先日、9月20日に世界各地で若者が気候デモ行進を行ったニュースをお届けした際、「非常事態宣言を出した自治体はまだありません......」と書いたのですが、ようやく出ました!
待ちに待った、日本初の気候非常事態宣言を出した自治体は長崎県壱岐市です!
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壱岐市 気候非常事態宣言 全文
2016年、日本を含む175の国と地域が、気候変動の脅威とそれに対処する緊急の必要性を認識し、温暖化に対して「産業革命前からの気温上昇を2℃より低い状態に保つとともに、1.5℃に抑える努力を追究する。」ことを目標とした「パリ協定」について署名しました。
既に、産業革命前に比べて約1℃の気温上昇によって、世界各地で熱波、山火事、洪水、海面上昇、干ばつなどの極端な気候変動が頻繁に引き起こされ、多くの人々や自然が犠牲となっており、地球上で安心して安全な生活を送ることが困難な状況になりつつあります。
日本各地でも、猛暑、台風、集中豪雨、洪水などの気象災害により痛ましい被害が発生し、本市においても、集中豪雨による災害や水不足などの異常事態が発生しています。また、藻場が減少し、本市の基幹産業である漁業も深刻な 影響を受けています。
本市は、地球温暖化に起因する気候変動が人間社会や自然界にとって著しい脅威となっていることを認識し、ここに気候非常事態を宣言します。
気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2050年までにCO2排出量を実質的にゼロにする必要があります。
この脱炭素化の実現に向けて、社会全体で次の活動に取り組みます。
これらの活動は、SDGs未来都市として、SDGsの達成と新たな成長と発展につながります。
1 気候変動の非常事態に関する市民への周知啓発に努め、全市民が、家庭生活、社会生活、産業活動において、省エネルギーの推進と併せて、Reduce (リデュース・ごみの排出抑制)、Reuse(リユース・再利用)、Recycle(リサイクル・再資源化)を徹底するとともに、消費活動におけるRefuse(リフューズ・ごみの発生回避)にも積極的に取り組むように働きかけます。特に、海洋汚染の原因となるプラスチックごみについて、4Rの徹底に取り組 みます。
2 2050年までに、市内で利用するエネルギーを、化石燃料から、太陽光や風力などの地域資源に由来する再生可能エネルギーに完全移行できるよう、 民間企業などとの連携した取組をさらに加速させます。
3 森林の適正な管理により、温室効果ガスの排出抑制に取り組むとともに、森林、里山、河川、海の良好な自然循環を実現します。
4 日本政府や他の地方自治体に、「気候非常事態宣言」についての連携を広く呼びかけます。
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世界では気候非常事態宣言を出している自治体は1000を超えています。日本でも、前例ができれば動きやすくなるところが多いでしょうから、これからゾクゾクと出てくることを願っています。
同じ気候変動の話題ですが、米国連本部で22日に行われた環境関連会合後の記者会見で、小泉進次郎環境相が「気候変動のような大きな問題は、楽しく、クールで、セクシーに取り組まなくちゃね」と発言したことが内外のメディアで大きく取り上げられています。
うーむ......「気候変動」と「セクシー」ということばが一緒に使われているのはどうかなあ、と思っていたら、東京新聞からインタビュー依頼が来て、今朝の東京新聞の紙面に掲載されました。私の発言箇所を共有させていただきます。
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大学院大学至善館の枝広淳子教授(環境学)は「小泉氏の発言の昔景には日本で気候変動や環境への意識が低いことがある」とみる。20日の若者デモは世界で約400万人が参加する中で日本では約5千人だったと指摘。「国内の意識が低いので興味を引くためにセクシーで楽しくと言ったのだろう。だが、日本では石炭火力が進められ、政府がどうしていくか具体的に答えていない。世界では生きるか死ぬかのシリアス。全然違う」と言う。
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小泉環境大臣が、
・日本としての気候非常事態宣言(英国、アイルランド、ポルトガル、カナダ、フランス、アルゼンチンは国家として気候非常事態宣言を出しています)
・大胆なCO2削減目標設定
・脱石炭宣言
・思い切った再エネ促進
といった「セクシー」な取り組みをどんどん進めてくれるとよいのですが。。。