去年9月から教え始めた東京都市大学で、この4月から18人のゼミ生とともに、研究室活動を進めています。私の研究室のモットーは、「社会を変えながら、社会を変えられる人を育てる」。
ゼミ生はそれぞれの関心や問題意識に基づいた自分の研究を進めながら、全員で1つの取り組みを進める中で、研究手法や社会への働きかけ、社会とのやりとりを学んでいます。昨日始まったエコプロダクツ展にも出展し、全員で進めてきたプロジェクトなどを説明しています。
同時に、全員での調査研究がまとまったため、プレスリリースも出しました。多くの方にぜひ知っていただきたく、また就活生や学生がまわりにいたら、ぜひお知らせいただきたく、共有させていただきます。
プレスリリースはこちらから。
http://www.yc.tcu.ac.jp/~edahiro-web/news/2015/news_4.html
ガイドブックはこちらから。
http://www.yc.tcu.ac.jp/~edahiro-web/index.html
今日・明日のエコプロ展でも、「E-10」のブースで、ゼミ生たちがこの調査結果や、ゼミ合宿で訪れた熊本県水増集落での取り組みなどの説明をしています。ぜひ足を運んで、見て、聞いていただけたらうれしいです!
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就職活動中の学生が知りたい情報がもっとも開示されているCSR等報告書は「サントリーグループ CSRレポート 2015 詳細版」
2015年12月9日
東京都市大学環境学部 枝廣淳子研究室
幸せ経済社会研究所
東京都市大学環境学部枝廣淳子研究室(横浜市都筑区)と幸せ経済社会研究所(有限会社イーズ内、本社:東京都世田谷区)は本日、「地球と自分を幸せにする企業の情報の見つけ方」プロジェクトの調査結果を公表しました。
このプロジェクトでは、就職活動中の学生に人気がある企業41社のCSR(企業の社会的責任)情報が掲載されているCSR報告書・サステナビリティレポート、統合報告書、アニュアルレポートを「就職活動中の学生が知りたい情報が記載されているか」という点から分析しました(目標の高低や達成状況の評価など情報の中身の優劣ではなく、情報記載の有無だけを調べています)。
調査の結果、「就職活動中の学生が知りたい情報」の開示度の高い報告書を発行している上位10社は以下の通りでした(120点満点)。
1位 サントリーグループ(119点)
2位 味の素株式会社(102点)
3位 損保ジャパン日本興亜ホールディングス(100.5点)
3位 三井住友海上火災保険(MS&ADホールディングス)(100.5点)
5位 凸版印刷株式会社(100点)
6位 東京海上ホールディングス(96点)
7位 資生堂グループ(95.5点)
7位 りそなホールディングス(95.5点)
9位 伊藤忠商事株式会社(95点)
9位 日立グループ(95点)
1位のサントリーグループのCSR報告書は、120点満点中119点と、就活生・学生が就職を考えるにあたって知りたいと思う情報を網羅的に開示している報告書でした。特に、企業そのものについての情報(企業軸)だけでなく、従業員にとってどのような職場なのかについての情報(自分軸)についても、制度や取り組み、実績、データなど伝えるものとなっており、このような報告書が増えれば、自分の関心に沿った情報を得た上で就職を考えられる学生が増えると思われます。
なお、上位10社の調査対象報告書はすべて「CSR報告書」であり、統合報告書やアニュアルレポートは1つもありませんでした。就活生・学生が求める情報を探すにはCSR報告書が有効であることがわかります。
41社の総合点の平均点は75.8点でした。41社の結果の分析から、以下の全体的な傾向がわかりました。
○自分軸に比べ、企業軸の情報を厚く開示している報告書が多い →企業軸の平均点は51.5点、個人軸の平均点は24.4点でした。
○報告書の種類別に見ると、統合報告書・アニュアルレポートは、全般的に得点 が低く、就活生・学生の求める情報の開示が少ない →総合点の平均値を見ると、CSR報告書は78.5点、統合報告書・アニュアルレポートは67.6点でした。
○就活生にとって重要な情報である個人軸について多く掲載しているのはCSR報 告書が多い →個人軸の平均点はCSR報告書が27.2点で、統合報告書・アニュアルレポートは15.5点でした。
このプロジェクトを主導した東京都市大学の枝廣淳子教授は、「CSR報告書には、就活生や学生が知りたい情報もたくさん掲載されています。このプロジェクトを通して、就活生には企業研究にCSR報告書を活用できることを伝えたい。企業には、投資家向けの情報だけではなく、就活生・学生などのステークホルダーが関心を持つ情報ももっと掲載してほしい」と述べています。
なお、本プロジェクトの詳しい内容については、近々発行予定の『就活生・学生のための「地球と自分を幸せにする企業」の情報の見つけ方」ガイドブック』をご覧下さい(枝廣研究室ウェブサイトにアップされます)。
東京都市大学枝廣淳子研究室
URL:http://www.yc.tcu.ac.jp/~edahiro-web/index.html
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ガイドブックはすでにアップされています~!
http://www.yc.tcu.ac.jp/~edahiro-web/category/pdf/guideBook_ver2.pdf
【ガイドブック・目次】
1.はじめに(私たちの思い)
2.プロジェクトの目的
3.プロジェクトの進め方
4.調査結果
「就活生の求める情報開示度ランキング」トップ10社
41社すべてのグラフ
全体的な傾向
5.今後に向けて
6.就活生・企業へのメッセージ
7.幸せ経済社会研究所からのコメント
資料1:約200人の就活生・学生の「知りたい情報」
資料2:スコアシート
資料3:情報発信・取り組みのベスト・プラクティス例
資料4:調査分析対象レポート
資料5:プロジェクトメンバー
ガイドブックには、この調査研究のプロセスの説明(どのように調査対象企業を選んだか、どのように調査項目を作成したか、など)のほか、全対象企業41社の結果が出ています(上位10社のみ社名あり)。
プロセスの特徴の1つは、心理学者マズローの欲求段階理論を枠組みに用いていることです。新しい試みですので、ぜひ見ていただけたらと思います。
また、ぜひ多くの方に、特に企業の方に見ていただきたいのが、資料3の「情報発信・取り組みのベスト・プラクティス例」です。
今回調査した企業の発信情報には、「ぜひこういう情報発信・取り組みが広がればいいな!」というベスト・プラクティスが項目ごとにいくつもありました。そのうちのにいくつかを紹介することで、企業の今後の取り組み・情報発信のモデル例になれば、と思って作成したものです。
そもそも、どうしてこのプロジェクトを始めたのか? このプロジェクトをやっての学びやメッセージは?--少し長くなりますが、ガイドブックから、
1.はじめに
6.まとめ
7.指導教授・幸せ経済社会研究所より
をご紹介します。
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1.はじめに(私たちの思い)
就職は、私たち多くの学生・若者にとって、「人生にとっての一大事」です。職場で過ごす時間は、自分の暮らし(人生)のかなりの部分を占めることになるでしょう。ですから、どのような企業に就職し、どのような仕事に就くかは、自分の暮らしの質や人生そのものにも大きな影響を与えることになるはずです。
仕事は、言うまでもなく生活の糧を稼ぐ手段でもありますが、それだけではありません。私たち一人ひとりにとって、自己成長や自己実現の場でもあります。また、社会や未来をよりよいものにするために、自らの貢献ができる場でもあると考えています。
これだけの「一大事」である就職のために、私たち学生、特に就活生は、多くの時間を費やして、「業界研究」や「企業研究」をします。本当はそれぞれの企業で働いている人に、実際の状況などを聞ければいちばんよいのでしょうけど、そのような機会は限られているため、私たちは主に、冊子やネット上の情報として企業から提供されている情報を用いて、それぞれの企業について調べることになります。
就活生の中で、「この企業に就職したい!」「この業界に行きたい!」と具体的に行きたいところが決まっている人はどのくらいいるでしょう?
私たち枝廣研究室のゼミ生は18人全員が3年生です。つまり、就活生です。ゼミでいろいろな話をする中で、はっきり就職したい企業や業界が決まっている人は少数派であることがわかりました。
就職したい企業が決まっていれば、その企業のウェブなどを詳しく調べて、情報を得ることができるでしょう。でも、「どういう企業に就職したいのか」がはっきりしていない場合は、どこを調べて、何を比べればよいのでしょうか? そもそも、私たちと同世代の就活生はどういう企業に就職したいと思っているのでしょうか?
そこで私たちはまず、「自分が働きたいと思う、いい会社」とはどういう企業か?をそれぞれで考え、同じ大学の友人や学外の知り合いなどにインタビューしました。枝廣先生の授業でもアンケート調査を行い、約200人の就活生・学生から「就職したい企業の特徴」を集めました。
集めた「就職したい企業の特徴」に関する情報の多くは、就職活動生用のサイトよりもCSR報告書に掲載されていることが多いものでした(CSRとはCorporateSocial Responsibility=企業の社会的責任のことで、企業の環境面・社会面・経済面での考え方や取り組み、実績などを報告する媒体がCSR報告書です。サステナビリティレポートと呼ばれることもあります)。
次に、こういった私たち就活生の知りたい「就職したい企業の特徴」についての情報を、企業はどのくらい発信しているかを調べました。
いうまでもなく、企業が発信する情報を得て、その中身が十分か足りないか、優れているか劣っているかを判断するのは、就活生・学生ひとりひとりです。したがって、このプロジェクトでは、中身の質については問わず、就活生・学生が判断するために必要な情報を企業が開示しているかどうかだけを調べました。
「就活生の求める情報を企業は発信しているか」を調べてみてわかったことは、「就活生の求める情報をしっかり発信している企業もある」「あまり発信していない企業も多い」ということでした。そして、どこを見れば、そういう情報が見つかるかもわかりました。企業に問い合わせた時の対応にもいろいろあるなど、多くのことを知りました。
就活生の多くが(当然ながら)「ブラック企業には行きたくない」と言います。では、企業のそのような側面について、どこを見ればわかるのでしょうか?当たり前ですが、どの企業も「ウチはブラックです」「ウチはブラックではありません」とは言いません。そういう場合、どのような情報をチェックすればよいのでしょうか? 私たちはこのプロジェクトを通して、「そのような情報はどこで見つけられるか(少なくともそういった情報を出しているか、いないか)」がわかってきました。
このガイドブックは、こうやって私たちが進めてきたこのプロジェクトのプロセスと結果、私たちからのメッセージを紹介するものです。就活生・学生のみなさんに「人生の一大事である就職を考えるとき、こういう情報もぜひ参考にしてほしい!」と呼びかけるとともに、企業に「就活生・学生はこういう情報を求めているから、ぜひ出してほしい! 取り組みももっと進めてほしい!」と伝えられたらと思っています。
このガイドブックが就活生・学生と企業の間のコミュニケーションがより双方に役立つものになるきっかけの1つになれば、がんばってこのプロジェクトを進めてきた私たちゼミ生として、これ以上うれしいことはありません。
枝廣研究室ゼミ生一同・枝廣淳子
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6.まとめ
●就活生・学生に向けてのメッセージ
「一生の一大事」の就職に向けて、本当に自分が何を大事にしたいのかをよく考えてみましょう。自分が大事にしたいことが、自分の成長であれ、自分がありのままで受け容れられることであれ、社会の役に立つ企業で働くことであれ、企業の情報をよく見ていると、その企業が「自分の大事にしたいこと」を大事にしている企業なのかそうではないのかが少しずつわかってきます。
給料も大事な情報だけど、自分が大事にしたいことについての情報も、しっかり調べて、考えに入れて、就職する企業を探し、選び、決めていけたら、後悔の少ない就活になるのではないかと思います。
その企業が、自分の成長を応援してくれるか、受け容れてくれる場かどうか、社会や地球を守ろうとしているかどうか、といった情報を知りたかったら、ぜひ企業の「CSR報告書」「サステナビリティレポート」「社会環境報告書」を探して見てください。企業のウェブサイトのCSR部門や環境部門のところに、きっと見つかるはずです。
そういった報告書がなければ、「統合報告書」「アニュアルレポート」を見てみましょう。もちろん、「これは!」という企業が念頭にあるなら、ウェブ上の情報もじっくり調べてみましょう。
その時にはぜひ、今回のプロジェクトで使用した「企業軸・自分軸」×「マズローの欲求5+1段階」を参考にしてみて下さい。例えば、会社に勤めながら、業務以外での社会貢献に関わりたい場合は、自分軸の利他(従業員が主体的に行なうボランティアやプロボノ活動を支援する制度があるか)に注目して情報を調べてみましょう。
自分の求める情報が見つからない場合、質問がある場合は、企業に問い合わせてみましょう。ウェブに窓口のメールアドレスが書いてある場合もあります。見つからなければ、代表のアドレスや問い合わせフォームから問い合わせることもできます。
私たちも経験したように、返事が来ない場合もあります。でも、私たちも経験したように、丁寧に返事をくれて、応援してくれる企業の担当者もいます。就活のOB訪問や面接などで聞いてみることもできるでしょう。
今回は私たち枝廣研究室の枠組みで、「就活生の知りたい情報」を整理し、調査をしてみました。知りたい情報は、それぞれの就活生によって異なる部分もあります。今度はあなたが、自分の知りたい情報を考えて、企業が発信している情報を探してみてください。CSR(企業の社会的責任)についての報告書やウェブのページが鍵です!ぜひ見てみてくださいね。
●企業に向けてのメッセージ
今回調査をしてみて、ほぼ満点という情報開示度の企業もありましたし、私たちにとって大事な軸である自分軸の情報がほとんど発信されていないという企業もありました。「こういう制度があります」という情報だけの企業もあれば、その利用実績もきちんと情報発信している企業もありました。
企業が情報発信する際のターゲットには、いろいろな人がいるのだと思います。その1つとして、ぜひ就活生や学生に向けて、私たちの求めている情報を発信していただけたらうれしく思います。
最後に、今回調査対象企業として、スコアシートの確認や問い合わせなどに対応してくださった企業の担当者の皆様、本当にありがとうございました。叱られたこともありましたが、励まして下さった企業も多く、さまざまな企業とのやりとりそのものが私たちゼミ生にとって、大きな学びとなりました。これからの人生にも役に立つ、本当によい経験をさせていただきました。ありがとうございました。
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7.指導教授・幸せ経済社会研究所より
●プロジェクトを振り返って
今回のプロジェクトを、共同研究者としてゼミ生とともに進めました。その立場から、いくつかコメントをしたいと思います。
「若者の仕事観は、かつてとはかなり変わりつつある」と言われています。「若者の意識を探る」と題した平成25年度厚生労働白書には、「働くことに関する最近の若者の意識は、経済的な側面よりも、自分自身が『楽しく』生活できるかどうかという点を重視していることが分かる」「『社会のために役立ちたい』とする若者の割合は、2000年以降上昇傾向にあり、仕事を通じ社会に貢献していきたいと考える若者の増加として注目される」と述べられています。(グラフ) 今回ゼミ生のヒヤリングや授業(主に3年生対象)でのアンケートから得られた「就職したい企業の特徴」は、まさに「自分らしくありたい、社会のために役立ちたい」という白書で述べられている傾向に合致するものだと思われます。
また、この「就活生の大事にしたいこと」は、『モチベーション3.0』で知られる米国のダニエル・ピンクが、「アメとムチ」という外発的動機付けが有効だった20世紀型マネジメントから、「自律性・成長・目的」という内発的動機付けが大事になる21世紀型マネジメントへシフトできない企業は弱化していくだろうと述べていることとも呼応すると考えられます。現代の就活生には、「給料だけではない」と述べ、実際に企業の内外を問わず「本当にやりたいこと」を模索する学生も多く見られるのです。
今回のプロジェクトを通して、このような若者の動機に応え、新しいサービスの半分を生み出しているといわれる「グーグルの20%ルール」(仕事時間の20%を自分の好きなことに使えるルール)のような新しい働き方や、21世紀型の目的主導型のマネジメントに転換していくことが、これからの企業にとって大事なことではないかと考えさせられました。
最近の傾向の中で、1つ気になったことを述べます。
企業は最初「環境報告書」という形で、環境問題に関する情報を社会に発信するようになりました。近年は「CSR報告書」「サステナビリティレポート」という形で、環境問題だけではなく、社会面・経済面も含めたトリプル・ボトムラインの情報を発信するようになっています。今回の枠組みでいう「自分軸」の多くは、「社会面」に含まれる項目ですから、就活生・学生にとって、「環境報告書→CSR報告書」へのシフトは好ましいことであると考えます。
その一方で、最近、統合報告書に向かう動きがあります。統合報告書やアニュアルレポートは、投資家・株主を主な対象としています。今回の調査結果からも、統合報告書には、就活生・学生の求める情報があまり載っていないことが明らかになりました。企業からすると、対象が違うので当然だとは思いますが、投資家・株主ではない、就活生・学生にとって必要な情報もしっかり発信していただけたら、と願います。彼らも企業にとって大事なステークホルダーの1つだと思うのです。
今回のプロジェクトを通じて、何よりも、就活生や学生たちに「企業のCSR情報を見てみよう!」と呼びかけられたらと思っています。そして、企業にも「就活生・学生が知りたい情報」とはどのようなものかを伝えることで、そうした情報発信が増え、学生・企業の双方に資するコミュニケーションにつながっていくことを願っています。
●さらなる展開について
今回のプロジェクトでは、学生にとってワガコトである「就活生」という立場から、CSR情報が掲載されている報告書を分析しました。現在、非正規雇用者の増加など、雇用環境の悪化が社会問題になっています。学生たちが将来、企業の中でどのような立場に置かれるのかは、学生にとってのみならず、日本社会全体の問題です。
よって、企業が人権やダイバーシティへの配慮といった社会的責任を果たしているかを知るための情報源として、また従業員がイキイキと働くことができるのかを知るための情報源として、CSR関連の情報がとても重要であることは疑いがありません。こうした観点から、企業の発信するCSR情報に「個人軸」についての情報をもっと入れてほしいと願っています。
その一方で、「企業軸」も私たちにとっては重要です。私たちがこのプロジェクトを進めている最中に、建築業界で杭データ偽装問題が起きました。また食品偽装問題もたびたびマスコミを賑わせています。今回分析したCSR報告書では、ほとんどの企業でコンプライアンスについての情報開示が行なわれていました。CSR報告書は法令遵守の制度や仕組みがあることを伝えていても、それが単なる「建前」にならないようにするためにも、私たちは生活者として企業の動きを見守る必要があります。
こうしたことを考えると、今回の「就活生」という立場だけでなく、「生活者」といった立場からもCSR報告書を分析することが必要ではないかと考えます。
私たち一人ひとりに影響を及ぼす環境問題や社会課題が大きくなっていく中で、CSR情報の開示の担う役割はこれからますます重要になっていくでしょう。私たちはこれからも、企業の発信するCSR情報について知らない人たちに対しては「CSR情報にもっと注目しよう!」というメッセージを、企業に対しては「私たちにとって重要な情報をもっと開示してほしい!」というメッセージを送り続けたいと思っています。
東京都市大学環境学部教授 枝廣淳子
幸せ経済社会研究所 研究員 新津尚子
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ゼミ生たちと議論しながら、枠組みを考え、私自身も41社すべてのCSR等報告書のダブルチェックを行う作業は、なかなかエネルギーも時間も必要とされるものでしたが、みんなとやり終えて、ひとつの形にまとめることができ、多くの方々にお伝えする段階まできて、「やってよかったなあ!」と思っています。
ぜひエコプロ展にいらっしゃる方、ブースに足をお運びください~。「E-10」ブースで、スーツ姿もまぶしい(普段とイメージ違うなあ ^^;)ゼミ生たちが張り切ってお待ちしています!