2022年は、脱炭素への動きがますます加速することでしょう。温暖化の被害が顕在化し、投資家が動き、大企業だけでなく、そのスコープ3に含まれる幅広い業種の中小企業まで、脱炭素に向けての取り組みを進めないことには、ビジネスから「退場!」を宣告される時代になってきたのです。
とくに主力商品が化石燃料であるガス事業者にとっては、単に「自社の排出するCO2を削減します」だけでなく(これはこれで必要であり、重要ですが!)、今後の事業を何を軸に展開していくかを真剣に考えなくてはならない年になるでしょう。
ガスは「社会の脱炭素化」への移行エネルギーとして当面重要ですが、石炭や石油よりマシとは言え、CO2を出しますから、これまでのように「ガスだけ売っていれば良い」時代は過去のものとなっていきます。
そう考えると、まずは(まだだとしたら)社内に「カーボンニュートラル」に専門に取り組む部門または担当者を置くこと。カーボンニュートラルに対する自社の考え方や目標を打ち出すこと。業態の拡大も含め、新規事業を生み出すためのしくみを設けること。とくに自社に閉じこもることなく、地域や社会に出て、社会課題を発見し、解決策を構想する力が求められます。このような能力はこれまで重視していなかったかも知れません。その場合は、人材育成や教育の制度・内容も考え直す必要があります。
進化論を唱えた生物学者のダーウィンが、次のように言っています。
「生き残る種というのは、最も強いものでもなければ、最も知的なものでもない。最も変化に適応できる種が生き残るのだ」――皆さまが脱炭素時代への適応力を高めていく1年となりますように。