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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2014年10月09日

映画「ダムネーション」のレビューコメントとご案内 (2014.10.09)

水・資源のこと
 

「ダムネーション」という映画について聞かれたことがありますか?

初めて「ダムネーション」という映画名を聞いたとき、「ダム+ネーション=ダムの国」?と思いました。確かにダムがテーマの映画ではありますが、

damnation
【名】
地獄に落とす[落ちる]こと、破滅、天罰罵り、非難

という激しい意味を内包するタイトルなのですね。

この『ダムネーション』はパタゴニアが提供する映画ですが、映画を見せていただき、レビューコメントを書かせていただきました。

どんな映画なのでしょうか? 予告編はこちらにあります。

【概要】
アメリカにおいて「ダムを建設し、増やしていくこと」が主流だった50年前から、「ダムを撤去する」という選択肢へと移り変わってきた現代までを、川の自由を求めつづけてきたさまざまな活動家に光を当て、追いかけている作品です。アメリカでは11の映画祭で賞を受賞するなど、大きな話題となっています。

【ストーリー】
アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。
それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、
それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。
むしろダムの維持には高い経済的コストもかかっている。
そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。
だが「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、
「クレイジー」と言われながも川の自由を求め続けてきた人びとの挑戦があった。
彼らのエネルギーにより「爆破」が起こるドキュメンタリー。(パタゴニアサイトより)

私のレビューコメントはこちらです。

~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~

山と海はつながっています。
山の栄養を海にもたらし、海からサケなどが遡上することで、
山に栄養を届ける「いのちの流れ」を、ダム建設で断ち切り、
生態系・文化・歴史・こころを損なうことの愚かさ。

そして、100年たったあとでも、
ダムが撤去されればサケがさかのぼる川に戻ることのできる、
自然のレジリエントな強さ。

「とっぴ」「急進的」「クレージー」と呼ばれても、
勇気のある人の行動が変化を創り出す素晴らしさ。

「人間には自然を制御したいという欲求がある」――
そして、人間には美しいものを守りたい、不公正は許したくないという欲求もあること。

日本にも2700を超えるダムがあります。いろいろなことを深く考えさせてくれる映画です。

~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~

11月1日(土)からパタゴニア直営店での特別先行上映会がはじまります。また、映画館では11月22日(土)から渋谷アップリンク他にて公開予定です。ご興味をもたれた方、ぜひお出かけください。


○映画『ダムネーション』公開まで、予告編を観て、行動を起こそう:
http://www.thecleanestline.jp/2014/09/watch-the-trailer-and-take-action-now.html

○『ダムネーション』特別先行上映会スケジュール(パタゴニア直営店)
下記パタゴニア直営店にて一般のお客様を対象とした特別先行試写会を行います。
上映会詳細、参加申し込みは各直営店にお問合せください。

11月1日(土)パタゴニア仙台 19:30~
11月2日(日)パタゴニア名古屋 19:30~
11月5日(水)パタゴニア渋谷 20:30~
11月7日(金)パタゴニア札幌北19:30~/パタゴニア丸の内19:30~
11月8日(土)パタゴニア白馬 19:30~
11月9日(日)  パタゴニアベイサイド13:30~(アカサカテックビル)
11月10日(月)パタゴニア福岡 19:30~
11月12日(水)パタゴニア大崎 19:30~/パタゴニア大阪 20:00~
11月14日(金)パタゴニア吉祥寺 19:30~
11月15日(土)パタゴニア神戸19:30~/パタゴニア横浜 19:30~
11月19日(水)パタゴニア京都 20:00~

○コラム
『流れよ長良川』by 武藤仁(長良川市民学習会)
「えほん長良川」について、思いをつづったコラム。
1995年、長良川河口堰の建設によって長良川の流れが遮断されました。長良川の流れを止めてはいけない、という強い思いから作られたのが「えほん長良川」(詩・笠木 透 絵・岩田健三郎)です。来年、河口堰閉鎖されて20年を迎えます。
そこには武藤さんが長良に生まれ育った原風景があり、その時の川の流れをとりもどしたい、という強い意志を感じます。

○DAMNATIONが展開する3つのアクション
「Change.org」オンライン署名・キャンペーンを通じて、日本の川を守るために、あなたの声を伝えてください!
https://www.change.org/ja/%E5%9B%A3%E4%BD%93/damnationfilmnet_japan

○レビュー一覧はこちら

○ハフィントンポスト記事
「クレイジーな人々が新しい時代を創る!「ダム撤去」を常識に変えた"ダムバスター"」
ユナイテッドピープル株式会社 代表取締役 関根健二

この映画を観ると、米国ではダム撤去の動きが大きくなっていること、すでにいくつもの大きなダムが撤去されつつあることがわかります。

日本でのダム撤去の動きは、荒瀬ダムの事例だけだと認識しています。
これから日本でも、もう一度ダムの存在意義や問題をもう一度考え直すことで、「ダムのない自然」を取り戻す動きが増えていくことを願っています。

 

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