開催日 | 2019年7月18日(木) |
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対象 | イーズ未来共創フォーラム 企業・団体パートナーさま、お試し参加の皆さま |
ゲスト | 公益財団法人 地球環境戦略研究機関 ビジネスタスクフォースディレクター (JCLP事務局) 松尾 雄介氏 |
ファシリテーター | 枝廣淳子 |
参加人数 | 19企業・団体27名 |
今回の異業種勉強会は、持続可能な脱炭素社会実現を目指す企業グループ、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(以下、JCLP)で事務局をされている、松尾雄介さまをお迎えし、JCLPで行っている脱炭素社会実現に向けたさまざまな取り組みや活動についてお話しいただきます。
JCLPは企業活動を通した脱炭素化と事業利益を両立させて好循環をまわすことを目的に、個別企業の枠を超えたなかでの経営手法の検討や、環境整備をしていくための政策提言など、さまざまな活動を行っています。
また、RE100、EP100、EV100といった、国際企業イニシアチブに対し、メンバー個社が加盟するだけではなく、JCLPが日本の加盟窓口となり、日本企業の参加のバックアップも進めています。
JCLPの脱炭素社会に向けた、業種業態、規模を超えた企業連合としての多様な取り組みやチャレンジは、メンバー企業だけでなく、中小企業、地域やNGO/NPOなどのあらゆる組織も大いに参考にし、学ぶべきところがたくさんあると感じています。
この機会にいろいろとお話をうかがい、私たちとしても何ができるのかを考え、実践につなげていくヒントにしていけたら、と思います。
温暖化への企業・組織の取り組み状況について(現状と今後)
(グループ内での共有、抜粋)
2.講演「脱炭素社会の実現に向け、企業の気候変動対策はどうあるべきか」
公益財団法人 地球環境戦略研究機関
ビジネスタスクフォースディレクター (JCLP事務局)松尾 雄介氏
【地球環境戦略研究機関(IGES)の紹介とJCLPとの関係性】
地球環境戦略研究機関(IGES)では、文献調査のほか、地球環境に関する課題解決に向けて、国内外セクターを超えた方々とさまざまな戦略研究をしています。ビジネスタスクフォース部門では、気候変動がもたらすビジネスへの機会とリスク、脱炭素化に向けた企業の行動と企業価値の関連性などを中心に国内外の企業研究、政策研究を行っている他、研究内容を基に企業や政府に対する提言、支援も行っています。ビジネスセクターと社会にインパクトを出していくための活動の一つに日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)があり、現在IGESが事務局を担当しています。
JCLPは、脱炭素社会実現の転換期において、社会から求められる企業となることを目指す日本の企業グループです。
<世界の動向・背景>
<企業の含意-脱炭素社会を実現しなければならない理由>
○顕在化するリスク
○脱炭素ソリューション企業には、チャンスも
気候変動対策に関する政府案から金融支援が期待される新しい分野であり、新しいマーケットも期待されている。
これまでの変化:再エネ価格、EV政策、脱石炭
これからの変化の芽:カーボンプライシング、世論の覚醒
・投資家の対応――企業価値への影響を評価へ
【日本気候リーダーズ・パートナーシップの紹介】
"気候変動は、社会への脅威"という共通認識の下、脱炭素への転換期において、求められる企業を目指す
<活動内容>
1)最新動向の把握
2)政策提言と発信活動
脱炭素社会の構築に資する政策の導入を企業の目線から提言し、政府の政策形成を後押し、その内容を広く社会へも発信している。
【提言・発信の例】
地球温暖化対策計画への意見書(2014)→日本の目標(2030年36%減)等
気候変動政策に関する政策提言(2015)→炭素価格付けの必要性等
長期成長戦略への提言(2018)→2050年ネットゼロ、カーボンプライシング等
ポイント
- 脱炭素社会の構築に資する意欲的な政策の導入を企業の目線で提言
- 気候変動への危機感、各社の脱炭素活動等もメディアを通じて広く社会に発信
3)自社の脱炭素化の実践
自社活動の脱炭素化は、過去の延長線上では困難。JCLPでは、脱炭素化に必要な要件や課題を検討し、経営手法の検討を重ねている。
4)協働ビジネスへの試み
脱炭素化が実現可能なことを示し、同時に先行者利益の獲得を目指している。異業種協働や、省庁や自治体との接点も創出。企業によるソリューション創出により、社会の脱炭素を目指す。最近では、「脱炭素ソリューション創出」というはっきりした方向性を出しているため、企業コラボに関する問い合わせが増えている。
ポイント
- 需要側と供給側が協働することで、新しいモデル事業の実現を目指す
- 省庁や自治体とも連携し、ビジネス機会を創出していく
5)国際連携・協働
JCLPは世界をリードする海外諸団体との戦略的ネットワークを構築している。これを活用し、国際的な提言活動への参画や、国連気候サミットやCOP公式ビジネス会合等への参加している。国際的にも政策を後押ししつつ重要動向を他に先駆けて獲得し、次世代の競争力強化に役立てている。
<脱炭素経営の3本柱(RE100、EP100、EV100)>
JCLPは国際組織The Climate Groupの公式地域パートナーとして、脱炭素経営の3本柱でもある国際イニシアチブの「RE100(事業で用いる電力を100% 再エネで調達する)」、「EP100(事業のエネルギー効率を倍増させる)」、「EV100(事業活動で使うモビリティーを100%ゼロエミッションにする)」の、日本の加盟窓口を務めている。国内外の企業が連携し、企業活動を通した脱炭素化と事業利益を両立させて好循環を回す。その早期実現を目指している。
時価総額TOP20の半数が加盟。日本企業も現在では20社が宣言、増加している(2019年7月現在)。20社で約13TWh(日本の1.4%)利用。購入額は推定でおよそ1,300億円。
RE100を運営するThe Climate Groupが考える真の目的は、RE100目標達成ではなく、脱炭素の需要をつくること(需要家のシグナルをマーケットに届けること)で、投資、イノベーションを促し、好循環を創出することにある。
需要側のシグナル(再エネマーケットに高いポテンシャルがあること)を供給側が受けとめ、新たなソリューションを創出していくようになる。
1)課題:RE100は、大企業(年間電力消費100GWh超等)が対象
2)次のステップ:再エネ需要の更なるポテンシャル(RE100対象外にも電力消費が多い業種)から新たな枠組みづくりへ
~気候ストライキについて~
<グレタさんのスピーチ>
気候ストライキで世界から注目を浴びたグレタさんは2018年12月のCO24、2019年1月のダボス会議に招かれ、スピーチをしている。
・ 2018年12月COP24
「大人達は自分の子どもたちを何よりも愛していると言いながら、その目の前で、子どもたちの未来を奪っている」
・2019年1月ダボス会議
「あなた方(大人)に希望を持ってほしくないのです。あなたたちにパニックになってほしい。家が火事になっているのと同じように(環境に対しても)行動してほしい」また、経済の中心は「お金」ではなく、カーボン・バジェットが中心になるべきだ、とも訴えている。
(どちらもスピーチより抜粋)
<気候変動への自治体・市民・知識人のうごき>
1. 学生達によるストライキ
2. 自治体の非常事態宣言
現在、オーストラリア・北米・欧州を中心に「気候非常事態宣言(CED:Climate Emergency Declaration)」を行う自治体が増えている。世界で始めて気候非常事態宣言を行ったのは2016年12月のオーストラリアのデアビン市。英国では、2018年11月にブリストルが同国初の気候非常事態宣言したあと、現在では約100もの自治体が宣言を行うなど動きが急速に拡大している。そして計8カ国約520の自治体が宣言を行っている(2019年5月現在)。
さらに、英国では政府レベルの動きも活発となり、2019年4月29日にスコットランド政府が、5月1日にはウェールズ政府が気候非常事態宣言を行い、そして5月1日には英国議会も下院で同宣言を行った。これは労働党が法的拘束力を持たない気候非常事態宣言を動議し、議会で採択されたものである。
気候非常事態宣言を行う自治体増加中、英国議会も宣言(2019.05.13)
https://www.ishes.org/happy_news/2019/hpy_id002645.html
(幸せ経済社会研究所,世界・日本の幸せニュースより抜粋)
3. サポートする科学者
1.の学生の気候ストライキを支持する科学者、教育者、知識人の声明を発表(2019年1月~3月)
基本的な主張
1)気候変動の科学的根拠は明確
2)気候変動に対して直ちに決定的な行動を要求して気候ストライキを行う若者を支持する
<再エネ制度の問題とうごき>
4. お話を聞いての感想・コメント・さらに知りたいこと
<企業について>
Q:今日お話いただいたような社会変化を担当部署だけでなく、経営層含めて全社的に経営の前提条件として理解させるにはどうしたらよいか
Q:企業が「やらなくては!」となるために重要なことは。そしてその順番をつけるとしたら?
1)ビジネスメリット2)企業価値アップ3)倫理など
Q:RE100 日本企業二の足を踏むのはなぜか
<再エネについて>
Q:再エネの選択肢、供給問題や景観問題について
<その他>
Q:学校ストライキについて:立ち上がった背景
Q:子どもたちのストライキ:原発に対してはどう考えているのか
Q:EUの建物についてのストックのネットゼロはどう実現できるのか?
Q:JCLPが立ち上がった理由、経緯
Q:JCLPをさらにひろげていくために今考えている活動は
5. 本日の振り返りと、今日から何を具体的に進めて行くか(ワーク、共有)
5.会場提供企業さまより、ご活動紹介:
旭化成ホームズ株式会社
東京法人支店 愛川様
戸建て・低層賃貸住宅を中心としたハウスメーカー。売上は現在約6000億円。エリアは、太平洋ベルト地帯(山陽新幹線、東海道新幹線エリアを含めた)を中心に施工している。
<ジャパン・レジリエンス・アワード2019 受賞のご紹介>
へーベルハウスの総合防災力への取り組みが「最優秀レジリエンス賞」、分譲地へーベルガーデン新富士における街づくりが「優秀賞」を受賞
https://www.asahi-kasei.co.jp/j-koho/press/20190315.pdf
ステージ1)命を守る:災害に強い家(地震、火災、猛暑、風水害、生物劣化)
ステージ2)健康を守る:災害後も安心して住むことができる家(避難所生活をしなくてよい:太陽光発電システム、蓄電池の設置で在宅避難や健康維持にもつながるエネルギーの自給自足。へーベルハウスの6割が太陽光発電システムを敷設)
ステージ3)生活の復旧:生活復旧が容易(火災保険、地震保険、リフォーム等対応している)
という点が評価され、受賞に至った。
6.事務局よりお知らせ
◇ 次回フォーラムの予定
次回は10月11日(金)、「SDGs*地方創生 実践編」をテーマに開催を予定しています。
次回は10月11日(金)、「SDGs*地方創生 実践編」をテーマに開催を予定しています。
参加された方の声から
☆本日のフォーラムに参加するにあたり、期待していたことは何でしょうか(抜粋)☆
最新の地球温暖化の情報、脱炭素をめぐる現状
気候変動に対する世界の動き、方向性について
気候変動に対する企業の取組を、いかに顧客とコミュニケーションできるかを学ぶこと
気候変動対応ビジネスの潮流
今後の再エネの動向について
脱炭素の本当のところ
経営者の認識のこの間の変化
日本企業の遅れの実情
JCLPやRE100に参加する企業の考え方を知りたかった
GHGに対する世界の動向について
どのような形の勉強会かわからなかったので、フラットな気持ちで臨んだ
脱炭素社会に向けた企業の具体的行動、指針
☆また、実際参加されて、いかがでしたでしょうか。よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください。☆
大変良かった。会員に申し込みます
今までニュースで見聞きしていたが、頭の中で散在していた知識が一つにまとまり、気候変動の危機感がより確固たるものになった。企業の方々がすでに動いていること、そして、市場が変化す
るタイミングにあるのだということがよくわかった
世界の動きがわかり、よかった。想像するよりも、もっと早い動きになっていると思った
参加者のコメントをもう少し聞きたかった
松尾さんの話はもちろん、異業種の方とディスカッションできてよかった
よかった。リアルなところを聞けた
参加者と以前より多く会話ができた
全体状況を知ることができ、頭の整理ができてよかった
気候変動について、世界との認識差を知ることができショックだったが、大変勉強になった
世の中のいろいろな動きが「脱炭素」というテーマで根底はつながっているという点に、ハッとさせられた。他社の率直な意見も参考になった
講師の方の話しは分かりやすく、とても勉強になった。質問をポストイットで集めて回答していただくのも、内容も良かった。
JCLPの活動に魅力を感じた
☆今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください。
社員、グループ会社への情報発信
まずは担当課、市長への内容の共有を行い、市内の認識を深めていきたい
行動に移すこと
社内だけでなく取引先等に伝え、また今後を考えるヒントにしたいと思う
再エネの導入に向け、コスト比較するために見積りを取ってみようと思う
社内の一部の人間しか、しっかり問題意識をもっていないテーマだと認識しているので、その横展開の必要性について考えさせられた
RE100に向けて社内調整をしていきたい
自社のメンバーと共有し、上層部への説明に活用したい
一般の啓蒙。米国共和党へのフィードバック