12月も後半にさしかかり、何となく気ぜわしい年の暮れの時期となってきました。来年に向けてのいろいろな計画を立て始めている方もいらっしゃることでしょう。
1月10日~11日、じっくりと今後の「やりたいこと」や「なりたい自分」についての思いをビジョンに描き、実際に進んでいくための計画づくりと振り返りのやり方を身につけるワークショップを開催します。よろしければぜひご活用ください。
『一年の計を立て、自分マネジメントのしくみを身につける』ワークショップ
さて、幸せ経済社会研究所のサイトに、人口減少社会・地域のモデルの1つにもなりそうな素敵な取り組みの紹介記事がアップされましたので、お届けします。
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農業を超えた「地域に支えられた農業(CSA)」のモデル――コミュニティを支える4つの方法
(Yes! Magazineより)
1980年代にマサチューセッツ州の西部で「地域に支えられた農業 (CommunitySupported Agriculture:CSA)」のプロブラムが初めて確立されて以来、「地元の農場から直接食糧を買う」という考えは広がり、今では米国中に何千ものCSAがあります。これは難しいモデルではありません。その季節の収穫の「シェア(割り当て分)」を前もって購入することで、消費者は農場から毎週、地元産の新鮮な農作物の入った箱や袋を受け取るというものです。
このモデルは、農業に限定されるものではありません。最近では、人々はCSAの考え方を、別の種類のモノやサービス、たとえば外食、地ビール、魚にも(!)適用しています。CSAのモデルは、生産者と消費者の双方にとって上手く機能するシステムなのです。人気の事例をいくつか紹介しましょう。
○地域に支えられた地ビール(CSB)
米国のビール醸造所協会によると、米国の地ビール醸造所は2013年には約1,500あり、その数は2012年から23パーセント増加しています。クラフト・ビールの人気が高まる中で、ビール醸造所の中には、農業のCSAモデルを用いて消費者好みの地ビールを特別に入手する方法を提供しているところがあります。
「地域に支えられた醸造所(Community supported breweries:CSB)」のシェアを購入すると、基本的に1ヶ月に一度、決まった量のビールを持ち帰ることができます。消費者が生産者から直接購入することで、ビールの生産者と消費者との関係が育まれます。CSBの会員資格は、半年か1年かを選べることが多く、割引や会員限定イベントなどの特典も含まれます。
醸造所にとっても、これはうまく機能するシステムです。「小規模な生産者にとっては、原料や梱包のために必要なお金を事前に受け取ることができ、(場合によっては)事前に人々が何を欲しているのかがわかり、そして人々が自らビールの受け取りに出向いてくれるのです」とウィスコンシン州マディソンのHouse ofBrewsのオーナーのPage Buchanan氏はメールで説明してくれました。「つまり、『何を作るべきかを知る』『それを作るための原料を買う』、そして『最終消費者にビールを届ける』という難問を解決してくれるのです。効率がすごくいい」。
○地域に支えられた芸術(CSA)
農業をベースにしたCSAと同様、この交換プログラムも人々を地元の生産者と結びつけてくれるのですが、カゴいっぱいの果物や野菜を家に持ち帰る代わりに、受け取るのは地元の芸術作品のコレクションです。そして、農場のシェアでは農作物の種類が代わるように、どんな芸術家が関わるかによって芸術作品の種類が変わります。
委託を受けた芸術家は、通常50点ほどの作品を作ります。これが売りに出されるシェアの数になります。それぞれのシェアには、参加している芸術家の作品がひとつずつ入っているのが基本で、価格は50ドルから500ドルの間です。シェア分は何度かの「受け取りパーティ」で配られるので、支援者にとっては地元の芸術家に会う機会になります。
この芸術の共有プログラムは、最近突如として米国中に出現しました。「地域に支えられた芸術(Community supported Arts:CSA)」のアイデアは、ミネソタを基盤とする芸術団体Springboard for the ArtとMnartist.orgによって5年前に作られたもので、このミネソタのモデルをベースにしたCSAは現在、全米の都市に40ほどあります。詳細はプログラムによって異なりますが、基本となる前提は共通で、「人々を地元の芸術家と結びつけることで、芸術と地域のつながりを強めること」です。
○コミュニティに支えられた薬(CSM)
「コミュニティに支えられた薬(Community supported medicine:CSM)」のシェアを購入すると、あなたはキュウリやカボチャの代わりに、乾燥した薬草や香辛料、ブレンド茶、強壮剤やチンキ剤、軟膏や油など、天然由来のものだけが詰まった"ミニ薬草箱"を受け取ります。その内容は季節によりさまざまです。
このアイデアも消費者を生産者に直接つなげるためのものですが、CSMの場合は、「地元のハーブの栽培者」「薬剤製造者」「地元の人」の間に相互に有益なつながりができます。大きな薬剤会社を控え、その代わりに道の向こう側の農園からやってくるオーガニックな薬草由来の薬に投資する――これ以上健康なことがあるでしょうか?
○地域に支えられた出版(CSP)
CSAのモデルは、「地域に支えられた出版(Community supported publishing:CSP)」の増加により、文学の世界にも進出しています。CSPを提供しているのは小規模の独立系の出版社数社で、会員になると、定期的に書籍など"印刷したて"の新刊を受け取ります。マサチューセッツ州ケンブリッジのSouth End PressのCSP会員(月20ドルから)になると、毎月"その月の新刊"と選り抜きの既刊書などが届くほか、どんな商品も10%の割引で買うことができます。素敵な取引ですね(新情報:2014年夏の時点で、South End Pressは休業中です)。
フィラデルフィアのThe Head & The Hand PressにもCSPのプログラムがあります。The Head & The Hand Pressのウエブサイトによると、「シェアの持ち主からいただく1年分の前払いの投資に対して、当社の小説、年鑑、呼び売り本のシリーズのほか、当社のワークショップで制作された売り物など、当社の創作物を半年ごとにお届けします。また、会員向けに『その作品がどのように作られたのか』をこっそりお見せしたり、発売前の刊行物を手にしていただける機会も提供する予定です」。
小規模な出版業者は、不安定な出版ビジネスの中に何とかやっていこうともがいています。CSPの会員になることを通じて小規模なプレーヤーを支援すれば、あなたの"本を読む"という習慣は、著者や出版社、読者のすべてにとって持続可能なものになることでしょう。
※この記事は2014年9月にYes! Magazineに掲載されたDana Drugmand氏の記事の 要約です。
この記事の原文(英語)を読む:
http://www.yesmagazine.org/happiness/beyond-the-csa-four-ways-communities-support-everything-from-health-care-to-beer
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「地域が支える○○」、ほかにもいろいろなアイディアや取り組みがありそうですね!