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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2018年09月22日

フィリピンでポリ袋禁止条例広がる (2018.09.22)

新しいあり方へ
 

9月19日に、第2回のプラスチック資源循環戦略小委員会が開催されました。議事録はまだ第1回の分もアップされていませんが、各回の資料等はこちらにあります。

前回・今回と海外出張のため参加できなかったのですが、次回は出席して意見を述べてこようと思っています。

フィリピンの知り合いとそんな話をしていたら、「フィリピンでもポリ袋の禁止が始まっているよ」と教えてくれました。フィリピンでの動きをお伝えします。

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フィリピンでポリ袋禁止条例広がる

フィリピンでポリ袋禁止令が広がっている1つの理由は、台風だ。たとえば、2009年、台風がマニラ首都圏のモンティンルパ地区に甚大な被害をもたらした。災害後の後片付けで、ポリ袋ごみが排水システムを詰まらせ、被害をさらに悪化させていたことが分かった。

そこで、翌年、モンティンルパ市は条例(繊維製品へのポリ袋使用の禁止、樽や瓶に入れられた液体商品へのポリ袋使用の規制、同市での発泡スチロール使用の禁止、それに関する罰則規定)を採択した。これは、フィリピンの都市圏で最初のポリ袋禁止条例となった。

この条例は、包装材としてのポリ袋の使用の削減・廃止をめざすとともに、代わりの包装材(布や紙、バナナの葉などでできた袋)の使用を促進するものだ。また、「マイバッグ持参」も推進している。

このモンティンルパ市の例に倣って、ほかの州や市、町もポリ袋の使用の禁止または規制が始った。

一例がケソン市だ。「ポリ袋の使用に対する効果的な規制」を目的とした条例を採択し、ポリ袋の使用に対して徴収する料金をグリーンファンドへの投資に充てる、ポリ袋を使用する企業に対して、顧客にマイバッグを持参するよう促すポスターなどを掲示するよう依頼する、さらに、リサイクルバッグを使えばポイントを与える仕組みを実施する、といった取り組みを始めた。

ラスピニャス市では、2012年1月に発効した条例で、ポリ袋による商品の包装、容器としての発泡スチロールの使用を禁止している。企業は、包装や容器への使用を目的としたポリ袋の提供や販売はできない。定期的に検査し、繰り返し違反した場合には、懲役6カ月および1年間の業務停止の罰則が設けられている。

サンフェルナンド市でも2014年、ポリ袋の使用を禁止し、ポリスチレンによる食品の包装を禁止する一方、再利用可能な袋の使用を促進する条例を設けた。

ほかにも、ポリ袋禁止条例を採択している市は、マカティ市、バコロド市、マニラ市などがある。

また、州レベルの条例もある。例えば、6市と17町を含むカヴィテ州では、商品にポリ袋を使用することについて非常に細かく禁止・規制を定め、州のすべての学校に対して、リサイクルできる環境に優しい材料で袋を作る方法を生徒に教えるよう求める条例を設けている。

NGOのエコウェイスト・コーリションは、ポリ袋禁止条例の採択を加速するために州や都市が当てはめられる条例の書式をつくって、自治体での取り組みを支援している。

国の取り組みとしては、国内ですべてのポリ袋を禁止することをめざす法案なども出されているが、まだ成立していない。「プラスチック業界」という壁にぶつかっているのだ。プラスチック業界は、自治体の禁止条例に対抗して訴訟を起こしている。

こういった条例の成果はすでに明らかになってきている。モンティンルパ市では、条例制定後、2010年には1日あたり平均131トンだったごみの量が、2011年には1日あたり平均127トンと、1日あたり4トンも減った。

2015年7月、モンティンルパ市を台風ンが襲ったとき、洪水被害は少なく、台風通過後の後片付けで収集したポリ袋ごみは、6年前の台風のときよりも少なかった。

ラスピニャス市では、規制実施後、ごみの総収集量が37%減り、収集されたごみのうちポリ袋と発泡スチロールの割合はわずか4%だった。

また、禁止条例が実施された地域では、マイバッグの持参など、消費者の習慣が変わり始めていることが確認されている。

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国レベルでの動きがなかなかとれなくても、自治体がどんどん進んでいくのはよいですね! 日本ではどの自治体が先に動き出すかなと思っていましたが、9月4日に神奈川県が 「かながわプラごみゼロ宣言」を出しましたね。

神奈川県 「かながわプラごみゼロ宣言」
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/r5k/sdgs/plasticgomizero.html
http://www.pref.kanagawa.jp/docs/r5k/sdgs/documents/kanagawaplasticgomizerosengen.pdf

この宣言では、プラスチック製ストローやレジ袋の利用廃止・回収などの取組を、市町村や企業、県民とともに広げていくことで、203年までのできるだけ早期に、リサイクルされずに廃棄されるプラごみゼロを目指すとしています、

具体的な取り組みとしてあげられているのは、以下の3点です。
(1)コンビニエンスストア・スーパーマーケット・レストラン等と連携し、プラスチック製ストローやレジ袋の利用廃止や回収などの取組を進めていく

(2)県内で行われる環境イベント等において、プラスチック製ストローの利用廃止や回収などを呼びかけていく

(3)海岸利用者に対して、海洋汚染の原因となるプラごみの持ち帰りを呼びかけていく

呼びかけや「ゼロ宣言」は最初の一歩ですが、フィリピンの自治体のような「禁止条例」などもっと強力な取り組みも出てくることを願っています。

 

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