エダヒロ・ライブラリー執筆・連載

2021年08月25日

熱海からの教訓 (2021年8月23日掲載)

 

7月3日、熱海・伊豆山で豪雨による土石流災害が発生しました。熱海市内に住む私にとって、あの国道は時々ジョギングで走るコースです。徒歩15分ほどの場所で起きた大災害に言葉を失いました。留守中におうちが流されてしまった知り合いもいます。ふだんは観光客が楽しそうに歩いている町を、全国の都道府県のプレートを付けた消防隊や自衛隊の災害支援車などが走り回っていました。

私は発災当日に仲間と相談し、まずは「必要な支援」と「支援を提供できる方」をつなごうと、フェイスブックの支援グループを立ち上げました。その翌日から、市役所の支援物資窓口に定期的に行っては必要なものが足りているかなど状況を確認し、情報を発信。寄付金の呼びかけなど、災害および支援に関する情報をアップしています。

7月末には自衛隊も撤収し、発災直後の救出・捜索、最低限のインフラ復旧といった緊急対応の段階から、中長期的な被災者の支援と地区の復興の段階に入りつつあります。自分としてもできる限り地区の暮らしや生業、つながりやにぎわいを取り戻すお手伝いをしていきたいと思っています。

今回の災害は全国のどこでも起こりうるものです。私なりの「熱海からの教訓」をまとめましたので、ぜひワガコトとして考えてみてください。

教訓1。温暖化の進行を止めよ。だが少なくとも数十年間は影響が深刻化することを認めよ。

教訓2。森林伐採など地表を変えることは、保水力や地下水脈などに見えない悪影響を長期的に与えることを理解し、目先の経済合理性だけで行なうな。

教訓3。最悪の状況につねに備えよ。
 ①自分の身を守れる自分であれ = 防災用品の準備・携帯、自分なりの防災訓練など
 ②自分たちの暮らしを守れる態勢を整えよ = 食料備蓄、エネルギー自給など
 ③地域を守り、地域に守られる自分であれ = 顔のわかるつながり、地産地消型エネルギーなど。
 ④行政と連携できる態勢をつくれ = 平時から頼れる人間関係と地域防災協定などをつくっておく。

最後に。「こんなときに遊びにいったら申し訳ない」と言われるのですが、状況が許すようになったら、どうぞ熱海を応援訪問して下さい! 気にかけてくれている人がいることが被災された方々の心の支えになります。そして、観光地・熱海の地元経済がしっかりまわることで、中長期的な支援も可能になりますので!

 

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