ホーム > 異業種勉強会 > イベント・フォーラム > 第67回 経産省担当者に聞く「循環経済ビジョン2020」~サーキュラーエコノミー...

異業種勉強会 イベント・フォーラム

第67回 経産省担当者に聞く

「循環経済ビジョン2020」~サーキュラーエコノミーへの取り組み(2021年6月18日(金)開催)

2021月04月19日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2021年6月18日(金)
対象

イーズ未来共創フォーラム 企業・団体パートナーさま、お試しご参加の皆さま

ゲスト

経済産業省
産業技術環境局資源循環経済課長 横手 広樹さま

ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

20名

開催レポート

20210618_67forum_je1.JPG 20210618_67forum_title.jpg

企業から社内向けにサーキュラーエコノミーの講演をして欲しいとの依頼が増えています。担当者は経営層・一般社員に重要性を理解してもらうべくいろいろな取り組みを考えているものの、実際は温度差があるようで、そのギャップを埋めようと講演の依頼が増えてきているのではと感じます。

 昔の日本は「循環型社会」でしたが、気づけば世界にリードされています。グローバルで事業を続けていくために、もしくは日本で企業の持続可能性を担保する上でもこのまま手をこまねいている時間はありません。

 サーキュラーエコノミーは、処分場をどうするかという環境の話だけではありません。地球環境に影響なく、原材料をいかに安価に安定して確保していくのかという経済や雇用といった産業政策です。経産省から2020年に「循環経済2020」が発表され、国の政策的としても大きく舵を切りました。

経産省として産業界を後押しするためにどのように展開していくのでしょうか。すでに取り組みを進めている企業も多いと思いますが、今回の横手さまのお話をヒントにサーキュラーエコノミーという大きな波に上手く乗り、前に進めていくきっかけになればと思います。


講演『サーキュラーエコノミーへの転換に向けて

mr.yokote.jpg

 経済産業省 産業技術環境局資源循環経済課長  横手 広樹さま

1. 循環経済ビジョン2020について

  • グローバルな経済社会の変化
  1. 世界的な人口増加・経済成長に伴う消費拡大と将来的な資源制約のリスク
  2. 国内外の廃棄物問題の顕在化
  3. 地球温暖化や海洋プラスチックごみ等の環境問題の深刻化と環境配慮要請の高まり
  4. ESG投資の拡大とデジタル技術の発展
  • 循環経済に関する国際的な動向
  •  欧州(EU)の主要な取組
    • CEパッケージ(2015)
    • EUプラスチック戦略(2018)-エコデザイン指令(順次改正)
    • CEアクションプラン(2020)
  • 循環経済への転換の必要性
    必ずしもEUは域内産業保護など産業政策の側面だけで動いているわけでもなく、環境のマインドを基底に動いているものも十分にあるので、これを踏まえて「循環経済ビジョン2020」はまとめている。
    • 循環経済ビジョン2020」のポイント:「ごみ問題」「環境活動」「3R」⇒経済活動としての循環経済の視点へ
  • 循環経済への転換に向けた対応の方向性
  • 循環性の高いビジネスモデルへの転換
    まずは上流側の動脈産業が頑張れば、日本の競争力の源泉になる。高品質なものを循環させる後押し(仕組みづくり)は政府の役割としてやっていくべきだと考える。
    • 市場・社会からの適正な評価
      一番大事なポイント。「willingness to pay」という形で市場・社会から適正な評価になるよう働きかけていくことが重要。
    • レジリエントな循環システムの早期構築
      産業構造や製品構造が変わっていくなかで、ベースの素材から含めて、今後の再生の需給バランスを改めて見直していく必要がある。
      ・循環が急がれる分野:アパレル、CFRP、バッテリー、太陽光パネル

2.我が国企業の先進的取組(プラスチックを例に)

3.企業取組の後押しに向けて

(1)サーキュラーエコノミー投資ガイダンスの策定

  • 循環経済への転換に向けた投資家機能の活用:
    情報発信をして、ESG投資を呼び込んでいく。TCFDなどで情報開示、投資家の評価などから促していくガイダンスの議論があったので、これを参考にしながらCEとプラスチック循環の分野についてもESG投資ガイダンスを今年1月に出したところ。
  • サーキュラーエコノミーにかかる開示・対話ガイダンスのポイント       20210618_67forum_2.JPG

(2)プラスチック資源循環の高度化

  • プラスチック資源循環戦略(概要):大阪サミットの前に日本としてプラスチックの資源循環に取り組むメッセージを示したもの(環境省)。マイルストーンも出していて、世界と比べても野心的な目標設定になっている。これをどう実現していくのかが、今我々に与えられている課題。これを1丁目1番地として出していたのが、レジ袋の有料化だった。
  • プラスチック製買物袋の有料化
  • 日本のプラスチックの再資源化の現状(2019)
    毎年約850万トン、900万トンのプラスチックが日本国内で排出され、うち85%は有効利用されているが実際には、エネルギー回収が61%。リサイクルは25%にとどまる。数字は欧州とあまり変わらない。欧州はリサイクル率が30%程度で、有効利用率が75%位でリサイクル率は、日本のほうが高い(数年前のデータ)。
  • プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律の概要
  • 環境配慮型の製品設計:1) 環境配慮型製品設計 2)使い捨てプラスチック製品の排出規制
  • 製造・販売事業者等による回収・リサイクル(自主回収・再資源化計画)
  • 事業者による排出の抑制・リサイクル
  • おわりに:
    活動するうえでの道徳のようなもの。二宮尊徳の言葉で「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は夢物語である」というのがあるが、今後は循環が経済活動における道徳になっていく。すなわち、「循環なき経済は罪悪であり、経済なき循環は夢物語である」という世の中が当たり前の社会になる。事業者の方々もこのマインドで循環を事業活動にビルトインしていただけるとありがたい。

2.感想と質疑応答

※抜粋・簡易報告書ではQのみ記載させていただきます

20210618_67forum_je2.JPG20210618_67forum_y1.JPG

Q:日本では再生材の利用促進の側面が弱いと感じる。リサイクルして再生素材を作るのはいいが、例えば欧州のように何パーセント必ず使うといった強制力をもたせたかたちができれば、出口がもう少し広がるのでは。

Q:拡大生産者責任の視点が、日本の政策では弱いのではないか。今回の2020では、どのように進めようとしているのか。

Q:循環しないものは「禁止」というような、もう少し強い政策というのはあり得るのかどうか。

Q:レジ袋有料化自体は意識啓発的には大事だったが、日本の廃プラの2%しかないので、その次の国民の行動意識を変えるようなものを何か考えようとしているのか

<参加者のみなさんからのグループディスカッションより(一部抜粋)>

  • 規制で変えるのではなく、意識を変えていこうという考え方が良かった。
  • 異業種との協業の大事さを感じた。競合ではないからできることがあるのかもしれないが、それが競合でもできると良い。表面的な取り繕うようなものはいらない。
  • 搬出者=消費者の、責任は大きい。買ってしまう消費者も悪いが、メーカーも買ってもらいたい心理がある。どう転換するか。消費者側に、そうした責任があるという意識はまだないと思う。

3.相談タイム

東急エージェンシーさま

20210618_67forum_3.JPG

日経SDGsアイデアコンペティションで受賞したアイデア「CO2排出量の消費表示規格『Earth Cost』」。社会実装を検討されているが、どうしたら実現できるのか、自社の課題・検討していることをご紹介いただいた後、皆さんからのアイデアをいただきました。


 <事務局よりお知らせ>

◇ 次回フォーラムの予定
次々回は9月15日(水)に開催します。国立環境研究所 地球システム領域 副領域長/連携推進部社会対話・協働推進室長 江守正多さまをお招きし、「IPCC 第六次報告(第一作業部会)の解説と生物多様性の現状~科学的見地からの報告と解決策に向けて(仮)」についてお話を伺います。ぜひ次回も奮ってのご参加をお待ちしております!

20210618_67forum_shugo1.JPG参加者の皆さんと

参加された方の声から

☆実際参加されて、いかがでしたでしょうか。よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください。(抜粋)☆

・現状の動向が把握できましたので有用でした

・色々な方と意見交換でき、他社や他団体様がどのように考えているのか実感できてよかったです

・演者の方の力量が高く、短時間で目的の内容を濃く報告いただけたと思いました

・久しぶりに参加しました。良かった点は、専門家の話や枝廣さんの切り口から刺激を受けて、同じような問題意識と人と安心して意見交換ができることの楽しさでした。改善としては、自己紹介の意図やグループを変える意図などを伝えたり、意図でなくともグループが変わることだけでも伝わったら戸惑いがないのではないかと感じた

・大変よかったです。国の方向性、スタンス、横手様の個人的考えを聞くことができて、大変有意義でした。また、参加者様も大手企業様なので、会社の状況、会社の立場、社員様の立場、状況を知ることができて楽しかったです

・日本政府がサーキュラーエコノミーを目指す理念のようなものは分からなかった。ハーマン・デイリーの三原則のようなものがあるのかと思っていたが、ないのかな?

・石炭火力発電の輸出・支援をやめるという最近のニュースになった話には触れられなかったが、なぜだろうか。エネルギーはサーキュラーエコノミーの中でも重要なものだと思うが、それほど話に出なかったような気がします。製品の事例が多く出たし、ヨーロッパの話、日本の強みの話もも面白かったが、国の話というよりも、大企業・製造業のサーキュラーエコノミーという感じだった

・横手さんのバランス感覚、素晴らしいなと思った

・経産省のスタンスが学べて良かったです。質疑応答の時間も深まりました

・ブレイクアウトルームで、それぞれの意見を伺えたことと、そこで出た疑問や考えを伝えることが出来た

・ワークの作業時間が短く、消化不良の状態となった。ワークの目的、位置づけが中途半端で、ルームで話された内容を取りまとめて後ほどチャットで入れるとの作業が必要なら、発表時間のような時間を別途設ける必要があると思う

・ワークでは一緒のルームになった他の企業との話を聞けたことは良かった。その意味では異業種交流の場として良かったと思う


今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください☆

・経済、環境、社会をどのようにつなげていくかが大切かと感じました

・サーキュラー・エコノミーという言葉が独り歩きしてしまっており、改めてサーキュラー・エコノミーとは何か、何が目的なのか深掘りしていきたい
循環経済の開示・対話のガイダンスは確認したいと思います

・スライドはボリュームが多かったが、説明はポイントを絞ってくださっていたので、理解しやすかった。枝廣さんの指摘で実際のリサイクルの現場の話が興味深く、また、質問に対する横手さんの返しの話、特に、たった2%のプラスチックバッグという見解ではない、という話など面白かった

・CLUB SDGsを上手に支えるために活用したい。できれば簡単に報告レポートとしてまとめてシェアしたいところですが、そこまではできないだろうなと思っています

・環境配慮設計の商品開発や、業界を超えた取り組み。また、個人としてできることについて今よりも意識的に取り組む

・規制をかけるわけではなく、民間主導、消費者の変容が重要とのことなので、そうした前提で今後の事業を考えていきたい

・国の考え方や方向性が大まかだか理解できたのでそこに合わせて行動に移すための準備していきたい。国の方針が軸ではなく、企業として個人としてどうしていきたいかも今一度考えていきたい

・直接確認できなかったが、先日改正され法律など、まとまった話を聞くことができ、いただいた資料は共有していこうと思う。今回のように、省庁の方の話を聞く機会を今後も設けて欲しいと思います

次回のイベント・フォーラムの予定

次々回は9月15日(水)に開催します。国立環境研究所 地球システム領域 副領域長/連携推進部社会対話・協働推進室長 江守 正多さまをお招きし、「IPCC 第六次報告(第一作業部会)の解説と生物多様性の現状~科学的見地からの報告と解決策に向けて(仮)」についてお話を伺います。

 

このページの先頭へ

このページの先頭へ