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エダヒロ・ライブラリー環境メールニュース

2025年04月14日

存続し続けることが拡大することに優先するような「小商い」から考える

大切なこと
 

今週水曜、4月16日に開催する幸せ研のオンライン読書会では、
『小商いのすすめ 「経済成長」から「縮小均衡」の時代へ』取り上げます。
https://www.ishes.org/news/2025/inws_id003628.html

本書は「小商いのすすめ」というタイトルですが、マイクロビジネスの指南書ではありません。

大きな文明史的な視点で、戦後の日本で起きてきたことを読み解き、人口が減少し、これまでのような経済成長が見込めない時代に、私たちはどう考えていったらよいか、を考えさせてくれるきっかけが山のように埋まっている本です。

山のようなきっかけから、いくつか選んで読書会でエッセンスを紹介し、みんなで考えていきたいと思います。少し抜き書きしましょう。

~~~~~~~ここから引用~~~~~~~

小商いとは、存続し続けることが、拡大することに優先するような商いのこと

小商いとはビジネスの規模のことではなく、その事業のやり方、社員ひとりひとりが作り出すチームワーク、会社が向いている方向、経営者の信念が小商い的なヒューマン・スケールを軸に組み立てられているということなどのたとえである。

製品のひとつひとつを大切に誠意を込めて作り出す生産ライン、それらを顧客に届けて、信頼と満足をフィードバックさせるシステム。

拡大よりは継続を、短期的な利益よりは現場のひとりひとりが労働の意味や喜びを噛み締めることのできる職場をつくること。それが生きる誇りに繋がること。ちいさな革命が労働の現場で日々起きているような会社。

~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~

ほかにも、昭和30~40年代ぐらいの町工場や中小企業の社長はなぜ「おやじ」と呼ばれていたのか?

人口減少の原因として、「将来に対する不安」が挙げられ、その不安を軽減するために育児給付金などの経済的な手当が行われているが、この「将来に対する不安」犯人説は思い込みであり、冤罪である!と著者がいうもっともな理由とは?

そして、「わたしたちが原因として取り出した「将来に対する不安」こそが、わたしたちが意思し、望んできたことの結果である」というのは、どういうことなのか?

ほんと、面白いですよ~! ぜひ一緒に考えてみませんか。
https://www.ishes.org/news/2025/inws_id003628.html

(もっと早く言ってくれよ!という方、資料と音声ファイルを事後配信しますので!)

ちょっと関連しそうな幸せ研ニュースを1本、紹介します~。

~~~~~~~ここから引用~~~~~~~~

米国調査:消費者は地元商店をもっと応援したい!

米国で、「地元商店街に繁栄してほしい」「地元の店が商売を続けられるよう、自分もできることをしたい」と考えている消費者が多いことが、2024年5月に発表された調査でわかりました。

欧米の独立系小売業者を対象としたオンライン卸売市場「フェア」が実施した調査によると、「地元で買物する第一の理由は地元経済を応援するため」(回答者の75%)、「月に数回は地元商店を訪れる」(66%)など、消費者が地元経済の成長に深く関与していることが明らかになりました。

また、約75%が「コロナ禍で地元商店のありがたさを前よりも感じる」、63%が「地元商店の存続のために月平均150ドル以上追加で出費してもよい」、80%が「30分かけても地元の店に行きたい」と回答しました。このような結果の背景として、全米で消費者の優先事項や価値観が全体的に変化していることが挙げられています。「小規模事業者の支援策は大統領選挙で優先事項」と回答した割合も85%でした。

特に若い世代が、「地元とのつながりを感じる」「ユニークな商品が揃っている」等の理由から地元の独立系小売店での買物を好み、96%以上が「地元ビジネスの支援につながる行動を起こしたい」と地元経済の応援に熱い思いを持っていることもわかりました。

この調査は、同年3月に18才以上の米国人約1,000人を対象にメールやオンラインで実施され、調査結果には、国の人口構成を反映するために重み付けされたデータが使われました。

(たんげ ようこ)

この記事について詳しくはこちら(英語)
https://news.faire.com/2024/05/15/americans-willing-to-spend-an-extra-2k-to-strengthen-their-main-street/

~~~~~~~引用ここまで~~~~~~~~

地元のお店のすべてではないでしょうけど、「小商い率」は高そうですよね。そういうお店を消費者、とくに若い世代が選び、応援するというのはいいなあ!と思います。

そして、来月の読書会もぜひ! 

5月14日開催
『それでも、対話をはじめよう――対立する人たちと共に問題に取り組み、 未来をつくりだす方法』

テーマは「対話」です。ここ数年の自分のテーマでもあります。ぜひ一緒に学び、考え、実践につなげていきましょう!
https://www.ishes.org/news/2025/inws_id003634.html

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