、)
レスターへのインタビューや、ハーマン・デーリーへのインタビュー、何らかの形で多くの方と共有できたらと思っています。お楽しみに~!