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第70回 2022年・年初に考える~これからの時代をどう生き抜くのか(2022年1月27日(木)オンライン開催)

2021月12月26日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2022年1月27日(木)
対象

イーズ未来共創フォーラム 企業・団体パートナーさま

ゲスト
ファシリテーター

枝廣 淳子

参加人数

12社(団体)・16名

開催レポート

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年始一回目は恒例の「前年の振り返りと今年の展望」をテーマに開催します。

このフォーラムは13年前の2009年1月にスタートし、今回で70回目を迎えます。また、5年前から年初の回は「1年を展望する」という内容でお話してきました。今回は過去5年間、どのように世の中が変化し、私がどんな見立ててきたのかも振り返ります。

そして、2022年の鍵を握る2つ概念として、「迫」と「際」をご紹介します。2022年、そしてコロナの先の時代はどうなっていくのでしょうか? 今のうちに、考えておくべきこと、取り組んでおくべきことは何でしょうか?どのような内容か、ぜひ想像しながらレポートをご覧いただければと思います。

これらを思考のたたき台として、各社で2022年取り組むべき優先課題や、持続可能な経営に向けてのディスカッションを重ねたいと思います。


『2022年を展望する』枝廣淳子

1. 2021年について振り返る

  1. できたこと、進んだことは何か
  2. 新たに出てきた課題は何か
  3. 課題は認識しつつ、手が打てなかったことは何か
  4. 台頭しつつある動きを感じたが、十分調査・分析など取り組みができなかったことは何か

"サステナビリティ史"における「2021年」とは?
2021年の「持続可能性に関わる10大ニュース」を選ぶとしたら・・・?

<参加者のみなさんからのグループディスカッションより(一部抜粋)>

  • COP26等、気候変動問題の認識が高まった。
  • IPCC第6次報告書
  • 人権問題の世界的高まり
  • Regenerationという考え方
  • サステナブルファッションの概念普及

2.【2021年を振り返って~持続可能性に関わるアンケート】解説

対象:枝廣淳子の環境メールニュース読者

2021年12月に環境メールニュースの読者向けに「持続可能性に関わるアンケート」を実施、一部結果をお伝えします。

  • 日本の持続可能性への取り組み

    これまでは「悪化した」が多かったが、「少し良くなった」という回答が増えてきている。「悪化した・少し悪化した理由」は、「政府の消極姿勢」が挙げられていた。

    これではいけない、菅総理が掲げた脱炭素への行動を引き継いで積極的にやってほしい、という声をもっと上げていかないと、「聞こえてこない声はないもの」だと政治家は判断して消極的になっていく。

    良くなった理由は「SDGsの拡がり」「カーボンニュートラルへの取り組み」。企業の「脱炭素」「カーボンニュートラル」「再エネ100%」のニュースを見ない日がないぐらいの動きになってきている。また、「地域の取り組み」もあげられている。

  • 「2021年の持続可能性に変わる10大ニュース」

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「持続可能性」といった時に、もともとは環境のことを指していたが、今では「人権」「格差」「社会」「経済」も含めていわゆるSDGs的な持続可能性として捉えて広がってきている。

3.過去の新年フォーラム

このフォーラムは13年前にスタートし、今回で70回目を迎えた。5年前から年初に「1年を展望する」という内容でお話している。5年間どのように見てきたかを振り返る。
(エダヒロのアンテナ例:抜粋、前年と同じ内容は割愛)

    • 2017年
      ➢   SDGsによる差別化、サーキュラーエコノミー、AI,IoT,3Dプリンティングの持続可能性へのインパクト、アニマルウェルフェア
    • 2018年
      ➢   パリ協定、SDGs、ESG投資への対応・取り組み
    • 2019年
      ➢   気候変動、プラスチック問題、地域の二極化、ソーシャルインパクトのつくりかたと測定
    • 2020年
      ➢   脱炭素化・マイナスカーボン、リ・ローカリゼーション、レジリエンス、スマートな減少、対話・社会的合意形成
    • 2021年
      ➢   環境正義・気候正義、コロナ時代の企業の社会的責任、SDGsスタートアップ、Regenerative agriculture、ワン・ヘルス
      • 企業のあり方~青年期の模索
        • 地殻変動的変化:
          企業とは何か、企業の目的とは
          資本主義とは何か、どうあるべきか
          経済とは何か、どうあるべきか
        • コーポレート・ガバナンス
        • 社会課題の発見・解決
  • この一年間のフォーラム(※全て開催当時のご所属での表記)
  • 4月:ESG投資(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 吉高 まり様)
  • 6月:サーキュラー・エコノミー(経済産業省 横手 広樹様)
  • 8月:IPCCの第6次報告書(国立環境研究所 江守 正多様)
  • 12月:人権(国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ事務局次長、弁護士 佐藤 暁子様)

また、上記以外に去年はショートフォーラムとして2回コミュニケーションを開催した。これはメンバーの間での学び合いという目的と具体的な事例の紹介をいただいた。

4. 2022年1月

  • 2022年の鍵を握る概念:「迫」

「迫」――追い詰められている、行き詰まっている、切羽詰まって差し迫っている。

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例えば、過去最高の気温と発電量、各国へのGHG削減ペースアップの要請、2020年気候変動損害額が950億ドルをみてもさまざまなことが「迫」っている状況だ。

  • 2022年の鍵を握る概念:「際」

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境目、交わり、間。見えていなかったがつながっていた部分について、いよいよつながりを無視できない状況になっている。例えば、「気候変動」と「生物多様性」。「気候変動」対策をすると「生物多様性」に影響がでるようなトレードオフな対策になっていないか。両者を合わせ鏡のように見ながら対策を立てていくこと。

  • 「気候、生物多様性と人間社会を一体のシステムとして扱うことが、効果的な政策の鍵である」
  • 幸せとは何かをもう一度再定義すること

「コロナ」と「生物多様性」、「ブルーカーボン」と「マイクロプラスチック」、「人権問題」と「気候変動」

5. エダヒロの注目!海、NbS、NE

1)

海はおそらく最後のフロンティア的存在。さまざまな循環の基盤とも考えられている。海の実態と影響を知り、気候変動・生物多様性アプローチを進める。

2)NbS(Nature-based Solutions)

植林や藻場の再生など、自然界の力を活用した形で解決を図っていく。気候変動対策として、大気中のCO2を溶媒・溶剤の力で吸着して捕まえる技術(DACまたはDACCS)で解決する動きがある一方、世界的に注目が集まっていのはこのNature-based Solutions。

3)NE(negative emission)

CO2の回収する方法としては植林が有名だが、その中で炭にしてそれを地中に固定化するという試み、土壌炭素貯留というのがある。炭化することでCO2を大気中から除去して土中に溜めていくとともに土の栄養にもなる。土壌改良にもなるということで、少しずつ広がってきている。熱海の未来創造部でも動いていて、世界的にも拡がっていく注目の動き。

6. つながり(際)を考えてみる

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ここに挙げている要素は前年と今回持続可能性に関するアンケートから注目した内容をピックアップしている(青字は今年注目しているところ)。それぞれどうお互いにつながっているのかを見る。

例えば熱海の土石流災害。これは地球温暖化によっての影響が直接的なところだが、土石流被害が出ることで何がどうなっていくのか、ここにないものを含めて考えていくことで人々の意識が変わるかもしれない。企業や自治体の圧力が増すのではないか。


 <事務局よりお知らせ>

◇ 次回フォーラムの予定
次回は第3回ショートフォーラムを4月11日に開催します。テーマは「気候変動*システム思考」。登壇者はイーズの兄弟会社のチェンジ・エージェント社小田理一郎氏です。ぜひ次回も奮ってのご参加をお待ちしております!

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参加者の皆さんと

参加された方の声から

☆実際参加されて、いかがでしたでしょうか。よかった点、よくなかった点を含め、何でもご自由にコメントください。(抜粋)☆

過去の状況振り返りもあり初めての参加でもある程度経緯がおえた点、当然ながら知らない情報もあり自身の視点以外のインプットがあったことはありがたかった。スピードが速く、情報がのみこめなかったり、セッションのお題をメモしてないと忘れそうになる点は初めてだと大変と感じました。自社で複数参加できたので、社内での議論の際にも一定の共通認識があることは大きいと思っています。

5年間を振り返られて、世の中が大きく変わったことと、進む方向は間違いないことを感じました。改めて危機感を高められました。

ややグループワークで忙しくあわただしかった印象。もうすこし他社の具体的事例や施策が知りたかった。

枝廣先生が注目していること、サステナビリティに関する世の中の動きや現状について知ることができてよかったと思います。

5年間の俯瞰も含めて、2022年を捉え直すことができて良かったです。「際」を超えてのオープンイノベーションが至る所で求められていると思いますが、具体的にカタチにしていけるためのマインドの大切さを改めて感じました。

過去5年間の振り返りで、サステナビリティの関心が急速に高まっていることに気付いた。

気候変動と生物多様性、コロナと生物多様性といった、「際」の意識をもつことの大切さを学べた。

もう少し、ゆっくり話してほしい。初見の資料であり、理解が追いつかないうちに進んでしまう。

早くて理解が追い付かないところがあった。システム思考を知らないので(解説してからワークを希望)、3番目は回答が難しかった。

今日学んだことを、どのように活用したいと考えていますか。また、さらに学びたいことなどもありましたらご記入ください(抜粋)☆

本年自社で取り組むアクションへ反映し、実りの多いものとしたい。

生物多様性について考慮に入れた取り組みがしたい。

社内でのプロジェクトにセミナーでの視点を盛り込みたいと思います。

システム思考。気候変動、生物多様性、人権など、全て繋がっていること様々な視点から考えることの必要と重要性について認識しました。今後業務に当たるうえで常に意識したいと思います。

活用の考えに至っていませんが、某企業さんの発生CO2?廃棄物?の6割がユーザー側での発生ということで対策の難しさを言われて、自治体では高齢などにより分別ができづらくなる問題が深刻になっていて、どこを目指していくか、とても難しく感じています。

まずは、資料をもう一度読み返し、理解を深めます。

「迫」「際」の視点、取組みの優先順位付け。

次回のイベント・フォーラムの予定

次回は第3回ショートフォーラムを4月11日に開催します。テーマは「気候変動*システム思考」。登壇者はイーズの兄弟会社のチェンジ・エージェント社小田理一郎氏です。ぜひ次回も奮ってのご参加をお待ちしております!

 

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