東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の中に、いくつかの専門員会が設置されているのですが、そのうちの1つが「街づくり・持続可能性委員会」で、私も委員を務めています。
https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/
街づくり・持続可能性委員会には、いくつかのワーキンググループが設けられており、私は「脱炭素ワーキンググループ」のメンバーです。
https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/sus-group/low-carbon-wg/
このワーキンググループ、立ち上げから少し前まで「低炭素ワーキンググループ」という名称だったのですが、パリ協定もあり、「世界がめざしているのは、低炭素じゃない、脱炭素だ!」と、「低炭素」から「脱炭素」に名前を変えました。意気込み、伝わるでしょうか~?
東京五輪をまったくCO2を出さずに開催することは無理ですが、できるだけCO2排出を減らして開催しよう、というのが、わが「脱炭素ワーキンググループ」の使命です。
体重でも同じですが、「減らす」ためには、まず「現状」を知る必要があります。それから、何をやればどのくらい減るのかを考えて、対策を進め、実際にどうだったか、また測定する、ということになります。
東京五輪を「対策なしで」開催した場合、どのくらいのCO2が出るのか? この計算が待たれていましたが、25日の脱炭素ワーキンググループの会合で、その算定結果が発表されました!
資料はこちらにあります。
https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/sus-group/low-carbon-wg/
1月25日開催の第8回の資料です。
https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/low-carbon-wg/data/20180125-appendix.pdf
算定の考え方、算定範囲、算定方法などの説明があり、9ページに算定結果があります。グラフもありますので、ぜひ見てみてください。
ロンドンオリンピックのカーボンフットプリントは、345万トンーCO2 でした。それに対して、東京大会は、最初の時点では、301万トンーCO2。
ロンドン大会に比べて、輸送インフラなどをつくらないため、少なくなっています。
また、東京大会は、会場の見直しがあったため、さらに8万トン減って、現状は、293万トンーCO2となっています。
ロンドン大会よりは少ないといっても、一般家庭60万世帯の年間排出量に相当する量とのことなので、やはり多いですよねー。
これがスタートラインです。ここから、さまざまな対策をとることで、少しでも減らしていこう!ということになります。
この資料の3ページにあるように、カーボンフットプリントを把握した上で、「回避」「削減(省エネ、再エネ)」と対策をとり、それでも出てしまうものについては、五輪との関連性などを見ながら、「オフセット」をしていくことになります。
ちなみに、ロンドン大会の「実際」は、再生骨材やレンタル利用などで、現状から1割強減らしたものの、観客が想定以上に多かったため(うれしいことですが!)観客の排出するCO2が増え、最終的には、330万トン。削減量は15万トンだったそうです。
東京大会はどこまで減らせるでしょうか? どのような対策をとるべきか、それによって、どのくらい削減できるのか、それでも出てしまうCO2をどうやってオフセットすればよいのか? 私たちのワーキンググループでもさまざまな検討を進めているところです。
また、お伝えしていきますが、とりいそぎ、「現状がわかりました!」というお知らせまで~。