『朝2時起きで、なんでもできる!』という、自分の書いた本の中でいちばんたくさん売れた本があります。
その「第3章 ストレスゼロ、やりたいことは全部やる!」の中に、「失敗したら、二歩進め」という節があります。ちょっと引用してみます。
~~~~~~~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~~~~~~~~
「綿密に考えて勝負に出たが、失敗した」という失敗はそれほど多くないものです。私たちの日常生活での失敗の大部分は、どちらかというと、あまり考えていなかったがゆえの失敗のようです。
何か失敗をしてしまったとき、その悪影響をできるだけ抑えるために手を打つことが第一ですが、それだけで終わってしまうと、また同じような失敗を繰り返すおそれがあります。失敗していやーな気持ちになるのはいやなものです。
だから、私は失敗をすると、その苦い思いのなかで、「もうこんな気持ちはイヤだもの、せっかくの失敗をできるだけ生かして、もうこんな思いをしないようにしたい」と思います。
こうやって「失敗のタネ」をひとつずつつぶしていけば、イヤな思いをする回数は少しでも減るだろう、と。そのためには、失敗には「応急処置」と「根本対策」の二段構えで対処することです。
かつて、こんな失敗をしました。(中略)
これでほっとひと安心、「よかった、よかった」で終わりたいところですが、そうすると、同じ失敗を繰り返すおそれがあります。もうあんなに焦って探したり、肩身の狭い思いで翻訳会社に電話をするのはイヤです。そこで、「根本対策」。
再発を防止するためには、まず、そもそもどうしてそのような事態になったのか、原因究明をします。散らかったわが部屋を一瞥すれば、「原因」は。目瞭然。受信したFAXが、その他のいろいろな資料類にまぎれてしまったのです。
では、それを防ぐにはどうしたらよいか?これも簡単なことです。お菓子の空き箱をひとつ物置から持ってきて、「FAX箱」と書いて、机の上に置く。FAXがくるたびに、その箱に入れることにする。そうしたら、ほかの紙に混ざってなくすこともないし、その箱の中だけを探せばよいからラクなはずです。これまで私の部屋には、「受信したFAXを取っておく」しくみがなかったのです。それで失敗しました。それなら、そのしくみを作ればよいのです。
会社では、「人が変わっても、とどこおりなく業務を続ける」ために、かなりの業務がシステム化されています。どのアルバイトの人でも同じように接客ができるハンバーガーショップはそのよい例です。
同じように、自分にもシステムを作ってあげたらいい。「急いでいる自分」でも「寝ぼけている自分」でも「イライラしている自分」でも、とどこおりなく業務を統けるしくみがあれば絶対にラクです。たとえば、そのつど、頭を使って「これをどこに置いておこう?」と判断しなくても、自動的に反射的に、「FAXがきたら、この箱へ入れる」というシステムにしておけばいい。
「あ、しまった!」と失敗をするたび、とりあえず「応急処置」で火の粉をふりはらったあと、「ええっと、どんなしくみを作っておけば、同じように焦らなくてすむかな?」と考えてみる。不要な混乱や問題、つまりストレス状況が減っていきますから、どんどんラクになります。
~~~~~~~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~~~~~~~~
これは個人向けの話ですが、個人としても組織としても、「あらゆる失敗に通じる「原因」と、一流の組織が備える「学習システム」を知りたいと思いませんか?
これが、今月の読書会のテーマ、『失敗の科学』です。
課題書は、マシュー・サイド著『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』です。
https://www.ishes.org/news/2024/inws_id003513.html
「成長のためには失敗は欠かせない」と主張する本書は、航空業界や医療業界、司法などの業界による失敗が起きた後の対応方法の違いや、組織として失敗が起きた後の仕組みづくり、個々人のマインドセットまで、実際の事例をもとにいくつもの取り組み方を紹介しています。
「成長する人の脳内で起こっていること」――知りたいと思いませんか? 成長が速い人、遅い人の違いは何か。成長できる企業とできない企業の違いはどこにあるのか。個人にとっても組織にとっても、素敵な刺激や気づきのきっかけがいっぱいあります。
誰にでも失敗することはありますよね。「仕方なかった」失敗もあるでしょう。でも、失敗との向き合い方は自分で選ぶことができます。個人として、組織として、失敗で終わらせずにそこから学んで、次につなげていくためにはどのようにしたらいいのか、ぜひ一緒に対話をしながら考えてみませんか。
ご参加をお待ちしております。
(すべて読む時間がなくてもキーポイントはレクチャーしますので、大丈夫です!)