前号のメールニュースを読んでくれたWWFジャパン 気候変動・エネルギープロジェクトリーダーの小西雅子さんが、以下のようにコメントをくれました。
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すごく説得力のある解説ですね!
ちなみに、中国が先日国連に提出した2030年の二酸化炭素の削減目標案には、風力2億キロワット(200GW=200000MW)、太陽光1億キロワット(100GW=100000MW)の目標が書いてありました。(出典:UNFCCC)
しかもこれは、本来2020年までの目標だそうです。
中国国内の2020年までの5か年計画に書きこまれる見込みの数字だそうで、再エネ300GW(風力200GW、太陽光100GW)ということです。
ということは、2030年までの新たな5か年計画においては、2030年の再エネ目標はもっと上回る、ということですね。
日本は2030年に1000万キロワット(10GW)の目標(目安)ですよ、、、
中国は2014年に前年よりも23GWも増やしているので、中国の2014年一年間で、日本の2030年目標の2,3倍増加させているんですよ~~(出典:REN21)
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もちろんWWFとしても小西さんとしても「中国はスゴイ!」と手放しで褒めているわけではありませんが、レスターが何度も新刊『大躍進-新しいエネルギー経済のかたち』で挙げている中国の再エネの大躍進と野心的な計画と日本の目標の数字と比べてくれたことで、内外の動向(のギャップ)がより実感できるものになったと思い、引用させてもらいました。
小西さんからもっといろいろな世界の動向について教えてもらえたらと思い、お願いしたところ、前号でご案内した『大転換―新しいエネルギー経済のかたち』出版記念セミナーにもゲストで出ていただけることになりました。
詳細とお申し込みはこちらからご覧下さい。
私がレスターの新刊のエッセンスをお伝えした後、小西さんから世界の動向を話していただき、参加者のみなさんとの質疑応答・ディスカションができれば、と思っています。この2時間でエネルギーの世界の動向をぜひ押さえてください!
6月末に、レスター・ブラウンのアースポリシー研究所から、最後のメールが届きました。『大躍進』をはじめ、レスターの書籍やプレスリリースの多くの翻訳に携わってきた中小路さんが翻訳してくれたので、お届けします。
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さようなら。そしてありがとう! 2015年6月29日
楽しいこともいつかは必ず終わります。そして、アースポリシー研究所(EPI)の私たちも、悲しいことですが、気づけば多くの成功に満ちた旅路の果てにいます。所長であり設立者であるレスター・ブラウンが81歳で引退するのに伴い、EPIは、2015年6月30日をもってその扉を閉じます。ここのすばらしいスタッフたちは、自身の研究を続けるために新しいポストを見つけつつあり、きっとEPIがこれまで追求してきた問題をさらに進展させてくれることでしょう。
驚嘆するほかないこの14年間に感謝し、たびたび皆さんの助けを借りながら成し遂げてきたすべてのことに感謝しています。
『レスター・ブラウン自伝(人類文明の存続をめざして)』や新著の『大転換――新しいエネルギー経済のかたち』など、私たちが出版した11冊の本が私たちの言いたいことを語ってくれますし、プランBアップデート、エコ・エコノミー指標、データ・ハイライト、ファクトシート、ブックバイト(訳注:EPIの本や研究の一部を抜粋・編集したもの)も同様です。私たちの研究は、ScreenscopeのMarilyn and Hal Weinerの制作による、米国の非営利・公共放送ネットワークPBSのドキュメンタリー番組『Plan B:Mobilizing to Save Civilization』で特集もされました。
喜ばしいことに、私たちのウェブサイトと、そこにある情報、データ、研究出版物は今後も閲覧していただけます。ラトガース大学の環境・生物科学大学院は、私たちのウェブサイトを、遺産ウェブサイトとしてずっと利用できる状態に保つことを承諾してくれました。
また、同大学は、卒業生であるレスター・ブラウンに敬意を表して、2015年秋に、レスター・ブラウン読書室を創設します。レスターがその長い現役生活の間に成し遂げたことのうち、これほど多くのものが容易にアクセスできる状態を保っていくと知って心強く思っています。そのことは未来のリーダーたちにとって大きな励みになることでしょう。
EPIの理事であるJudy Gradwohl、 Raisa Scriabine、 Bill Mansfield、 ScottMcVay、Hamid Taravati、 and Jeremy Waletzkyに心から感謝します。ほとんどが2001年の創設時から共に歩んできてくれたメンバーです。彼らからひらめきと勇気と賢い助言をもらってきました。
また、Roger and Vicki SantがEPIの立ち上げ資金を援助してくれたことと、Gellert、 Goldman、Hewlett、Jones、Lannan、McBride Family、Shenandoah、Turner、Wallace Genetic、Weeden、Winslow foundations、the EducationalFoundationof America、the UN Population Fundが財政支援をしてくれたことにも感謝したいです。そして、個人の寄付者の皆さん、なかでも、Fred Stanback、Col. Henry Ingwersen、Harriett Crosby、枝廣淳子、John McBride、LaneyThorntonの寛大さを心からありがたく思っています。
世界中の実に多くの人たちがさまざまな形で私たちの研究に貢献してくれました。まずは、レスター・ブラウンの書いたすべての本を40年にわたって刊行しつづけてくれた米国のW. W. Norton & Companyをはじめ、私たちの本を刊行してくれた出版社がその代表です。また、翻訳版を出版してくれた人たちも同様です。中国のLin Zixin、イランのHamid TaravatiとFarzaneh Bahar、イタリアの Gianfranco BolognaとEdizioni Ambienteのチーム、日本の織田創樹、ルーマニアのEditura Tehnica、スウェーデンのLars and Doris Almstrom、韓国のYulChoiが設立したDoyosae Books、トルコのTEMA、英国のEarthscan、ハンガリーのDavid Biro、ブルガリアの Paper TigerのCyril Ivanov 、フランスのPierre-Yves LongarettiとPhilippe Vieille、スペイン語版でコロンビアのtheCentre ofStudies for Sustainable DevelopmentのGilberto Rincon、オランダのMGMCのMaurits Groen、ギリシャのEditio ChronicoのMakis Fountoulisなどの皆さんです。
それから私たちの研究に対して感謝のメールや手紙を送ってくれたすべての皆さんにお礼を言いたいと思います。皆さんの言葉には深く心を打たれました。
それでは、さようなら。
アースポリシー研究所スタッフ一同