エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2010年02月03日

一石二鳥で進もう! メタ・トレーニングのススメ

 

12月末と1月上旬に、「翻訳道場」を開催しました。年の瀬・新年という忙しい時期にもかかわらず、翻訳力アップに本気に取り組む参加者が、お互いに学び合いながら、自己研鑽を積みました。

翻訳の仕事もトレーニングも、自分ひとりの世界に浸れる楽しさもありますが、ときには、やはり他流試合に出かけていって、よりよいトレーニング法をゲットしたり、刺激を得たり、カツを入れてもらったり、という機会は大事ですね。

今回は特に「メタ・トレーニング」を強調して、お伝えしました。トレーニングによって、自分の翻訳を改善していくことももちろん大事なのですが、同時に、自分の翻訳トレーニング法も改善していくことができれば、グングン! と進んでいくことができます。翻訳の中身と同時に、翻訳トレーニングのやり方も改善していくことを私は「メタ・トレーニング」と呼んでいます。

その第一歩は「いまからやるトレーニングは何のためか?」をしっかり意識することです。ただ漫然とやっているとしたら、いくら時間をかけてもどれだけ量をこなしても、ブレークスルーにつながる進歩は得にくいでしょう。どんなに短い時間でもよいので、ひとつずつ「どの翻訳の筋肉?を鍛えるのか」を意識すること。ぜひ試してみて下さいね。

今回の道場参加者の感想をいくつか共有したいと思います。こうやって手応えを感じつつ、つねに自分の翻訳も鍛え方も進歩させながら、進んでいきましょう!

○今何を鍛えようとして(何を改善しようとして)これをしているかという目的意識をもって課題にとりくむことが大切だなと思いました。(けっこう漫然とやっていることが多いような気がしたので)また一つの方法にこだわらず(限らず)試して自分に合った方法で力のつくやり方は何かを考えてみようと思います。

○自分の翻訳を客観的にじっくりと見つめなおすことができて良かったと思います。「トレーニングをする時は、常にこれからなにを得ようとしているか決めてからのぞむこと」というアドバイスは、目からウロコでした。定期的に自分の目標や達成度を振返ることと同様、ただ課題をこなすのではなく、目的意識をもつことの重要さを実感しました。

○文章のどういうところに目がいってなかったのか自分のクセに気づくことができました。同じ目的を持った人たちとの集まりは、やはりとても刺激になります。

○具体的なトレーニング方法を複数学べたのが大きな収穫だった。前回同様、枝廣さんの最終的な訳語・訳文へのおとし方を考えるプロセスを学べて大変良かった。

○日々の雑事に流されるままの生活だったので、カツを入れていただけて良かったです。今年一年の目標ができました。

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