これまでは、英語の単語や表現からのさまざまな気づきや解説を紹介してきましたが、今回は趣向を変えて、「日本語でよく言うこの言葉って、英語で何と言うの?」を取り上げてみましょう。そう、みなさんもよく口にしている言葉の「省エネ」です。省エネって、英語で何というのでしょう?
よく使う言葉である「省エネ」とは、「省エネルギー」のことであることは、みなさんもご存じのとおりです。省エネルギーを英語で言うと、save energy(エネルギーを節約しよう)になります。
saveという単語には、いろいろな意味があります。「ファイルをセーブする」というように、「保存」という意味もありますし、「貯金する」という意味もあります(普通預金や貯蓄預金口座のことをsaving accountといいます)。
それから、「倹約する」「節約する」「出費を減じる」という意味もあって、これが省エネルギー、つまりエネルギーを節約するというときに使われる意味になります。
米国のスーパーなどでは、例えば「Buy now and save 50%!」 というようなお決まりの値引き広告をよく見かけます。「今買えば5割引き!」というわけですね。
さらにsaveには、「救う、助ける」という意味もあります。life saverというと、「命の恩人」です。
環境の英語スローガンで、「Save Energy, Save the Earth.」などというものを見たことがあるかもしれません。ここでは、saveを「節約する」「救う」の両方の意味を1つずつ持たせて、掛け言葉のように使っているのですね! 「省エネで、地球を救おう」というわけです(このような英語の掛け言葉を、掛け言葉の日本語に翻訳するのは……頭を抱えてしまう難問です)。
「省エネ製品」というように、「省エネ」が形容詞になっているときは、energy savingと言えばバッチリです。省エネ型エアコンは、energy saving air conditionerとなります。省エネ効果はenergy saving effect、省エネプロジェクトはenergy saving projectですね。
ところで「省エネ」と一口で言っても、あるモノやサービスの単位量当たりのエネルギーをいかに小さくするかという、供給側のいわゆる原単位削減の取り組みと、ではその省エネ機器をどのようにどれぐらい使うのかという、需要側の省エネの取り組みの両方があります。
前者は言ってみればefficiency(効率)の取り組みであり、後者はsufficiency(足を知る)の取り組みといえるでしょう。
いかに省エネ性能の高い家電機器を買っても、不要な時間までつけっ放しにしていたり、過度な温度設定やエネルギーを無駄にする使い方をしていたのでは、CO2の総量削減につなげることはできません。
供給側と需要側の両方からsave energyを進めたいですね。