尊敬する仲間のおひとり足立直樹さんのレスポンスアビリティが、「本物のCSR」に関わる情報を、週に一度にお届けします、と届けてくれる「サステナブルCSRレター」、生物多様性や生態系、自然資本などにアンテナの立っている方、ぜひお薦めです。
http://www.responseability.jp/mailmagazine
「サステナブルCSRレター」2014/06/05(No.180)に、とても興味深い記事がありましたので、ご快諾を得て、ご紹介します。
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《CSRファイル》#002「プラスチックはカーボンマイナスに」
レスポンスアビリティ 井上孟
はじめまして。今回初めて執筆を担当します、レスポンスアビリティの井上孟です。どうぞよろしくお願いいたします。今回、私からは「カーボンマイナス」なプラスチックについてご紹介します。
カリフォルニア州に Newlight Technologies という会社があります。設立して10年の小さな会社ですが、先月、デルとスプリントがこの会社とのパートナーシップを公表しました。
この2社が着目しているのは、石油の代わりに空気とメタンなどの温室効果ガスからプラスチックを作りだす同社の技術です。この技術により作られる AirCarbon というプラスチックは、ライフサイクル全体でカーボンマイナス、つまり、大気中の炭素を減らすことが第三者により確認されています。
デルは現在 AirCarbon を利用したパッケージの開発を進めています。そしてスプリントは AirCarbon を使ったiPhone5のケースの販売をすでに5月末に開始しています。どちらもそれぞれの業界では初めての取り組みで、注目を集めています。
このニュースを読んであなたは「資金的に余裕のある企業がCSRの一環として取組んでいるのだろう」とお考えになったかもしれません。常日頃から環境活動の推進とコスト削減のジレンマに悩んでおられる方はなおさらだと思います。このような「環境に配慮した」製品はほとんどの場合は余計にコストがかかるからです。
ところが、Newlight Technologies 社はすでにこの悩みへの解決策を用意しています。実は AirCarbon の製造コストは既存のプラスチックより低いのです。現在は生産数が少ないために販売価格は割高になっているようですが、今後は生産拡大により販売価格を既存の石油ベースのプラスチックより下げることが計画されています。
これが実現すれば、企業はAirCarbon を使用することによりコストと環境負荷を同時に削減できます。今まで「環境はコストがかかる」と考えていた方は、ぜひこのような材料の使用を検討してみてください。
参照:
スプリントが温室効果ガスから作られたiPhoneケースを販売
http://bit.ly/1rGgmxX
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CO2から作られたiPhoneケースがすでに販売されているとのこと、こういう動きが広がってくるとよいですね! 日本ではどうでしょうか?
足立さんのレスポンスアビリティでは、世界の最新動向や重要な資料を日本につないでくれる大事な役割を果たしてくれています。次の資料も、日本語版を作って、無料で提供しています。ぜひアクセスして下さい。
~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~
http://www.responseability.jp/pj/ncr
"Natural Capital at Risk"は、世界のビジネスが毎年自然資本をどれくらい消費しているかを経済価値に換算して示した報告書です。昨年発表されて以来、世界のビジネスリーダーに衝撃を与えてきました。
これをお読みいただくと、以下のようなことがわかります。世界で最も自然資本に負荷を与えている地域別業種トップ100サプライチェーンを通じて自然資本に大きな負荷を与えている業種トップ20温室効果ガス排出、水使用量、土地利用、大気汚染、廃棄物、水質汚染の影響の相対的な比較自然資本コストが内部化されたとき、各業種で利益の何パーセントが失われるかの推定
"Natural Capital at Risk"は、TEEB for Business Coalition(※1)に代わって英国Trucost社が 作成しています。同社の日本におけるパートナーであるレスポンスアビリティは、同レポートのエクゼクティブサマリーの日本語版である「日本語概要」の監訳を行いました。
この『リスクにさらされている自然資本』日本語概要(PDF版)をこの度、無料配布することになりました。ご希望の方は以下のフォームよりお申し込みください。
▼『リスクにさらされる自然資本』無料プレゼント
TEEB4BCが発行して世界に衝撃を与えた『リスクにさらされる自然資本』の日本語概要の無料配布がスタートしました。お申し込みは以下からどうぞ。
http://www.responseability.jp/pj/ncr
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(以下、足立さんのメルマガからの引用です)
2014年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」(環境白書)が閣議決定されましたが、その中で自然資本が大きく取り上げられ、また外部不経済の具体的な大きさを測定した例として『リスクにさらされている自然資本』も紹介されています(p.89)。
また、企業に求められる国際的な動きとして、IIRCが統合報告フレームワークで自然資本についての報告を求め、GRIもG4でサプライチェーンを通じた環境影響の報告を求めていることが紹介されています。これらはすべて自然資本の定量化とつながっているのです。
また、個別企業が自然資本を考慮した経営を行なっている例としては、これまで私たちが何度もご紹介してきたスポーツウェアのPUMAの事例が紹介されています。かつては「外部不経済」として企業活動や市場が無視してきたことが、自然資本を定量化することでいよいよ内部化されるようになってきたと、環境省の方々もきっと感慨深く感じているのではないと想像します。
そして私たちもまた、これまで日本の企業の方々にご紹介してきた自然資本の考え方や定量化の手法が、このように環境白書の中で大きく取り上げられるようになったことはとても嬉しいですし、日本でもこれからいよいよ本格的な活用が始まることに期待しています。
自然資本の定量化を自社の経営にどう活かすかについては、これからも具体的にご紹介していきたいと思いますが、今回一つだけキーワードを挙げておきたいと思います。それは「インパクト比」です。
『リスクにさらされている自然資本』の中でも具体的な値が紹介されていますが、これは自然資本に対する影響(外部不経済)を売上高で割った値です。この値が1よりも大きい事業は、自然資本を収奪するだけで、しかも使った分の価値すら創り出せていない赤字事業です。一方、この値が1よりも小さければ小さいほど、その事業は使った資本よりも大きな価値を生み出している事業であり、持続可能性も高いと予想されるのです。この値が、これからの自然資本経営の重要な指標になることでしょう。
はたして、あなたの会社の事業のインパクト比はどうでしょうか? そんなことを考えながら、このレポートや今年の環境白書を読んでみてはいかがでしょうか。これからの課題が浮かび上がってくるはずです。
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最後に、「残席残り僅かとなっておりますが、ご興味のある方は是非!」という特別セミナーのご案内です。
レスポンスアビリティ主催
特別セミナー
「どうする? マテリアリティの特定と統合報告への対応
ー先進企業に学ぶ自然資本会計の使い方ー」
日時:2014年7月29日(火)14:00ー15:30(予定)
場所:神田駅近く
定員:36名
費用:3000円(税込、お一人)
詳細とお申し込みは以下からどうぞ。
http://www.responseability.jp/pj/mtsem