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第35回 企業の環境・CSRを考える:学生との意見交換会(2015年7月15日(水))開催!

2015月06月04日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2015年7月15日(水)
対象

イーズ未来共創フォーラム/ジャパン・フォー・サステナビリティ 企業・団体パートナーさま、オブザーバーとしてご参加の企業・団体の皆さま

ゲスト
ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

11社

開催レポート

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(企業パートナーさまと枝廣ゼミの学生)


 

今回はいつものフォーラムとは趣向を変え、企業の環境・CSRについて、異業種勉強会のメンバーと未来の重要なステークホルダーである次世代・若者である大学生との対話の場を設けました

事前に学生は、担当企業の環境・CSRレポートを読んでおき、当日、企業からのプレゼン後に、レポートを読んだ内容やプレゼンについて、意見交換をしました。学生にとっては、レポートを読んだだけではわからない、活動の裏話や苦労話を聴くことで理解を深められたようです。また、参加企業の方の話を通して、その企業の風土や文化そして、働くことのイメージもでき、活発な意見交換の場になりました。

企業にとっては普段接点のない、大学生との直接コミュニケーション。活動内容への反応をダイレクトにもらえることで、今後のレポートや活動に活かせる場になったとのこと。また、自社だけでなく、他社のプレゼンを聴き、さらにディスカッションにも参加することで、環境・CSRについて、自社にはなかった新たな視点で考える機会にもなったようです。


 

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<オープニング>
東京都市大学3~4年生を対象としたアンケート「企業と環境問題イメージ調査」の結果の共有をしました。

ゼミ生のはじまりの挨拶
副ゼミ長から、ご参加いただく企業のみなさんへ、ようこその挨拶を述べました。

<企業の取り組み共有>

各社10分で、環境に関する取り組みやCSR活動、報告書について紹介していただきました。発表を聞く学生の姿勢も熱心で、目が輝いていました。 

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1.  昭和シェル石油株式会社さま
「私たちのエネルギーで未来を元気にします」という経営理念は、グループの社員の大事な言葉を集めたもので、トップダウンでなく、ボトムアップでつくられたとても珍しい経営理念である。エネルギー供給事業において地球環境や地域や株主に還元することがビジネスモデルになっている。

 2.日本板硝子環境アメニティ株式会社さま

 音の環境に重点を置いており、ホールやスタジオの遮音ガラス、グラスウールを扱っている。音を中心としたエンジニアリングをやっている会社である。ガラス張りの建物は熱的性能が悪いが、ガラス主体で窓を構成したいという要望にこたえるために、研究をしている。

 3.サントリーホールディングス株式会社さま
「やってみなはれ」という鳥井信治郎(創業者)の言葉どおり、恐れず挑戦することがモットーになっている。また、「利益三分主義」として、得た利益を(1)お客さまのために、(2)事業への再投資のために、(3)社会貢献のために使う、ということ。現在も創業者の精神を受け継ぎながら、CSR活動を推進している。

 4.株式会社タカラトミーさま

2009年の6月に開催された株式総会のあと理念を見直し、ハンディキャップを持った子供たちへのおもちゃの配慮(共遊玩具)や、おもちゃを通しての環境の取り組みという軸を築いた。開発部と協力して電池を使わず点灯したり音を出したり、リカちゃんハウスに太陽光を組み込んだりした。再生材で製作したりもしている。

 5.株式会社博報堂さま
新しいアイデアを考える会社である。人材は、「つぶぞろい」よりも「つぶちがい」。アイデアを考える源泉(社員)は、みんな違っているのがよい。企画を立てたり、実現したりして、課題の解決に取り組んでいる。そしてチーム力が大切。違った人が集まれば、ユニークなアイデアや企画が出てくるものである。

 

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 6.エイピーピー・ジャパン株式会社さま

 日本に普及しているコピー用紙の3割はAPPJの製品であり、コピー用紙のシェアは国内ナンバーワン。素材はすべて木なので、製品そのものと環境がダイレクトにリンクしており、もっとも環境に配慮すべき会社である。自然林を一切伐らず、自社で植林した木を使うという完全自給自足の事業となった。

 7.株式会社ゴールドウインさま

スポーツウェア、日本国内での販売に特化している。「スポーツファースト」を合言葉に、人生にスポーツがなければ生きていけない人を社員として採用している。スポーツウェアは、捨てることが一番の環境負荷になる。長く着てもらうことと、着終わったらリサイクルに出せることを考えて製造している。

 8.帝人フロンティア株式会社さま

合成繊維を扱っている専門商社。製造過程における環境負荷をどう抑えていくかを考えて事業をすすめている。ペットボトルや企業のユニフォームを分子レベルに戻し、ポリエステル繊維をつくっている。バイオ由来の素材を使い環境負荷を減らす活動をしている。環境負荷を指標化する運動もおこなっている。

 9.味の素株式会社さま
東北3県の仮設住宅で移動式料理教室の実践も行っている。自社グループのCSRは、「理念の実践」である。「地球的な視野に立ち、食と健康、いのちのために働き、明日のよりよい生活に貢献します」というのが共通思想であり、事業を通して解決できる課題として、①地球持続性②食資源③健康な生活を掲げている。

 10.損害保険ジャパン日本興亜株式会社さま

損害保険会社であり、自動車保険や火災保険を扱っている。目指すCSRは社会的課題の解決だが、最も注力しているのはグループの成長である。社会に貢献することで会社の成長につながることを目的としている。防災活動にも注力し、カーボンニュートラルの取り組みも進めている。

 11.旭化成ホームズ株式会社さま

「住まいを通じて安心で豊かな暮らしを実現します」をスローガンに、都市で長く住んでもらうための事業を展開している。コミュニティ性を重視した賃貸の集合住宅も展開する。ライフサイクルにあわせて住んでいただけるようにリフォームも盛ん。40年前には2世帯住宅のパイオニアとして世の中に提案した。

 <グループディスカション(1)>

目的:企業の取り組みをさらに良いものにするために、学生としてすべきこと、できることを話し合う。

1テーブル1社(全5テーブル)について話し合う。さきほどの発表を聞いて何を感じたか、質問したいこと、わかりにくかったこと、などをラフにディスカッションしました。

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1.味の素株式会社

2.株式会社ゴールドウイン

3.株式会社タカラトミー

4.帝人フロンティア株式会社

5.株式会社博報堂

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 <グループディスカション(2)>
グループ替えをしてディスカッション。

1テーブル1社(全5テーブル)についての話し合いを、さきほどの1回目と会社を入れ替えてさらに異なる5社について何を感じたか、質問したいこと、わかりにくかったこと、などをラフにディスカッションしました。

1.エイピーピー・ジャパン株式会社

2.サントリーホールディングス株式会社

3.昭和シェル石油株式会社

4.損保ジャパン日本興亜株式会社

5.日本板硝子環境アメニティ株式会社

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<ゼミ生1分間スピーチ「今日の午後を振り返って」(抜粋)>

1分間のスピーチを作るために7分で作戦を練り、学生がひとりずつ前に出て順にスピーチをしました。

 ・名刺の渡し方が勉強になりました。

・親身になって質問に答えてくださったこと、CSRレポートに載っていないことも聞けたことを研究の糧にします。

・企業活動においてのメリットデメリットを見比べるという視点をもらいました。

・環境社会面で優れているところをどうやって伝えていくかを考える機会になりました。

・報告書は疑う心をもって読むこと、問題の本質を見抜くことの大切さを教わりました。

・見る人の立場に立って発信することが大事、と教わったので、大学のホームページづくりに役立てたいです。

・タイムマネジメントについて現場の臨場感をもって学びました。

・自分の中で譲れないキーワード、信念を持つ大切さを学びました。

 

ゼミ生のおわりの挨拶>

ゼミ長からご参加くださった企業のみなさんへお礼の挨拶を述べました。

<さいごに・・・

来年以降も、企業との合同ゼミをこの時期に開催することが決定しました!参加された企業さまも参加が叶わなかった企業さまも、ぜひ来年お越しくださいませ。お目にかかるのを学生ともども楽しみにしています。


★ゼミ生レポート(外部リンク)★

ゼミ生からもレポートがアップされていますので、ぜひこちらもご覧ください~!

第10回ゼミレポート(準備編)

第11回ゼミレポート(当日編)

 

★エダヒロの共創日記(リンク)★

異業種勉強会×エダヒロ研ゼミ@東京都市大学(2015年7月23日更新)


<懇親会のようす

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参加された方の声から

☆本日のフォーラムに参加するにあたり、期待していたことは何でしょうか☆

普段接する機会のない学生さんの企業の取り組みに対する声を聞けること。

学生さん視点による新たな気づき。

学生という普段接する機会のないステークホルダーとのダイアログ。他企業の取り組みを具体的に知る。

レポートのフィードバックや会社に対しての意見などを直接聞けること。学生さんと本日交流したことも社内に発信して、社内の外向き思考を促したい。

学生からの当社CSRレポートに対する意見、反応。

CSR活動に関して勉強をしはじめたのが最近だったので、まだまだ知らない様々な企業のCSR活動(バリエーション)を学ぶこと。

各社におけるCSRの位置づけや社内での受け入れられ方、それに対する葛藤を知ること。そしてその先、どうしたらいいかを考えること。

学生がどのような質問をするのか。

今の学生の考え、期待、夢を聞くこと。

CSRレポートに関する意見(よいところ・悪いところ)を率直に聞かせていただけること。

企業、学生との交流。企画開発ではあるが、環境問題では初めて。

他社のCSR、若者の企業に対する期待。

日頃なかなか聞くことのできない学生視点の意見、CSRレポートのどこに注目しているのか、どの内容から企業らしさを感じるのか。

学生の視点でCSRの取り組みに対する課題が見いだせるかどうか。


☆また、実際参加されて、いかがでしたでしょうか。よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください☆

学生さん達の生の声が聞けてよかった(環境学部枝廣研のメンバーはとても好奇心旺盛で優秀と感じました)。

企業からの説明より、学生さんとの対話時間を長くとってもらったほうがよかったのでは……

よく勉強していると感じた。学生の視点を知ることができた。積極性がもっとあってもよいかな。

学生と直接お話しする機会はないので、本日はよかったです。企業のプレゼンも大変参考になりました。学生さんから遠慮せず、自分の考えや感想をいただけるように後半なってきたのがうれしかったです。苦言も歓迎!

非常によかったと思います。思いの外、学生が障がい者スポーツ支援や自転車通勤支援などに興味をもってくれたことは新しい気づきであった。

企業のプレゼンでは、各企業さんにおけるCSRの捉え方の違いがとても伝わってきて面白かったです。

グループワークでは、学生の質問の視点がするどくて、企業さんのCSR活動がどうしたらもっと消費者に伝わるのか、また商品の製造過程、廃棄過程にどんな環境への影響や、そこに対する企業の努力があるのか、というのを一生懸命学ぼう(考えよう)としているのが印象的でした。

よかった点は、企業の取り組みをダイレクトに聞けたこと。環境に関心のある学生と直接対話できたこと。発表の場をいただき、自社をPRできたこと。

学生との意見交換の時間がもっと長ければよかった。

学生の方それぞれでCSRレポート内容に関する意見の“視点”が違っており、画一的な意見ばかりでない点がよかったと思います。

事前に読み込み、質問をまとめている学生さんたち、とても熱心であったと思います。

小社のプレゼン用意が不十分であった。学生さんからのコメントで、日頃より思っていることをどう訴求していくか、改めて難しいと感じた。基本はB to Bであるが、よりB to Cに近い説明の仕方の工夫(現在検討中)。

よかった点は、他企業のグループセッションも聞けたこと。話しだすと、学生もどんどん意見を言ってくれて参考になったこと。

悪かった点は、話しだすまで、やや学生の遠慮? 恥ずかしさがあり、進行にやや無駄があったこと。リーダーのような役割を設けるといいのかも……?

取り組みの途中経過等、プロセス開示の要望や途中における問題点を正直に開示することがレポートの信頼性につながるなどの意見を得られ参考になりました。

学生がどのようにCSRについて考えているのかを知る。

企業のCSR部門で働いている方のお話しを伺い、自分が思い描いている仕事内容と同じなのかそしてもしギャップがあればどのようなものなのかを知りたかった。企業の取り組みの違いなども比較し、何を改善すべきで、何を学ぶべきかを考えたかった。

☆今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください☆

企業としてのCSRコミュニケーション充実へのきっかけとしたい。

社内へのフィードバック。

次期コーポレートレポートに具体的に反映。フィードバック楽しみにしています。

学部の勉強にとても熱心に取り組んでいることが伝わりました。また、一般の方がレポートのどの点に興味をもっているのかが参考になりました。その目線を取り入れて制作していきたいです。

次回のCSRレポートに反映させたい。また、どうしたらスポーツウェアを捨てないようにするかを今後も検討していきたい。

具体的には、ゴールドウィンさんのところで、実はどんなに製造過程でCO2削減努力をしても、一番その量が多いのは「消費者が服を捨てるとき」とおっしゃっていて、それをどうすべきか、担当の方も悩んでいたので、私も何かアイデアを考えたいと思います。結局、リユースをしても、最終的なゴミの総量―地球上での―は変わらず……消費者が大量に服を買わないようにする、とすれば、服の製造会社にとってはマイナスなので、こういったジレンマの抜け口を、より今日のような対話を続けて考えていきたいです。

サステナビリティ感度の高い学生の数をいかに増やしていけるかという課題に対して自社ができることを構築していきたい。

本日いただいた意見のなかで(一部は)レポート掲載部署にフィードバックさせていただくと思います。ありがとうございました。

環境部門にそのままフィードバックする。自分自身で読み返し、今後の課題にしていく。

親会社のサステナビリティレポートではなく、当社のCSRのあり方

枝廣ゼミ中心メンバーのディスカッションなので、途上国支援、身障者の採用等での切り口の質問があり、もう少し自社の意識レベルを上げる必要を感じた。

魂の入ったCSRづくり(他社、味の素さん、ゴールドウィンさんが参考になった)。

「ステークホルダーの声」として社内でフィードバックしようと思います。もっと複数のレポートを読んだうえでの自社レポートの評価を聞けたら、さらに参考になると意見がもらえると思います。

企業も学生も、もう少し、CSRのどの点が強みでどの点を改善すべきだと思うのかということに焦点を当てる時間があれば良かったと思う。今回のイベントはお互いの理解を深めるという感じでした。私自身もまだまだ、理解することに努めるので精一杯だったことに反省をしております。確かに、学生が質問をすることで、「外からどのように捉えられるのか」という新たな視点を企業に提供し、お互いの理解を話すことで深められたと思います。でも、CSRをどうするべきなのかという議論をもっと深めれるようにするのも良いかと思います。企業側から、自社のCSRの何が強みなのかということ、そして今後取り組みたいことの2点をイベント前に簡単なコメントでも良いので提示していただけると、資料などをもっと意識して、読むことができると思います。もちろん、本来ならば、資料から読み取るべきことですが、やられている取り組み(資料に書かれていること)と企業が自社をどのように捉えているのか(方向性)にギャップや改善点がないのか、他者である学生がそれを事前に比べられたら良いと思います。

イベントの最後に学生が感想を1分間で発表した後に枝廣様も仰られていましたが、あの時間は学生が企業に対してどのような点が良いと思い、どのような点を改善するべきだと思ったのかを発表できたら良いと思います。後、もし、企業側が学生の発言に対してコメントをしたくなった場合に発言できても面白いと思います。(時間的に難しいかもしれませんが)

学生の学ぶ意欲が素敵でした。とても、良い刺激になりましたし、枝廣様の教育方針からも学ぶことが多かったです。(発言をまとめる力を身につけることを意識されていたり、フィードバックを大切にされている点がすごいと思いました。)

次回のイベント・フォーラムの予定

9月中旬予定(決まりしだい、ご案内いたします!)

 

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