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★大阪開催★『東京開催の1年間の学びを2時間でモノにする~環境・CSR報告書の作り方から、SDGsとCOP21まで。さまざまな視点で学ぶ、企業・組織のサステナビリティ』(2015年10月26日(月)開催)

2015月09月29日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2015年10月26日(月)
対象

・イーズ未来共創フォーラムの企業(団体)パートナーの皆さま

・オブザーバーでのご参加希望の皆さま

ゲスト
ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

15人

開催レポート

去年に引き続き、『東京開催の1年間の学びを2時間でモノにする』という内容で開催しました。

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昨年とは趣向を変え、今回は1年間の学びから、エダヒロが新たに練り直した構成で解説し、5回分をさらに有意義に使っていただけるような実践ワーク(トレーニング)を多くいれたプログラムで進めました。

※当日のようすは、参加された三原市議会議員 安藤志保さまのブログサイトでもご紹介いただきました!ぜひこちらもご覧ください。


  

環境・CSR(分野)の取り組みについての課題

最初にざっと5回分の概要を説明。今日は、共通の課題(と思われる)内容について考えます。まず「環境・CSRの取り組みについての課題」を洗い出し、整理をした後、システム思考(※)を使い、異なる視点から過去~未来の状況を考えました。

システム思考:複雑な状況下で、変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化をつくり出すためのアプローチ(チェンジ・エージェント社サイトより)。

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<グループワーク:環境・CSRの課題について洗い出し>

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(一例)

  • 経営層・管理層・社員などへの社内浸透、意識をアップさせるには
  • 環境・CSRの活動を売上げ・利益に結びつけることができていない=優先順位が低い
  • 海外展開していくなかで、グループ会社での対応の温度差
  • 開示情報等への手引きへの対応について
  • 機関投資家やステークホルダーとの対話の必要性
  • 報告書を読んでもらえているのかわからない
  • 環境への関心・注目の低下による、意識の低下
  • 環境部門の縮小、投資減
  • 環境マネジメントのグローバルでの広め方
  • 生物多様性の課題
  • 環境でイメージアップしたい
  • 環境配慮型製品を増やすには
  • 環境だけでは付加価値にならない
  • 悪い印象(エネルギー=儲けビジネス)

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<グループワーク:システム思考(※)を使って、これまでとこれからを考えてみる>

「時系列変化パターングラフ(※)」を使い、下記4つの対象で意識・理解の変化を考えます。過去~現状を書いたあと、未来について、このままのパターンと望ましいパターンを加えます。

1)経営層 2)管理職 3)関連部門(環境・CSR以外)4)一般社員

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  時系列変化パターン

目標とするテーマや関連する重要な要素の量や度合いをY軸に、過去から未来までの時間軸をX軸におき、時間の経過とともにどのような傾向をたどるかをグラフで表します(チェンジ・エージェント社サイトより)。

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このままパターン>
グラフは全体的に、だいたい緩やかにあがって、今後もほぼ変化のない軌跡をたどるのがほとんど。または下がるパターンを描く人も。

望ましいパターン>
意識・理解は高まり、深まっていくグラフ(右肩あがり)に

  • 過去に盛り上がって、下がるというパターン(山型)があった。これは、認証や受賞をした時に注目され、社内でも一時、意識や理解が高まるが、やがて落ち着いてしまう、という現象を描いたもの。
  • 望ましいパターンでは、関連部門では、体制を整えられたら意識を高められる、という声もあがった。
  •  

<エダヒロの振り返りとポイント>
他の部署とも、このグラフを作ってみるとよい。それぞれのグラフの違いや、過去意識を高めることができた理由や望ましいパターンするにはどうしたらよいのかについて、考える機会をもつことで、今後の対策へのヒントが見えることがある。

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 環境・CSRを社内で進めて行くためには~みなさんの話を受けて

  • 外(有識者のような第三者)の力を借りる
    同じことでも、外から伝えてもらうと、理解が進む場合もあるため、時に外の力を利用することも大事

  • 環境・CSRブランドイメージについて
    伝えた内容を受け取り側がイメージできているかが一番の課題。一方的な発信しただけでは、受け取り側はイメージできないので、伝えて・イメージしてもらう場や時間をとることが必要。

  • ステークホルダーとの対話
    社会を変える、社会の信頼を得るためには、さまざまなステークホルダーとの対話を重ねること。

  • 売上げ > リスク への考え方の転換
    環境・CSRはこれまでは「リスク対応」という位置づけで進めてきた企業も多かったと思うが、これからは売上げにつながる考え方の転換をして、積極的に取り組むにはどうしたらよいのかを考える。リスク対応は業界標準となり、対応できて当たり前の時代になるため。

 <ビジョンについて>

今年1年では「ビジョン」について取り上げる機会はありませんでしたが、5回の開催内容(環境・CSR報告書の作り方~SDGsとCOP21まで)や課題を踏まえ、新たに考える時間をつくりました。

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<エダヒロの「ビジョン」についてのポイント>

  • シンプルでわかりやすいものになっているか?

  • 目標の年限は、次世代は特に意識している(2050年、2100年)

  • commited vision か aspirational vision ?

<commited vision>

    • フォアキャスティング
    • 着実にできるのことの積み上げ、短期

 <aspirational vision>

    • バックキャスティング
    • できるかどうかわからないが、チャレンジングな目標(ゴールの期日は言わないことも)、長期

事例1)ウォルマート 

Aspirationa Goals

      • 100%再生可能エネルギー
      • 廃棄物ゼロ
      • 持続可能な調達

 事例2)ユニリーバ

ユニリーバ サステナブル・リビング・プラン (2010年~)

「売上を2倍に、環境負荷を半分に」

 ユニリーバは2020年までに以下の目標を実現します。

        • 健康・衛生:10億人以上のすこやかな暮らしを支援
        • 環境負荷の削減:製品の製造・使用から生じる環境負荷を半減
        • 経済発展:数百万人の暮らしの向上を支援

<社内浸透活動の国内事例>

ポイント:ビジョンを作る→浸透させる→行動 

 国内事例3)みずほフィナンシャル・グループ

社のビジョン以外に、自部店ビジョンを作って、浸透させる対話を重ねている

 国内事例4)味の素

従業員1万9千人に向けてのビジョン浸透のためのセッションを行う

 国内事例5)NEC

3000人のタウンミーティングの実施

 国内事例6)セイコーエプソン

2050年までにCO2の排出量を1/10に環境ビジョン2050

エプソンは、地球の環境負荷許容量を認識し、世界の誰もがその許容量を等しく分け合うものと考え、2050年に向けて"商品とサービス"のライフサイクルにわたるCO2排出を10分の1にすることを目指します(エプソンサイトより、抜粋)。

 地球全体のCO2の吸収能力は110億トン、これを2050年の地球人口90億で割れば、一人あたりは1.2トン/年2050年の人口は9000万人になることを考えると、許される公平な排出量は1.1億トン。つまり、2050年までに日本全体の排出量を約1/10にすることが、気候変動の進行を食い止めることだり、日本の排出量として、等しく分け与える数字として、目標に掲げた。 

 

 <SDGsについて考える>

9月のフォーラムで取り上げた内容。今年はSDGsがなぜ重要であるか、日本企業として何を考えていくべきなのか、17ゴールについて、ワガコトとして考えるためのワークをおこなった。

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<目標の特徴>
1)環境・社会・経済の包括的目標になっている

2)MDGsでは途上国対象だったが、SDGsでは先進国も含めたすべての国が関わる目標になっている

3)17のゴールが設定されている

 (ワーク)17のゴールについて、考える(各1分半)、グループ共有

1)それぞれのゴールについて、自社(組織)が活動していることは何か

2)それぞれのゴールについて、できることは何か

今回は17のゴールで考えたが、その下にひも付いている、169のターゲットとも照らし合わせながら考えると、細かく内容をチェックしながら考えられるので、やってみるとよい。

 <紹介>帝人フロンティア 宮武さんより

サステナブル・アパレル・コーリションについて(共有)

アパレル業界での環境的/社会的影響のインデックス作るための結成したグループについて、加入している帝人フロンティアの宮武さんから活動の共有と問いをいただきました。

(パタゴニア社サイトより抜粋)

~中略~

アパレルの全サプライチェーンが共同してみずからの現状を把握し、改善のための指針を示す共通の計測/評価方法を作るよう取り組んでいます。

~中略~

本同盟の目標は「環境に不必要な悪影響を与えないアパレル産業と、その活動を通じてそれらに関連する人びとやコミュニティーに肯定的な変化をもたらす」ことです。開発中のこの共同指標はオープンソースでどなたでも入手していただけます。普段は熾烈に競合する企業が一丸となって働いています。地球への影響を削減することは1社だけで取り組むには重要すぎることを皆が理解しているからです。私たちが作る測定/評価方法は、すべてサプライチェーン全体を通じて廃棄物と環境へのリスクを削減するための方法を見出す手助けとなります。

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(問い)なぜ、欧米の企業は環境への意識が高く、日本企業は低いのか。欧米は、新しいルールを作って主導するのがうまいが、ただそれ以上に環境のことを真剣に捉えている。

 <相談タイム>

三原市議会議員 安藤志保さまより、『持続可能な自治体経営と市民参加』についての相談がありました。皆さんから、直接安藤さまフィードバックをいただきました。

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こちらの詳しい内容やご相談内容・フィードバックについては、安藤さまのブログに掲載されておりますので、ぜひ併せてご覧ください!

 <大和ハウス工業さま(会場ご提供)より、企業活動のご紹介>

会場提供をいただきました、大和ハウス工業さまから取り組みのご紹介をいただきました。

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<事務局よりお知らせ>
次回フォーラムは、12月2日(水)!を予定(内容未定)しています。内容が決まりましたら、こちらのサイトでご案内いたします。


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 (懇親会のようす)

 

 

 

参加された方の声から

☆本日のフォーラムに参加するにあたり、期待していたことは何でしょうか☆

社外の多様な視点に触れたかった。

大阪での仲間づくり、新しい気づき。

他社の取り組みを知ること(同じ課題に対して)。

社外の動向。

SDGsに関する情報入手、他業種の方とのコミュニケーションを通じた新たな気付き。

東京でのセミナーの内容の収得。東京での内容の共有やそれを踏まえた課題など。

普段の近視眼的な日常からの脱却。最近のCSR環境の動向の把握。

今後の自社の環境CSRの取り組みに活かす。他社様の取り組み課題について知る。情報交換。

☆また、実際参加されて、いかがでしたでしょうか。よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください☆

ワークで頭を動かす時間が多く取られている点が良かった。

いつものような講演がない分、じっくりワークができて良かった。

さまざま他社の活動や世の中の動向を知ることが出来た。

グループで話ができる時間が、いつもより長かったので、さまざまな意見を聞けたことが良かった。

ビジョンはシンプルで分かりやすくあるべきだと思いました。

上記の<他の企業様のご意見や取り組みが聞ける>を、さまざまな分野でお聞きできました。

このように集中して環境CSRについて考える機会はなかなかないので、とても良かった。かなり頭を使って疲れはしましたが、あと1~2時間ぐらいは勉強したいかな、と思いました(それぐらい今日のセミナーは有意義でした)。

SDGsについて、当社とどう関われるのかを考えることができた。

自分で考える時間も多いので、時間があっという間にすぎました。他社の人の話がきけるのは、貴重な経験でした。

SDGsの話はまさに、MDGの焼きなおしと思っていたのでよかったです。

改めて自社の課題について見つめ直すことができました。

テーマが大きく、難しくてついていけなかった感じです。こちらの問題ですが(笑)。

異業種との交流。もっと多彩な業界の方の参加があればさらに良かったと思います。

☆今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください☆

社内で環境CSR体制を整備させていく中で、考え方を浸透させていきたい。

ビジョンづくりはタイムリーな話題だったので、ステークホルダーとの対話も含めて検討したい。

ビジョンについては、見直す予定なので参考にしたい。

ビジョン策定について(特に長期的なビジョンの考え方)。社内で、目標→ビジョンに切換え検討中なので、それに生かしたい。

「海外では違う」というのを具体的に知りたいと思いました。

枝廣先生の話も分かりやすく、社内で共有したいと思っています。まずは問題点から、もういち度検討します。

CSR活動の全社活動スタートに向け、まず自分の頭を整理すること。次にウォルマートのようにしっかりとしたビジョンを考えていきたいと思います。

ビジョン作りについては、本当に参考になりました。明日からの仕事に!

今後のCSR活動推進。ビジョンの具体化が必要と感じました。

SDGsなどワークショップのやり方は面白いと思いました。

次回のイベント・フォーラムの予定

次回フォーラムは、12月2日(水)!を予定(内容未定)しています。内容が決まりましたら、こちらのサイトでご案内いたします。

 

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