昨年は環境・持続可能性の点で大きな転換点となる1年でした。年末のパリ協定と、9月に持続可能な開発目標(SDGs)が国際社会の合意となったことの2つが、その大きな理由です。
SDGsについて、どのような背景で作られたのか、バラトングループの仲間でもあるアラン・アトキソン氏らの「17goals」というサイトでわかりやすく紹介されていますので、実践翻訳チームのメンバーに訳してもらいました。ぜひどうぞ!
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2012年リオデジャネイロに、持続可能な開発のための新たな国際アジェンダの策定に向け、国連加盟国が集結した。
会議の参加国は「我々の求める未来」(The Future We Want)と題する文書において、ミレニアム開発目標(MDGs)の成果を土台にした一連の目標をつくることに合意した。MDGsは、2000~2015年までの間、貧困撲滅への取り組みにおいて世界各国と国連を導いた8つの目標である。
MDGsに対する取り組みは、一定の成果を認められた。世界はこの期間に、貧困撲滅に向け急速な進展を見せたのだ。しかし、このMDGsによる成果だけでは、十分とは言えなかった。新たな目標は、貧困関連以外の問題にも取り組みを広げる必要があり、世界の貧しい国々のみならず、すべての国に適用されるものでなければならない。そして、掲げる目標はより高くなくてはならないのだ。
新しい目標は、普遍的で、統合的であり、変革を起こす力のあるものが求められるだろう。
新たな持続可能な開発目標(SDGs)は、あらゆる国が対象となるだろう。貧困、人間開発、環境、社会正義などの、持続可能性に関する課題のすべてを網羅するものになる。
国連はこのような新しい目標をつくり上げるという任務を与えられた。3年を費やし、数え切れないほどの話し合いや協議の場を持ち、最終的には何十万もの人々が参加した。
2015年8月2日、協議と交渉の長い道のりを経てもたらされた結果は、驚くほどの大成功だった。その日、国連本部の広い会議室で、全加盟国が「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」(Transforming OurWorld: The 2030 Agenda for Sustainable Development)という文書において、合意に至ったのである。
(詳しい内容をご覧になりますか? 「我々の世界を変革する」はこちらでお読みいただけます。)
http://www.un.org/ga/search/view_doc.asp?symbol=A/69/L.85&Lang=E
「2030アジェンダ」は、2015年9月25日に150を超える加盟国首脳が参加した国連サミットで正式に採択された。17の持続可能な開発目標と、それを支える169項目の具体的なターゲット(各目標に付随する複数のターゲット)が盛り込まれている。また、各国が目標の実現に向けて進むべき道筋の提案も含まれる。
「2030アジェンダ」の採択は人類史上初の快挙である。地球という惑星上の私たちの文明の発展を目指す包括的なビジョンについて、明確な目標とターゲットを掲げ、世界中の国が合意に達したのだ。
「我々の世界を変革する」において、鍵となる提案の一つはつまるところ、こういうことだ。みんなを巻き込もう。政府、企業、地域社会、教育関係者といったあらゆる人が、SDGsを実現するための役割を担っているのだ。
だから私たちは17Goalsというウェブサイトを立ち上げた。
そしてSDGsが正式に発効された今、人々に目標の実現に向けて動き出してもらおうと、#SDGMoveキャンペーンを発足させたのだ。
(翻訳:山口、チェッカー:三好)
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日本の企業や社会にとっても、パリ協定とこのSDGsの及ぼす影響はとても大きなものになってくると考えていますので、これからも情報をお伝えしていきます。どうぞお楽しみに!