エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2017年04月24日

日本でも再エネが主力に (2017年4月24日掲載) 

 

 日本には今でも「再エネはあくまでも亜流」という見方が根強くありますが、実際に日本の電力のうち、どのくらいが再エネで発電されているか、ご存じですか。電力会社エリアごとの電力需給の実績データ(電源種別、1時間値) によると、2016年4月~9月の日本全体の電力需要に対する再エネ比率の平均値は15.7%でした。思っていたより高かった、という方も多いのではないでしょうか。

 月単位で見ると、5月に20%以上に達しています。さらに、1時間値での最大値では5月4日に46%に達しており、この1時間は日本の電力の半分近くが再エネでまかなわれていた状況です。この日は1日間の平均を見ても27.5%と、3割近くになっています。

 電力会社エリア別に見ると、もっとスゴイ状況がわかります。16年4月~9月の平均値を見ると、北陸電力が32%、北海道電力も32%近くが再エネ電力です。半年の平均で見ても、3分の1近くを再エネで発電しているのです。

 もっとも北陸電力は水力の割合が大きく、太陽光や風力などの変動する再生エネは3%程度に過ぎません。一方、四国電力や九州電力では変動する再生エネの割合が高く、平均で9%以上。常に電力の1割近くは変動する再エネで賄われているのです。

 5月4日のピーク時(1時間値)に四国電力の再エネ比率はなんと79%。九州電力でも最大77%、北海道電力で71%近く、東北電力も62%近い比率でした。それでも停電などは起きていません。「電力は瞬間瞬間に需要と供給を一致させないと周波数や電圧が乱れ、停電などの問題を起こす。常時変動している電力需要に変動する再エネの供給を合わせるのは難しいから、再エネはある程度以上には増やせない」と言われていました。しかし、気象予測に基づく電力需要予測と再エネ出力予測を精緻化して、不足分は天然ガス火力などを追従運転することで、変動する需要に供給を合わせる技術が進化したおかげで、これほど高い再エネ率が実現しました。

 日本の目標は「2030年に再エネ電力を22~24%に」というものですが、既にほぼ毎日それを超えている電力会社もあり、日本全体でも30年を待たずして目標を達成できることでしょう。

 そう、日本もようやく「ベースロード電源の上に再エネがちらちらしている」状態から「再エネが主力で、その変動にあわせて火力を炊く」状況になってきたのです!

 

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