日本国内で、貧困状態にある子どもたちはどのくらいいると思いますか?
約320万人だと言われています。
家庭の事情や災害によって経済的な困難を抱えている家庭の子どもたちに、学習塾や習い事で利用できる「教育クーポン」というクリスマスプレゼントを贈りませんか?
私も支援させていただいている一般社団法人チャンス・フォー・チルドレン(CFC)の活動を、同ウェブサイトからご紹介させていただきます。http://cfc.or.jp/
●日本では、約6人に1人の子どもが貧困状態にあります
●貧困の世代間連鎖が生まれています
●家庭の経済格差が子どもの学力格差・教育格差を生むためです。
親の経済的貧困は、子どもから学習の機会やさまざまな体験活動の機会を奪うことにつながります。教育機会に恵まれなかったことで低学力・低学歴になってしまった子どもは、大きくなったときに所得の低い職業につかざるを得なくなり、更には彼らの下の世代にも貧困が連鎖してしまうのです。
実際に、2013年度の全国学力テストの結果を分析すると、世帯収入の多寡で学力テストの正答率に約20%の開きが生じていました。世帯収入の低い家庭(子どもにかけられる学校外教育費の少ない家庭)の子どもほど、学力テストの正答率が低いことがわかります。家庭の経済格差が学力格差を生んでいるのです。
●日本の教育格差は学校外教育で生まれています
小中学校は義務教育ですから、全員が教育を受けることができます。ところが、塾や習い事といった学校外教育の機会は、家庭の所得に大きく左右されます。
文部科学省の「平成26年度子供の学習費調査」によると、家庭が自己負担する教育支出(学習費)のうち、約6~7割が学校外教育費(学習塾や習い事等の費用)であることが明らかになっています。日本では、経済格差による教育格差は、学校外教育で生まれやすくなっています。
●そこで、CFCでは、寄付金を原資に、経済的困難を抱える子どもに対して、塾や習い事などの教育サービスで利用できるバウチャー(クーポン)を提供しています。
バウチャーを支給することで教育以外の目的に使用されることがなく、確実に教育機会を提供することができます。また、有効期限を設けることで、貯蓄されることもなく、教育費用として消費されます。
バウチャー支給額は、:年額15~30万円 (文部科学省「子どもの学習費調査」等を参考に設定)
●子どもは幅広い教育サービスの中から自分の受けたいサービスを選択できます。
ただクーポンを提供するだけではありません。
●大学生ボランティアが継続的に子どもたちを見守ります。
大学生ボランティアが月に1度、電話や面談を通して学習や進路の相談にのる「ブラザー・シスター制度」を導入しています。バウチャーの利用に関するアドバイスを行うことで、バウチャーの有効利用を促進します。
この面談や相談ができることも子どもたちにとって大きな効果を生んでいるそうです!
子どもたちのスピーチがこちらにあります。
http://cfc.or.jp/activity/dream/
支援の方法はいくつかあります。
http://cfc.or.jp/support/
1日30円ほど(1ヶ月1000円)を継続的に寄付することもできます。CFC東日本(東日本大震災で被災した子ども支援)とCFC西日本(関西の貧困家庭の子ども支援)から支援先を選択することができます。http://cfc.or.jp/support/member/#member
以下の活動報告が届きます。
・子どもからの手紙:年1回
・メールマガジン:月1回
・年次報告書(事業報告、会計報告):年1回
また、「今回のみ」という寄付もできます。ボーナスをいただいたら少しお裾分け、クリスマスプレゼントを1つ多めに買うつもりで寄付するなど、いかがでしょうか。
http://cfc.or.jp/support/member/#donation
・寄付金の85%以上(※)を子どもへの直接的な支援費(事業費)として使用し
ます。
・寄付金の15%未満を管理費として使用します。
・ご寄付は、寄付金控除の対象となります(詳細はこちら)。
・クレジットカードでのお支払いと口座からの自動引落のいずれかを選択できます
また、Tポイントを寄付することもできます
https://tsite.jp/r/donation/
JFSニュースレター の2016年9月号で世界にも配信した関連記事をご紹介します。
~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~
JFS ニュースレター No.169 (2016年9月号)
「子ども達の貧困が深刻である」という認識が日本では大きくなりつつあります。子どもの貧困は、本人や家族の健康や幸福度のみならず、進学率や将来就くことができる職業にも大きく影響するため、抜本的な解決が求められる問題の1つです。今月号のニュースレターでは、この問題について、日本の現状と、政府が現在進めている「地域未来塾」という学習支援の取り組みを中心にご紹介します。
○深刻化する子どもの貧困厚生労働省の調べでは、日本の子どもの6人に1人は所得が中央値の半分に満たない「相対的貧困」の状態にあります(先進国の貧困状態を示す指標としては、相対的貧困が一般的に使われます。それに対して発展途上国の貧困の指標には、「一日1.90ドル未満で生活している」といった絶対的貧困を使うのが一般的です)。日本の子どもの貧困率は上昇傾向にあります。
図:子どもの相対的貧困率の推移
※グラフはこちらをご覧下さい。
また2016年4月にユニセフが発行した報告書によると、所得、学習到達度等に関する最も貧しい子どもたちと平均的な子どもたちとの格差は、EUとOECD加盟国41カ国中、日本は8番目に大きいことがわかりました。
○子どもの貧困の将来への影響子どもの貧困は、子どもの将来に大きな影響をもたらします。例えば、大卒者の割合は、貧困世帯以外では、男女とも40%以上を占めますが、生活保護世帯では15%程度と、大きな差があります。学歴は就業形態(正規・非正規など)にも影響するため、教育上の格差は生涯所得をも大きく左右することになります。
日本財団が2015年12月に発行した『子どもの貧困の社会的損失推計レポート』は、この点に注目して、現在15歳の貧困世帯の子どもたち約18万人が、現状のまま大人になった場合(現状シナリオ)と、教育支援などを行なった場合(改善シナリオ)について、大卒者や所得の違いなどを推計しています。
「現状シナリオ」の大卒者数は3万4000人なのに対して、「改善シナリオ」では6万2000人と、対策の有無によって3万人近い差が出すという結果でした。正社員になれるのは「現状シナリオ」では8万1000人、「改善シナリオ」では9万人でした。
この差はさらに所得の差につながります。正社員の所得は、非正社員に比べて高いからです。レポートでは、推計対象である貧困世帯の18万人が64歳になるまでに得る所得の合計を推計しています。「現状シナリオ」では生涯所得は22兆6000億円であるのに対して、「改善シナリオ」では25兆5000億円と、2兆9000億円も多くなりました。推計対象の18万人だけでも、日本全体ではこれだけの違いが生じるのです。
親が貧困から抜け出せないと、その子どももまた貧しい家庭で育つことになるため「貧困の連鎖」が生じます。日本では多くの子どもたちは塾に通って勉強しているのに対して、貧しい家庭の子どもたちは塾に通う経済的余裕がないのが実情です。負の連鎖を断ち切るためには、学校以外でも学習支援を行なうことが求められます。
○無料の学習支援、「地域未来塾」の取り組みこうした状況に対して、2015年度から日本政府は「地域未来塾」という学習支援の取り組みを始めました。「地域」という名前が示すように、この取り組みは、学校をプラットフォームとして、地域住民の協力を得て行なうものです。
主に家庭での学習習慣が十分に身についていない中学生等を対象として、原則無料の学習支援を行ないます。2015年には、約2億円の予算が割り振られ、2,000の中学校区で取り組みが行なわれました。
地域未来塾は、地方公共団体が、学習塾、NPOなどに委託して行なうこともできるなど、地域の実情に合った様々な方法で運営することができます。対象についても、一部の児童・生徒に対象を絞ることも、対象者を限らずに実施することもできます。
例えば、ある中学校では、学期中に週2回の夜間に、中学校の教室を利用した地域未来塾が行なわれています。対象は中学校1年生から3年生までの希望者で、指導は教員志望の講師や大学生などが担当しています。
この地域未来塾は希望すれば誰でも気軽に参加できる、対象者を絞らないスタイルで、生徒がワークブックで自主学習をし、分からないところがあれば指導員に質問をする方法でおこなっています。平均して毎回約30名の生徒が参加しているそうです。この学校の生徒数は約300人なので、毎回全校生徒の1割程度が参加している計算になります。
また、家庭での学習が困難な生徒や、学習習慣が十分に身についていない生徒に対象を絞った地域未来塾の例として、習熟度に応じてクラスを未来塾コースと、標準コースに分け、未来塾コースを少人数クラスにし、指導員による丁寧な講義と指導が行なうスタイルもあります。
この方法では、標準コースと未来塾コースが同じ時間帯に行なうことで、学習が遅れがちな生徒を対象にした支援を行なっていることが生徒たちに分からないように配慮されています。必要な子どもたちにしっかりとした学習支援を行なう必要がある一方で、学習支援を受ける子ども達が「貧乏」「勉強ができない」と思われてしまうことを防ぐことも必要です。
地域未来塾が始まって2年目となる今年度(2016年度)、政府は取り組みを行なっている学区を2015年度の2,000から3,000に増やし、3年後の2019年度には全国の中学校の半数にあたる5,000の学区で実施するという目標を掲げています。また今年度からは、この取り組みを中学だけではなく高校にも広げること、ICT(情報通信技術)を活用することで支援を加速させるなど、地域未来塾は新たな展開を見せています。
○地域未来塾の取り組みを支える法律と制度地域未来塾は、様々な法律や制度によって支えられている取り組みです。そこで最後に、そうした法律や制度をご紹介しましょう。一つ目は2014年1月に施行された「子どもの貧困対策の推進に関する法律」です。この法律は、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのない社会を実現することなどを基本理念としています。
この法律を受けて作成された「子どもの貧困対策に関する大綱」では、(1)教育の支援、(2)生活の支援、(3)保護者に対する就労の支援、(4)経済的支援、(5)子供の貧困に関する調査研究等といった項目ごとに、重点施策が設けられています。
「教育の支援」の重点施策としては、(1)学校をプラットフォームとした子どもの貧困対策の推進、(2)教育費負担の軽減、(3)貧困の連鎖を防止するための学習支援の推進、(4)学習が遅れがちな中学生等を対象とした学習支援などがあげられています。地域未来塾の取り組みは、まさにこの中に位置づけることができます。
また、貧困対策とは異なる視点から地域未来塾を支える制度も存在しています。2006年に改正された教育基本法では、新たに「学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力」という規定が加わりました。
これを具体化するため、2008年から「学校支援地域本部」を設置する取り組みが始まっています。学校支援地域本部は、学校が必要とする活動を、地域住民がボランティアとして支援する組織です。多くの地域未来塾が、学校支援地域本部を基盤として開催されています。地域未来塾は、こうした元々ある制度や組織とも関わりを保ちながら、それぞれの地域の中で発展を続けているのです。
(スタッフライター 新津尚子)
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社会の未来を創っていくのは子どもたちです。
学びたい、学習したい、成長したいという子どもたちの思いを支援することは、私たち自身の未来への大きな(そして幸せな)投資でもあります。ぜひお力添えを!