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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2025年04月03日

ブルーカーボンの取り組みの5つのポイント

大切なこと
温暖化
 

海藻・海草の藻場を再生することで、海の豊かさを取り戻すとともに、CO2吸収量を増やし、気候変動対策にもなる「ブルーカーボン」。日本でも世界でも大きな注目を集めています。

日本のブルーカーボンの取り組みをつないで加速したいと、NPO法人ブルーカーボン・ネットワークを立ち上げて活動しています。
https://bluecarbon.jp/

自分の活動の本拠地である熱海でも、4年前から試行錯誤しながら取り組みを進めています。自分たちの経験から、そしてブルーカーボン・ネットワークを通じて見ている各地の取り組みから、ブルーカーボンの取り組みをスタートし、進展させていくために、5つの大きなポイントがあると思っています。

1つめは、藻場の再生技術です。減少・消滅した海草や海藻をどうやって復活・回復させればよいのか? 場所や藻場の種類によってやり方は異なりますが、まだ「これが成功の方程式!」というものはなく、各地で試行錯誤が続いています。

私たちの熱海の取り組みでも、いったんはかなりの面積にわたって海藻が復活したものの、食害でほぼ全滅してしまい、また振り出しに戻ってしまいました(涙)。次のチャレンジを始めるところです。

2つめは、調査・計測技術です。取り組み前、そして取り組みをしながら、海の中の藻場の現状や変化を調査・計測する必要があります。潜水士による調査は、精度は高いですが、時間とお金がかかります。熱海では水中カメラや水中ドローンを使った簡便で廉価な計測方法を開発中ですが、調査・計測は各地の悩みのタネの1つです。

3つめは許認可です。ブルーカーボンの取り組みは、海の中での活動なので、漁業者はもちろん、地元の自治体や都道府県の土木事務所、海上保安庁のほか、多くの関連する人々の同意や許可が必要になり、膨大な書類を揃える必要があります。そして、多くの場合「海の使用料」も払うことになります。許認可関連、もう少しやりやすくしてもらえないかなあ、と思います。

4つめはどうやって地元の様々なステークホルダーに関わってもらえるか、です。行政だけ、漁業者だけ、NGOなど民間団体だけでは、なかなか活動が広がらず、持続することが難しくなります。

熱海では「ブルーカーボンプロジェクト推進協議会」を立ち上げ、2年間の実績を積んだのちに、熱海市長に推進協議会の会長になっていただくことができました。市役所をはじめ、地元の漁業者や魚市場などと連携しながらにも活動しています。

また、熱海は山と海がつながっていることが一目でわかる地形でもあり、「山が元気になれば海も元気になる。海が元気になれば山も元気になる」と、自伐型林業のグループや、増えすぎたシカやイノシシを捕るハンター、ブルーカーボンは観光資源の1つになる!とホテルや旅館の方々など、幅広いステークホルダーに関わってもらえるプラットフォームを意識しながら活動しています。

この点は、熱海は好事例の1つだと評価いただいているようです。これももともと、地元の方々とのネットワークや信頼関係があるからこそ。ゼロから始める場合は、もう少しやり方を考える必要がアルでしょうし、時間もかかるかもしれません。

5つめはお金です。何かをやるには必ずお金が必要になってきます。ブルーカーボンの取り組みもそうです。

スタート時には補助金などもあるかもしれませんが、それに頼り続けることはできません。どうやってその活動を経済的にも持続可能にしていくかを考えないといけないのです。

国の温暖化対策として、省エネや再生可能エネルギーなど、CO2排出量削減のためには多くの補助金や助成金のしくみがあります。吸収源対策では林業への支援もいろいろあります。

ところが!ブルーカーボンへの支援は今のところ、ほとんどないのです。

環境省や経産省のほか、港湾関連は国交省、漁業関連は水産庁と、省庁横断的な取り組みが求められるブルーカーボンへの関心と評価が高まり、熱海も含めて多くの場合、持ち出しで頑張っている各地の取り組みが持続可能になって広がっていくことを切に願っています。

環境省はブルーカーボンの特別サイトを開設しています。
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/blue-carbon-jp/top.html

ここのニュースにも載っていますが、環境省がブルーカーボン重点調査地域として日本の3地域を選定し、熱海もその1つに選ばれました
https://www.env.go.jp/press/press_03968.html

「ブルーカーボンの取り組みの5つのポイント」は、この3重点地域の意見交換会が熱海で開催されたときに、私が述べた内容です。この5つのポイントに照らし合わせて、各地域の取り組みでの課題や、環境省、経産省、国交省の考え方をおうかがいし、意見交換しました。

日本のブルーカーボンの取り組みや私たちの進めているサステナビリティの取り組みを内外の方々にもぜひお伝えしたいと思っています。その1つの機会が万博です!

未来創造部は、2025大阪・関西万博「BLUE OCAEN DOME(ZERI JAPAN)」のパビリオン催事に参加しています。
BLUE OCEAN DOME ブルーオーシャン・ドーム
https://zeri.jp/expo2025/

BLUE OCEAN STUDIO ドームC「叡智」 
タイムテーブル(5/5-5/11)
https://zeri.jp/expo2025/blue-ocean-studio/timetable/?week=2025-05-05
※5月11日のところをご覧ください

YouTubeで配信される予定です。

【EXPO 2025】BLUE OCEAN DOMEのYouTube公式チャンネル BLUE OCEAN DOMEが発信する動画コンテンツのほか、ドームCで開催する「海の保全の繁栄」を目指す人々のプレゼンテーションやワークショップイベント動画などを配信いたします。 https://www.youtube.com/channel/UC6nU26JLwiAGddGddstaQEQ

また近くなりましたらご案内したいと思います。どうぞお楽しみに!

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