持続可能で幸せな未来を創り出そうと行動している29歳以下のユースのみなさんの学びとネットワーキングの場、「未来創造ユースチーム」を2022年4月から運営しています。半年を1期として、月1回のゼミで「バックキャスティング」「システム思考」「変化の理論」「コミュニケーション」「合意形成」などの社会変革スキルを学び、自分たちの活動に活かしていきます。
チームメンバーの成長が感じられる事例を1つご紹介します。有志メンバーが自主的にサブゼミを立ち上げました。視覚障がいを持つメンバーの「鉄道会社によって障がいのある人に対する対応は異なる。より障がい者に寄り添った対応に変えていってほしい」との切実な思いをきっかけに生まれたものです。活発な議論が行われ「鉄道会社の障がいを持つ方への対応に関するアンケート調査」を実施することになりました。
調査を⾏う際に重視したことは、企業による対応の違いはどうして生まれているのかを「構造から理解する」ことです。そのために、現場での実際の対応だけではなく、障がいのある人への対応に関するマニュアルや研修の整備状況、⼈権尊重の方針など、現場の対応を⽀える「⼟台」部分を調査内容に含めました。視覚障がいを持つメンバーの「駅員だけではなく、乗客にも援助をお願いしやすい体制にしてほしい」「異なる鉄道会社に乗り換える際に不便を感じる」といった声も調査票に反映しています。
調査は5月に実施し、36社中8社から回答がありました。有効回答が少ないため、全体傾向を論じることはできませんが、課題発見につながる意義ある結果を得ています。「人権方針を明文化している鉄道会社では、人権を主要なテーマとする社員研修を行う傾向がある」「障害のある人への対応についてのマニュアルやガイドラインはあっても、乗客への援助の頼み方は記載されていない」「乗客への援助の頼み方を研修に含めている鉄道会社は、人権方針を明文化している」などの傾向が見えてきました。この結果を受け、「人権方針の明文化」「乗客による援助の推奨」という2つの提案をしています。
未来創造ユースチームの活動は、10月から第6期に入りました。ぜひお知り合いのユースにご案内ください!