熱海・伊豆山での土砂災害の被災者支援の活動を続けています。毎日、市役所の支援物資の受け入れスペースに立ち寄って担当の方と情報交換し、被災者が避難されている場所にも寄って、日々のニーズや状況をアップデートしています。状況や支援のお願いは、熱海 未来創造部・伊豆山災害支援チームのFacebookグループページで、できるだけリアルアイムで共有しています。
https://www.facebook.com/groups/539592647069642
英語での情報発信も少しずつ始めます。
「少しでも手伝いたい」「寄付金を送りたい」などありがたいお申し出をたくさんいただいており、心強く励みに思っています。一方で、義援金を装った悪質なサイトや、活動資金の寄付を募っているが活動についてよくわからないグループもあると聞き、悲しい気持ちです。
「たしかな寄付先を教えてほしい」というお声には、市役所のページをご案内しています。ふるさと納税による寄付や、義援金の市役所の振込口座など、こちらからぜひご支援ください。
伊豆山土砂災害に伴う義援金などの受付について
https://www.city.atami.lg.jp/kurashi/bousai/1000598/1011345.html
さて、吉川元農水相が鶏卵業者から500万円を受け取ったとされる汚職事件に関して、6月28日、東京地裁で、鶏卵大手「アキタフーズ」前代表が吉川被告に500万円を渡した贈賄を認めました。
報道によると、検察側は冒頭陳述で、吉川被告への現金提供は快適な環境で家畜を飼育する「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に基づく国際基準案が国内業者に不利にならないようにすることなどが目的だったと主張したとのこと。
「アニマルウェルフェア」って? 贈賄をしてまで、「国際基準案が成立してしまうと不利になってしまう」国内業者の実態とはどのようなものなのでしょう? アニマルウェルフェアが畜産物を扱っていない企業にとっても「新たなリスク」になる可能性があるとは?
私は5年前に米国オレゴン州にエシカル消費の取材に行って、米国や欧州のアニマルウェルフェアの意識の高さと取り組みの進み具合にショックを受けて以来、少しでも日本の状況を改善すべく、日本の現状を調査したり、アニマルウェルフェアについて書いたり、東京五輪の持続可能性委員会のワーキンググループで発言したりしてきました。
専門家ではない、ふつうの人々がアニマルウェルフェアについて知ったり考えたりするきっかけを提供したいと岩波ブックレットも書かせてもらいました。
『アニマルウェルフェアとは何か――倫理的消費と食の安全』(626円)
(枝廣 淳子/岩波ブックレット)
幸せ経済社会研究所のウェブサイトの「社会のありかたを探る」コーナーでも、アニマルウェルフェアについて紹介しています。
https://www.ishes.org/society/
~~~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~~~
アニマルウェルフェアは「動物たちは生まれてから死ぬまで、その動物本来の行動をとることができ、幸福(well-being)な状態でなければならない」という考えを背景として欧米で誕生しました。「動物福祉」と訳されることもありますが、 最近ではカタカナのまま使われることが増えています。
例えば、日本では、ほとんどの採卵鶏(卵を産むために飼育されている鶏)は、 「バタリーケージ」と呼ばれるおよそB5サイズほど大きさの檻に閉じ込められたまま一生を過ごします。また、豚肉用の子豚を産むための母豚の多くも、妊娠ストールとよばれる檻の中で身動きが取れない状態に置かれています。
アニマルウェルフェアは、こうした近代畜産の現場で、家畜をできるだけ自然に近い形で飼育しよう、という取り組みです。動物たちも意識があり、痛みや苦しみを感じます。家畜が食肉として私たちの食卓に上がるまで、その過程の痛みや苦しみを減らすことは、私たち自身にとっても大事なことではないでしょうか。
また、生産効率を最大化しようとする過密飼育では、病気の感染を防ぐために抗生物質などが投与され、人間の健康への影響の心配もあります。
アニマルウェルフェアへの取り組みが進んでいる欧米などでは、バタリーケージや妊娠ストールを禁止している国も増えており、スーパーなどでもより自然に近い形で飼育された卵や肉を選んで買えるようになっています。
日本は欧米と比べると取り組みが遅れているのが現状で、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの選手村などで提供される食料のアニマルウェルフェアの基準は、ロンドン五輪やリオ五輪よりも低い水準になることが懸念されています。
それでも、日本でも少しずつ関心を持つ人々が増えてきました。家畜のウェルフェアに対する消費者の意識や関心が高まり、アニマルウェルフェア対応の卵や肉類などを提供する農家や企業が増えていくことを願っています。
~~~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~~~
【グローバルチェーン店の対応状況について】についても紹介していますので、ぜひご覧下さい。
上記で「懸念」していたことが実際のものとなってしまいました。つまり、東京五輪のアニマルウェルフェアの基準は、2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪から後退してしまいます。東京五輪の持続可能性委員会のワーキンググループで発言したとき、対応できない理由を聞くと、「対応するには時間がかかるから」と言われました(1年延びたのに!)
私たちが食べている卵やお肉がどうやって作られているのか、世界ではどう進んでいるのか、日本の遅れている現状、そして、日本でもアニマルウェルフェアの重要性に気づき、きちんと取り組み始めている企業があることもぜひ知っていただきたいと、オンラインセミナーを開催することにしました。
チケットをご購入いただいた方には、後日、期間限定で当日の動画をご覧いただけるようにしますので、「興味はあるけど、その時間は都合が悪い」という方も、ぜひお申し込み下さい!
7月14日開催:≪オンライン≫
アニマルウェルフェアとは何か ー世界と日本の取り組みから倫理的消費について考えるー
■日時:7月14日(水)19:00~20:30(開場:18:45予定)
■会場:オンライン(Zoom)を使用します
■講師:枝廣淳子(大学院大学至善館教授、イーズ代表、幸せ経済社会研究所所長)
■ゲスト:味の素株式会社様
■プログラム:
1.アニマルウェルフェアとは~世界と日本の今を知る
枝廣淳子
2.先進企業の取り組み
味の素株式会社様
3.これから私たちにできること・すべきこと
質疑応答・まとめ (枝廣淳子)
■開催方法:Web会議システム(Zoom)を使ったオンラインセミナー
※参加チケットをご購入いただいた方に別途お知らせします
■参加費:1,650円(税込)
■参加チケット販売締切日時:7月14日(水)お昼12時
■主催:有限会社イーズ、共催:株式会社未来創造部
■お申込みはこちらからお願いします
https://es-inc.stores.jp/items/60d2c215b5285a346d0f340a
※上記(STORES)のサイトからのお手続きが難しい場合は、以下のお問い合わせ窓口までご連絡ください。
※参加費のお支払いを確認させていただいた方に、セミナー当日12時までにZoomのURLをメールでお送りさせていただきます。迷惑メール等に入らないよう、ご注意ください。締切間際にお申込みされた方にも順番にご連絡いたしますので、
お待ちいただきますようお願いいたします。
※チケットをご購入いただいた方には、後日、期間限定で当日の動画をご覧いただけるよう準備させていただく予定です。もし当日ライブ配信をご覧いただけなかった方はそちらをご利用ください(終了後、別途事務局より視聴方法をご案内させていただきます)。
■ご参考:『アニマルウェルフェアとは何かー倫理的消費と食の安全』
枝廣淳子(著)岩波書店(岩波ブックレット)
【お問い合わせ窓口】
有限会社イーズ
(営業時間:午前9時~午後5時)
メール:info*es-inc.jp
(*を@に変更してお送りください)
電話:03-5846-9841
最後に、いくつかオンラインセミナーや読書会のご案内です。ご関心と重なるものがあればぜひご参加下さい!
7月13日(火)13:30~14:45
《オンライン》異業種勉強会 イベント・フォーラムShort Forum【第1回】
博報堂「社員の働き方を改革した、社内コミュニケーション事例のご紹介」
~コロナ禍での社内コミュニケーション浸透・進め方を探る~
https://www.es-inc.jp/network/forum/2021/nwk_id011014.html
7月21日(水) 18:30~20:30
《オンライン》幸せ経済社会研究所 読書会
『つながり続けるこども食堂』を読む
講師:枝廣淳子
https://www.ishes.org/news/2021/inws_id002928.html
《オンデマンド・セミナー》 オンデマンドなので、いつでも聞いていただけます。
「1時間でキーポイントを押さえる」枝廣淳子のESG・SDGs時事セミナー(第1回)
~IEA特別レポート:ネットゼロ(脱炭素)シナリオ~
https://www.es-inc.jp/seminar/2021/smn_id011023.html
ご購入後に配信URL、資料をお送りさせていただきます。