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第31回 『生物多様性から自然資本へ ~差し迫るビジネスリスクと広がる機会〜』 (2014年9月3日(水)開催)

2014月08月05日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2014年9月3日
対象

イーズ未来共創フォーラム企業・団体パートナーさま、サステナブル・フード・ビジネス研究会(第5期)のみなさま、オブザーバーでのご参加希望のみなさま

ゲスト

株式会社レスポンスアビリティ代表取締役、企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)事務局長 足立 直樹 氏

ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

19社(団体)24名

開催レポート

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自然資本・生物多様性の分野で、屈指の専門家であるレスポンスアビリティの足立直樹さんをゲスト講師としてお招きし、世界の先進企業の生物多様性への取り組みや、自然資本会計という考え方とその実際などについてお話いただきました。

自然資本会計の応用例として、大手の飲料メーカーやスポーツアパレル企業などの実例を挙げて、自然資本会計には、サプライチェーンも含めた分析が必要であることや、具体的な環境リスクと新規ビジネスチャンスについても分かりやすく説いていただきました。

質疑応答でも、豊富なご経験と実績に裏打ちされた高い専門性から、的確かつ丁寧なお答えをいただき、たくさんの学びにつながりました。足立さんのお話をうかがったあと、統合報告やG4への対応、企業が取り組むべきことをともに考えました。

<講演>

自然資本 ~ビジネスにとってのリスクと機会を、どう管理すべきか~

株式会社レスポンスアビリティ 足立 直樹 氏

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自然資本とは

「資本」とは何か。まずお金が思いつくが、それだけだろうか。経済学的に言うと、資本とは将来にわたって価値のある商品やサービスのフローを生み出すストックのことである。なのでそれは「金融資本」に限らず、それ以外にも「物的資本」「人的資本」「知的資本」「社会資本」「自然資本」などがある。このなかで、「人的資本」「知的資本」「社会資本」「自然資本」についてはこれまでその価値についてほとんど換算されてこなかった。が、世界は今、換算する流れができつつある。

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自然資本のリスクのメガトレンドを加速する要因

今後40年間に生産しなければならない食料の量は、人類が過去8000年のあいだに生産したのと同じ量になる。2030年までに中間層の消費者は30億人になり、世界の水資源は40%不足する。また、2000年以降、原材料価格は実質2倍以上になり、価格の不安定さは3倍になっていて、ますます、調達部門の頭を悩ます種になるだろう。この予想をみるだけでも、これまでどおりの経営は成り立たないことがわかる。

自然資本を測る

測れないものは管理できないので、まず、自然資本を測ることが重要である。
これまで、測定しなかったので管理できずにいたが、最近は定量化する手法も開発されてきたので、これで測定し、管理することができるようになった。国は自然資本(ストック)を測定し、企業は影響(フロー)を測定することに力を入れている。測ることで、企業にとってさまざまなリスクが浮き彫りになるため、それを分析・管理すれば、リスクをチャンスに変えることもできるだろう。

広がる自然資本評価のうごき

自然資本を測定し、評価する動きが国家、企業、NGO、投資家、マルチステークホルダー・グループ内で広まっている。

  • うごき1)TEEB for Business Coalition:
    目的は企業活動の最大の負荷がどこにあるのかを見つけ、新しい枠組みをつくる。企業行動を変えること。(現在はNatural Capital Coalitionに改名)

  • うごき2)Natural Capital at Risk:
    世界のビジネスが毎年自然資本をどれくらい消費しているかを経済価値に換算して示した報告書。ビジネスの外部不経済とトップ100をランキングしてまとめたもの。実際のデータ分析と執筆は、Trucost。レスポンスアビリティが日本語サマリーを配布中。(http://www.responseability.jp/pj/ncr)

自然資本会計とその応用

「Natural Capital Coalition (自然資本連合)」は、サプライチェーン全体にわたって環境負荷を見て、ホットスポットから改善することでビジネスを持続可能にすることを目的として、発 足された(「TEEB for Business Coalition」が2014年1月に改名)。
Natural Capital Protocolは、自然資本の評価・管理の世界的な統一フレームワーク(会計方法の手順など)を作ることを目的して今年6月にスタートしたプロジェクト だが、参加団体(企業・専門機関・NGO)をみると、そうそうたるメンバー構成になっており、おそらくこのフレームワークが、今後のデファクトスタンダー ドになることが予想できる。
自然資本会計では、CO2の排出量や水の使用量などの異なる環境要素についても、同一単位(金銭)にまで落とし込んで評価する。このことで相互比較が可能になる。サプライチェーンを遡って測ることが重要である。

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○「サステナブルCSRレター」 講読お申し込み:
初心者にもベテランにも役立つ「本物のCSR」についての情報を無料でお届け
http://www.responseability.jp/mailmagazine
○サスナビ(足立さまによる解説ショートムービー):
サスナビ!とはサステナビリティ・ナビゲーター、つまり、あなたの会社と社会を持続可能にするための道案内です。持続可能性にまつわる様々な役立つコンパクトな情報を毎日お届けします。
https://www.youtube.com/user/susnavi
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グループディスカッション>

足立氏の話を受けて
1.学び:どんな学びがあったか
2.問い:さらに知りたいことは

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<質疑応答>

Q:企業への投資が実際、極端に減った例はあるのか?

Q:将来的にどれくらいの影響が出るのか?

Q:アジアや途上国の状況はどうか?

Q:誰がどのように検証しているのか? 自然資本会計の測り方は? 自社内では相対的な割合をみることはできるが、国のデータが粗粗で統一されていなければ、他社と比較することなんてできないのではないか? そのあたりはどのように捉えればよいのか?

Q:NGOの力がそれほど強くない日本で、具体的に金融機関に認知してもらう方法はあるのか? ダイレクトなアプローチ法は? 

Q:自然資本を内部化するとしても、勇気がいる。私の部署だけでやろうとしてコストがかかってしまうと社内への影響も出る。社内への説得をどういうふうに始めたらいいか? 欧米で進んでいる会社ではどうしているのか? 

Q:環境負荷を金銭に換算する方法は? 何をもって換算しているのか。修復コストか?

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 <共創フォーラムメンバーコラボレーション事例紹介>

『里山と都市企業をつなぐ活動』のご紹介

信州伊那里自給楽園 小林 正明さま

今回、パートナーである、信州伊那里自給楽園(※)とHSBCグループのコラボレーション事例をご紹介します。
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NPO伊那里イーラは、長野県の南、伊那里地域(宮田村・駒ヶ根市・飯島町・中川村)で活動する、まちづくりNPO。人口減少や産業衰退の悩みを抱える農村地域です。伊那里イーラでは人口を増やすことを目的に、2009年から、さまざまな活動をおこなってきました。そのひとつが農村と都市企業との共生です。今回、里山保全プロジェクトの候補先を検討していたHSBCグループとお互いのニーズがマッチし、8月にHSBCグループ社員・家族参加の体験プログラムを実施することになりました。

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HSBCグループでは、今回の目的を里山保全活動の支援と副産物として社員エンゲージメントの向上を掲げていました。伊那里イーラの200以上の豊富な交流体験プログラムの実績と、万全な受け入れ体制による高い信頼性のおかげで、期待以上の経験・効果があったとのこと。今後も定期的に協働すべく、すでに次の話が進んでいます。伊那里イーラとしてもこれをきっかけにいろいろな都市企業とのつながりを増やしていきたい、と思っています。

<メディア報道内容>

  • 信濃毎日新聞:都市企業と農村の交流プログラム 社員と家族が中川で農業体験(8月4日(月))


信州伊那里自給楽園(※)
事業の実施主体が「NPO伊那里イーラ」で、事業名が「信州伊那里自給楽園」。フォーラムへの登録名は「信州伊那里自給楽園」。

 <大和ハウス工業さま(会場ご提供)より、企業活動のご紹介>

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 <新規パートナーさま:安藤志保さま(三原市議会)、株式会社ゴールドウインさま>

安藤志保さま(三原市議会)、株式会社ゴールドウインさまが2014年8月から新しくお仲間になってくださいました。当日は、安藤さま、ゴールドウィンの梶野さまからひとこといただきました。みなさま、どうぞよろしくおねがいします!

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懇親会のようす

参加された方の声から

<本日参加しての感想>

自然資本について、事業との関わりに疑問があったが、リスクの捕え方、見方を理解した。

企業の取り組みの具体例の詳細などの紹介があればよかった。

自然資本について関心があり参加したが、一歩踏み込み「自然資本会計」についての話が聞けたのでよかったです。

わかりやすいお話でよかった。レスポンスアビリティのメルマガ、日本語概要版とらせていただいていますが、こういう道を選ばれたお話に感銘を受けました。現在も、自然を楽しむ時間はお持ちでしょうか?

自分では考えたことがなかったので、すべての話がたいへん興味深かった。

自然資本がなぜ重要か、明確なストーリーとして認識できた。また、質疑では、社内展開の方針も指し示していただき、ありがたかった。

競合他社がすでに自然資本会計制度導入を具体化しているという情報は有益であったと同時に、急激に現実味を帯びてきた。

特に足立先生の質問コーナーのお話がためになった。自然資本について、これから調べ、学んでいきたい。

足立先生の説明はわかりやすく、理解でき、期待どおりでした。企業の具体的な事例をもう少し踏み込んで説明いただけるともっとよかったです。
実例がたくさんあり、ストーリーがわかりやすかったです。

いつもありがとうございます。新たな視点を勉強できました。

知らなかったことを知ることができ、様々の企業のシチュエーションを利害関係なしで聞くことができた。グループ以外の方とも話したかった。
いくつかの新たな気づきがありましたが、自分には少し難しかったかな……と思います。

水、土地、エネルギーなどを漠然としたイメージでしか捉えていなかったのですが、自然資本という捉え方で正確に把握が可能になると思った。

個人的には自然資本会計よりも自然資本の考え方について学びたかった。

グループで感想を交換しながら、お話を伺う方法は話題に入りやすくてよいと思います。

足立先生の講演は、具体例がわかりやすく、自然資本への理解が深まりました。

中小企業にはまだすぐに活用できる内容ではないかな……

<全体感想今後さらに学びたいことなど>

本日、本質的な内容を学べたので、自分の理解度をさらに深め、他者に説明するときのベースの資料にしたい。

まだどのように活かしたらよいか正直わかりません。また戻って考えてみようと思います。社内の調達関係の人と話をしてみたいと思います。

企業Topに環境経営の重要性を認識してもらい導入することが必要と常々思い動いてきたがなかなか難しい。「自然資本会計」は有効な1つの切り口になるように思いました。

自然資本の重要度は認識できたが、そのアプローチ方法自体の概略もこの場で知れたらありがたいです。

将来的なSCM構築におけるリスクを評価するツールとして活用可能なように感じた。

自社のマテリアリティを特定する有効なツールとして活用したい。

いろいろケーススタディをしてみようと思います。

自然資本について社内の認知度をもっと上げていきたい。そしてCSRだけでなく、ビジネスにも活用していきたい。

自社の自然資本コストを確認したい。

学んだことを深く考え、自社ではどうか当てはめたい。

さらに学びつつ経営方針に生かしていきたいと思います。

自然資本という考え方はまだ日本では知られていないようなので、これをどのように活用してビジネスチャンスにつなげられるかを考えてみたい。

初めて聞くことが多く、まだ活用するレベルにない。

次回のイベント・フォーラムの予定

次回のフォーラムは、10月27日(月)@大阪にて開催いたします。テーマは『東京開催の1年間の学びを2時間でモノにする』。1年間のフォーラムのふりかえりと社内での活かし方を考えます。

東京での開催は11月12日(水)、テーマは「環境CSR報告書」を予定しています。詳細は近日中にご案内させていただきます。

 

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