今月はじめに、アル・ゴア元米国副大統領率いるClimate Reality Projectチームが来日し、東京お台場の会場で800人を超える参加者を対象に、「気候危機を伝え、気候行動をとってもらうための2日間のトレーニング」を行いました。
トレーニング初日、アル・ゴア氏が2時間半を超える、情熱のこもったプレゼンテーションを見せてくれました(これもトレーニングの一環で、翌日は同じ内容を10分で伝えるプレゼンテーションも見せてくれました)。
世界各地で顕在化している温暖化の影響を伝える山のようなスライドの中に、このようなスライドがありました。
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気候危機はどのように台風に影響を及ぼすか?
1 海水温が上昇すると台風は発達する
2 台風の発達速度が大幅に上がる
3 暖かい大気はより多くの湿気を保ち、大雨につながる
4 海水面の上昇によって高潮が増える
5 大きく蛇行するジェット気流によって、同じ場所に台風が留まることがある
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このトレーニング後、2度も強烈な台風が日本を襲って甚大な被害をもたらしました。まだ被害から回復できていない地域も少なくありません。尊い人命が多数失われたほか、家屋・家財道具の損害、経済活動へのダメージなど、まだ被害の全貌が明らかになっていないほど、広範に大きな影響をもたらしました。
残念ながら、温暖化の進行する世界では、こういった事象が今後も起こると予測されています。それはなぜ? どうして温暖化の進行が強烈な台風につながるの? という「つながり」を見える化し、伝えるために、38枚のわかりやすいスライドをつくりました。
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どなたでもお使いいただけます!
「温暖化の"悪循環"からの脱出」(PDF資料)
https://www.es-inc.jp/tools/2019/tls_id010132.html
昨今の台風や豪雨の強烈化など、異常気象が私たちの暮らしや命にまで悪影響を与えるようになってきました。温暖化が異常気象にどうつながっているのか、どうすれば"悪循環"から脱出できるのか、をわかりやすく説明するための38枚のスライド資料です。
どなたでもダウンロードしてお使いいただけます。家族や友人、企業・団体や地域で、気候危機を伝え、気候行動を働きかけるために、ご活用いただければ幸いです。
「温暖化の"悪循環"からの脱出」(PDF資料)
https://www.es-inc.jp/tools/2019/tls_id010132.html
~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~
フェイスブックで共有したところ、110人を超える方々がシェアしてくださっていて、「わかりやすい!」というコメントもいただき、少しでも伝える力になれればと、うれしく思っています。
アル・ゴアさんのプレゼンテーションでは、以下のようなデータなどが写真とともに次々と映し出されました。
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日本では、1時間降水量が75mmを上回る回数がこの30年間で70%増加した。
(Data: Japan Meteorological Agency)
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日本だけではありません。
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テキサス州ヒューストンは、2015年5月から2019年9月までの間に、大洪水10回、1000年に1度の豪雨3回に見舞われた。
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2019年9月19日
熱帯低気圧「イメルダ」は、テキサス州各地で最大1070ミリの降雨をもたらした。
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2019年9月3日
ハリケーン「ドリアン」は、大西洋地域で上陸したハリケーンの中で史上最強だった。バハマを襲ったときの風速は毎時295km(毎秒82m)だった。
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2019年9月4日
ハリケーン「ドリアン」は、バハマ諸島で「失速」して40時間もとどまり、最大で1500ミリの降雨をもたらした。
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2015年5月以降、米国において1000年に一度の豪雨が18件起きている
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北大西洋の熱帯低気圧は、今世紀中に激しさを増すことが予想されている。
(Source: Climate Central)
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全世界的に、洪水と豪雨の頻度は1980年に比べて4倍になっている。
(Data: Munich Re via The Guardian)
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ジンバブエ、チマニマニ
2019 年 3月 19日
サイクロン・イダイの洪水と土砂崩れにより、少なくとも750人が亡くなった。
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日本では、気温が2℃上昇すると海水面の上昇により1,800万人が住居を失う可能性がある。
Source: Climate Central
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日本で海面水位が1メートル上昇すると1兆ドルの資産が危険に晒される
Source: WWF
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海水温の上昇に伴い「日本では21世紀に漁獲量が大幅に減少する可能性がある。」
世界自然保護基金
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ウミガメの性別は海水温によって決まる。オーストラリアのグレートバリアリーフの北限部分では、現在若い緑ウミガメの99%が雌になっている。
Source: World Wildlife Fund, 2015
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温室効果ガスの大部分は二酸化炭素であり、二酸化炭素の大部分は化石燃料の燃料から排出されています。温暖化の進行を止めるには、化石燃料の燃焼から再生可能エネルギーへと、エネルギーシステムを転換していくことが必須です。
そういったことも説明しています。家族やお友達に、地域や職場で、共有したり、使っていただけたらうれしいです。
「温暖化の"悪循環"からの脱出」(PDF資料)
https://www.es-inc.jp/tools/2019/tls_id010132.html