エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2006年07月16日

reduce, reuse, recycle

 

 平成16年6月のG8サミットで小泉首相が提唱した3Rの国際会議(3Rイニシアティブ閣僚会合)が昨年4月に東京で開催されました。現在の日本では小学生でも知っているぐらい、「3R」というコトバは知られるようになってきました。

 しかし、その中身はどれだけ理解されているのでしょうか? 3Rの定義の多くは、Reduce(リデュース:減らす、発生抑制)、Reuse(リユース:再使用)、Recycle(リサイクル:再生利用)ですが、特に日本では、2つめと3つめのRをごっちゃにしているケースがあります。(定義が重要なわけではありませんが)

 たとえば、「リサイクルショップ」(日本にしかありません!)。中古の衣料や家電、家具などを販売していて、リサイクルをしているわけではありません。いってみれば「リユース促進ショップ」でしょうか?
「このペットボトル、リサイクルしてきて」と子供に回収箱へ入れるよう頼んでいるお母さん。このように「回収」の意味で「リサイクル」が使われることもありますね。

 私は子供たちに「使った割り箸を洗ってまた使うように、そのままの形でもう一度使うのがリユース。使った割り箸を紙の原料にするように、形を変えて原料として使うのがリサイクルだよ」と説明したりします。
 3Rは、Reduce、Reuse、Recycleという「3つのR」の意味ですが、Reuse、Recycleの「Re」は「再び」という意味の接頭語です。語頭にReがつく単語はほかにもたくさんありますから、3Rだけではなく、4Rでも5Rでも作ることができます。
 
 たとえば、「減らす」まえに「断る」(Refuse:リフューズ)。使用段階で製品の寿命を延ばす「修理」(Repair:リペア)などは、日本でもよく言われますね。

 通い箱などで包装材を戻す(Return:リターン)のほか、長く使うために衣服を仕立て直したり建物を改築する(Reform:リフォーム)も使うことがあるようです。(もっとも、このリフォームは和製英語です。英語では仕立て直しはRemake、改築はRemodelや Rebuildですね)
 
 海外ではどうでしょう? 海外でも3Rといえば、だいたいReduce、Reuse、Recycleを指すことが多いようですが、ほかにもいろいろな「Re」単語が並んでいて、興味深いですよ。
 
 トロント大学では、「ゴミ箱へ入れる前にRethink(考え直す)」が4番目のRです。かと思うと、Rot(腐らせる)を入れて、コンポストを呼びかけるところもあります。興味深いのは、Recoverを「再生商品の購入」の呼びかけとして使っているところもあります。
 
 中国工学学会で呼びかけている4つめのRはRemanufacture(再製造)。日本でも使われるようになってきましたが、欧米ではRefurbish(リファービッシュ)もよく使われます。これは単なる修理ではなく、修理調整し、磨き直し、メーカー保証をつけるなどして、付加価値を高めたうえで再販売することです。
 
 そうそう、Rのひとつとして、Respect(大事にする)を挙げている海外の団体もありました。どのReにしても、このスピリットがなくては「仏つくって魂入れず」ですよね。

 

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