2014年の春から、エダヒロは福島県内の高校生・高専生を対象に、福島県南相馬市にある「あすびと福島」が開講している「半谷・エダヒロ塾」のお手伝いをしています。
「あすびと福島」は、南相馬市出身で2010年に東電執行役員を退任した半谷栄寿さんが代表を務め、福島の人々の生活と産業の復興に貢献すべく、太陽光発電と農業の仕事体験の事業を展開しています。
同時に、南相馬など福島の子供たちの成長を継続的に支援しようと高校生・高専生向けのオープンスクールを開講。エダヒロは毎月講師としてお手伝いしています。
1月20日~1月23日にかけて4日間にわたり、朝日新聞の「けいざい新話」のコーナーに、半谷さんのこれまでの活動の模様が掲載されました。その第4回に、「半谷・エダヒロ塾」についても掲載されましたのでご紹介させていただきます。
■けいざい新話(SHINWA)
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(けいざい新話)復興と起業と:1 福島の明日へ、事業挑む
http://www.asahi.com/articles/DA3S12167526.html
(けいざい新話)復興と起業と:2 東電に32年、つながる縁
http://www.asahi.com/articles/DA3S12169494.html
(けいざい新話)復興と起業と:3 広がる菜の花、大企業も動く
http://www.asahi.com/articles/DA3S12171372.html
(けいざい新話)復興と起業と:4 復興の志、支えるビジネス
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12173272.html?rm=149
<以下、本文より引用します>福島県立原町高校2年、大沢優(17)のプレゼンが始まった。昨年11月28日、郡山市であった「あすびと福島」の高校生向け社会起業塾だ。
大沢たちは、県内の高校生12人に、戦国時代の合戦を再現する昨秋の「サムライフェスin南相馬」について、プロジェクターを使って説明したログイン前の続き。
騎馬武者が疾走する夏の伝統行事「相馬野馬追(のまおい)」を観光に生かそうと、地元南相馬市の高校生らが企画したフェス。「イベントは手段。目的は歴史を学び、世界に発信すること」。大沢が語りかける。
「事業を始める時は、目的と手段を分けて考えよう」。「あすびと」代表理事の半谷栄寿(はんがいえいじゅ)の口癖だ。「志さえしっかりしていれば、手段で何度つまずいても立ち直れる」
復興のために高校生発の事業を考える起業塾は、2014年春から月1回開かれている。福島の高校生が地元の農家を取材し、原稿を書く季刊「高校生が伝えるふくしま食べる通信(通称こうふく通信)」を生んだ。福島の食材つきで2500円。約520人の読者がいる。
この日の起業塾には「卒業生」も顔を見せた。こうふく通信の初代編集長、福島県立安積高校3年の菅野(かんの)智香(18)だ。起業塾で「目的は福島の農産物への風評被害を払拭(ふっしょく)すること。でも、仕組みはビジネスとして回さないといけない」ということを学んだ。
菅野は「勉強も大切だけど、ここでの活動もがんばって」と後輩にエールを送った。明治大のAO入試に合格し、この春から通うことも報告した。「涙が出そうな推薦文を、半谷さんが書いてくれたおかげ」
「あすびと」は今春、大学生を対象にした社会起業塾を東京で開く。南相馬で研修した三菱商事や凸版印刷の社員たちが協力し、菅野も参加する。
半谷が始めた人づくりは、小中学生の体験学習教室、高校生の起業塾から、大学生へと広がる。支えるのは、かつての寄付金ではなく、企業研修の受け入れというビジネスだ。
半谷が南相馬の中心部に建てたトマト菜園も、ねらいは農業経営を担う人材づくりだ。どれも事業としてはまだこれから。しかし、復興の志という点では共通している。
半谷とともに、起業塾で講師に立つ東京都市大教授の枝広淳子(53)は「寄付や善意はいつまでも続くとは限らない。東京電力時代に新規事業を立ち上げた半谷さんは、復興を持続できる仕組みをつくり上げようとしている」と評する。
復興の長い道のりを支えるには、人づくりが欠かせない。62歳の半谷の思いは、明大への推薦文で菅野に贈った一節に託されている。
「私のパートナー。福島を変えていける人材になる」 =敬称略
(編集委員・堀篭俊材)