エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2012年11月16日

変化を創る“5つの大事なこと” (2012年10月31日掲載)

 

 日本のエネルギー政策、残念ながら迷走中、です。エネルギーに仕事として関わっていらっしゃるみなさんのフラストレーションも高まっているのではないでしょうか。

 こんなときほど「根本的に大事なことを確認する」ことが大事ですよね。

 そこで『成長の限界』や「世界が100人の村だったら」を書き、本当に大事なことをわかりやすく伝えることに心を砕いたドネラ・メドウズさんの「元来変革に抵抗するシステムを平和的に再構築していくために役立つ5つのこと」を贈ります。

 ①「ビジョンを描くこと」。
 自分たちが本当に望んでいるのは何かを思い描きます。思い描くのは、あくまでも「自分が本当に望むこと」。人から「そう考えなさい」と教えられたことでも、「それで仕方ない」と我慢してきたことではありません。「本当にできるのだろうか」という思いはいったん脇に置いて、大事な夢に思いをめぐらせてみてください。

 ②「ネットワークを作ること」。
 大事だと思うことについての関心を共有する人々と、連絡を取り合い、データや手法、アイディアや励ましを送る。お互いを大事にし、支えあえるネットワークを探して参加するか、見つからなければ自分で始めてみませんか。自分が学ぶうえで役立つだけではなく、あなたが学んだことをほかの人に伝えていくこともできるでしょう。

 ③「真実を語ること」。
 ウソは情報の流れを歪めてしまい、そうすると物事がきちんと機能しなくなります。「どうせ何をやったって」という悲観主義も、中身のない楽天主義も真実ではありません。現在の成功と失敗について、そして未来の可能性と障壁について真実を語ることによってのみ、進むことができます。

 ④「学ぶこと」。
 いくらビジョンを描いても、ネットワークをつくっても、真実を語っても、もしそれが行動に対して情報を提供しなかったら役に立ちません。持続可能な世界をつくり出すために「行う」べきことはたくさんあります。重要なことは、その行動から学ぶことです。「学ぶ」とは、ゆっくり進み、物事を試し、その行動がもたらす影響に関する情報を集めようとすること。その行動がうまくいっていないという、必ずしもうれしくない重要な情報も入っていることでしょう。だれもが、間違いをおかし、その間違いについて真実を語り、そして先に進んでいくことによって学んでいくのです。

 ⑤「愛すること」。
 現在の社会の大きな問題は、個人主義や近視眼的な視野だといえるでしょう。そういった問題を超え、愛や思いやりをもって力をあわせて解決していく以外に持続可能な未来を創る方法はありません。

 変化を創り出す難しさに直面するときには、自分自身に対してもほかの人に対しても忍耐強くいること。自分の中にも誰の中にもある、人間としての最高の才能を見出し、信じることです。

 

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