先月末に「河北新報」に、インタビューいただいた記事が掲載されました。その記事をご紹介しようと思っていたところに、同じく東北の岩手県岩泉町からのボランティアの呼びかけを受け取りましたので、転載します。平日にも動ける方、9月下旬まで夏休みの続く大学生など、ぜひ協力いただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします!
(ご協力のお願いの後に河北新報の記事を掲載しています)
~~~~~~~~~~~~~ここから協力のお願い~~~~~~~~~~~~~~~~~
岩手県岩泉町が、台風10号により深刻な被害を受けたことは、皆様も報道でご存知のことと思います。岩泉町役場から、ボランティアが集まらなくて困っているので、声掛けをお願いできないかとの協力要請がございました。
岩泉町では、道路や水道、電気、電話などは応急仮復旧ながら徐々に回復してきましたが、水害にあった住宅の泥のかき出しや家財道具の運び出しなどの作業が進んでおりません。
盛岡からの道が被害を受けたことと、隣の宮古市と久慈市でも被害が出たこともあり、ボランティアの皆さんに、岩泉町までなかなか足を運んでいただけない状況にあります。
それでも土日はボランティア参加がありますが、平日はとても少なく、被災者の皆さんからの要請に全然応えられていないそうです。
岩泉町へのボランティアにぜひともご協力ください。
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岩手県岩泉町へのボランティアについて
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(1)活動内容: 水害にあった住宅の泥のかき出しや家財道具の運び出しなど
(2)以下にて、ボランティアを受付ています。
●岩泉町災害ボランティアセンター 本部
住所:岩泉町岩泉字森の越4-14 岩泉町社会福祉協議会内
電話:090-4478-3984・090-2270-0242・090-2270-0243・0194-22-3400
●岩泉町災害ボランティアセンター 小本サテライト
住所:岩泉町小本字南中野239-1 岩泉町役場小本支所内
電話:090-9962-7999
●岩泉町災害ボランティアセンター 小川サテライト
住所:岩泉町岩泉町門字町66-1 岩泉町役場小川支所内
●受付時間:午前8時~午後5時
●活動時間:午前9時~午後3時
<<< ボランティアへのご参加について >>>
●お一人でもグループでも大歓迎。お力をかしてください。
●個人でボランティアをする方はセンターで受付しておりますので直接お越しいただくか電話にてご連絡ください。
●団体でボランティアに参加される場合は事前に人数、来所日等をご相談ください。
●飲食、交通手段、宿泊を確保のうえお越しください。
●汚れてもよい服装、長靴、軍手、水分補給、ぼうし等野外活動できるご準備をお願いします。
●可能であれば物資が不足しているので、スコップ、一輪車、土嚢袋の持参、提供にご協力いただければ幸いです。
●平日のボランティア参加が少なく困っています。可能であれば土日だけでなく、平日の参加をご検討いただけると大変助かります。
~~~~~~~~~~~~~ご協力のお願いここまで~~~~~~~~~~~~
河北新報 8月29日(月)掲載
道しるべ探して とうほく共創
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◎とうほく共創 第3部恵み/東京都市大環境学部教授 枝廣淳子氏に聞く
東京電力福島第1原発事故で首都圏の人たちは、初めて自分の家の「コンセントの向こう側」を知り、自分の責任を考えた。悲劇的な方法ではあったが、福島の人たちに迷惑を掛けながら電気を使わせてもらっていたことに気付き、罪悪感を抱くきっかけになった。
こうして心情的に「脱原発は当然」と考えるようになった人たちに再生可能エネルギーという新しい選択肢を示したのが、東日本大震災後の5年間だった。
日本は間違いなく再エネの時代に入りかけている。この時間軸が進めば、原発か地球温暖化かという「地獄の選択」を回避できる。
実際、九州電力では毎日、発電量の10~30%を再エネで賄うようになった。「ドイツでは再エネ率が30%」と聞いて驚いていた時代が、実は既に私たちの足元で育っている。
世界の国々が再エネを推進するのは「温暖化を食い止めたい」などという地球市民的発想ではなく、その方が単に経済的だから。
原発の立地地域が再稼働を求めているのも理屈は同じで、雇用と地域経済を回したいための再稼働推進であって、別に原発そのものが必要だからではない。
風力発電に積極的で、地域がエネルギーで自立することを国家目標とするデンマークでは、風車の8割以上が地元所有になっている。地元を吹き抜ける風は地元のものであるから地元の利益にするのが当然というお国柄。風車がビュンビュン回る音が、地元の人にはチャリンチャリンとお金が落ちてくる音に聞こえるとか。
日本にも3.11後、始まった再エネの固定価格買い取り制度(FIT)ができた。だが再エネ発電量を増やすことが目的となり、どこが出資するか、利益がどこに戻るかは二の次だった。その結果、動きの速い大企業に利益を奪われる植民地型になっている。
震災では、個人も企業も地域もポキッと折れてしまわない「レジリエンス(しなやかな復元力)」が問われた。特に地域レジリエンスでは、エネルギーと食料の外部依存性を下げておくことが大事なポイント。この点で一番折れやすいのは東京、となる。
私は子ども時代を宮城県柴田町で過ごした。ここでは、地元で消費できるだけの米や野菜を作って売っていた。経済活動は盛んなのだが、域内経済の全体像は膨張することなく常に一定という「定常経済」の状態にあった。
一方で国全体は成長経済路線を突き進んでいたが、地域経済の中で暮らしている人なら、定常経済の方が実感を持って理解できる経済システムではないだろうか。
東北は東京に供給する対価として補助金をもらうような関係性を断ち切り、地域の人たちの幸せのためにエネルギーをどれだけ使えるかと発想してほしい。
~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~
ずいぶん前になりますが、岩手県岩泉町には取材でうかがったことがあります。被災された方々の暮らしが1日も早く復旧されることを祈っています。