11月ですねー。「新しい年が始まった」と思ったのが先日のようですが、あっというまに、今年もあと2ヶ月となりました。。。
(予断ですが、去年の今頃は、「日刊温暖化新聞」「私の森.jp」もまだ立ち上げるまえで、総理の懇談会メンバーになって大忙しになるとは思ってもおらず、一昨年の今頃は『不都合な真実』の翻訳に没頭していました。来年の今頃はどうなっていることでしょう???)
さて、前号まで3回にわたって『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』を書かれた武田邦彦先生とのパネルディスカションをご紹介しました。
武田邦彦先生とのパネル・ディスカション その1(2008.10.24)
武田邦彦先生とのパネル・ディスカション その2(2008.10.24)
武田邦彦先生とのパネル・ディスカション その3(2008.10.24)
その際、武田先生のご所属を誤って書いてしまいましたので、修正します。「中部大学」です。失礼しました。
この3回のメールニュースには、これまでになく多くの方からのコメントや感想が届いています。ありがとうございます(いつもメールニュースを送信しても、どういう方々がどういう思いで読んでいらっしゃるか、わからないことが多いので、フィードバックをいただくとうれしいのです)。
みなさんの関心が高いことを感じました。特に、組織や地域で、懐疑論者に手を焼いていらっしゃる方々も多いのだなあと思いました。そうそう、「エダヒロサンも不安になるとわかって安心した」というコメントもありました。そりゃ、一応、私だって人間ですから。(^^;
そのまえに出した[No. 1550] で第6回地球温暖化問題に関する懇談会での自分の発言を紹介しました。
このときの議事録が官邸のウェブサイトにアップされました。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tikyuu/kaisai/index.html
メールニュースで「中期目標検討委員会は、今回から懇談会委員に就任された福井元日銀総裁が委員長として進められることになりました。懇談会での福井氏の発言、「なるほど!」という感じで、とても響きました」と書いたのですが、以下のご発言です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ここから引用〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今起こっておりますサブプライムモーゲージローンの問題に端を発する国際金融市場の混乱、これについての基本的な性格は、私は世界経済全体として地球環境資源、エネルギー資源、あるいはその他素原材料等の資源制約というものの絶対的な天井というものを意識し始めた途端に、マーケットがそれまでの経済の動きに対して、あるいはその過剰部分に対して急ブレーキをかけている。次の長期的な均衡は何かということを探る努力を促している、そういう現象だというふうに基本的に理解しています。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜引用ここまで〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「国際金融市場の混乱の正確は、世界経済が地球環境資源の絶対的な天井を意識し始め、マーケットがそれに反応していることだ」という見方は、納得がいくもので、「絶対的な限界があることを認識したうえで、世界経済は、どう次の均衡を見つけるか、そのために、どのように経済を再編成していくか」を見ていきたいと思います。
さて、日刊温暖化新聞、着々と世界からのニュースを届け続けています。先月、まとめてヘッドラインをお伝えすることができなかったので、2ヶ月分まとめてになりますが、ざっと世界の動きをごらん下さい。
2008年09月01日
国連環境計画報告書:化石燃料助成を廃止すれば、温室効果ガスは削減できる
2008年09月02日
気候変動でブタクサの花粉飛散が長期化及び増加
2008年09月03日
気候変動に強い町づくりのための手引書発行
2008年09月04日
研究報告:これまでの保護地域ではサンゴ礁を守れない
2008年09月05日
国連 南アジアへの気候変動影響を警告
2008年09月06日
アクラ会議閉幕:コペンハーゲン会議に向けて前進
2008年09月07日
NZ政府、気候変動一括法案に多額のエネルギー効率化策を盛り込む
2008年09月08日
ロンドン、気候変動適応戦略作成を開始
2008年09月09日
第1回アフリカ・カーボン・フォーラム開催
2008年09月10日
永久凍土に蓄えられたCO2はこれまでの推定の2倍
2008年09月11日
アマゾン西部:石油とガス開発計画で森林破壊が進む
2008年09月12日
国連事務総長:「米国は気候変動対策のさらなるリーダーシップを」
2008年09月13日
米国の風力発電設備容量が2万MWを超える -- しかし懸念材料も
2008年09月14日
世界気象機関「水資源と貧困緩和には気象予測が不可欠」
2008年09月15日
ドイツ:世界初となるCO2貯留型石炭火力発電の試験設備、運転開始
2008年09月16日
「信頼できるカーボンオフセットはどれか?」--情報サイト開始
2008年09月17日
研究報告:過去の氷床融解の記録から今世紀中に30〜60センチの海面上昇を予測
2008年09月18日
WWF、気温上昇を2℃以下に抑えるためのキャンペーン開始
2008年09月19日
アジア開発銀行交通フォーラム:環境に配慮した包括的な交通計画を
2008年09月20日
研究報告:気候変動が波に及ぼす影響
2008年09月21日
古い森林も炭素吸収源として貴重--これまでの説を覆す新しい研究
2008年09月22日
科学者ら、「白い屋根と寒色系舗装道路で地球をクールに」と訴える
2008年09月23日
ロンドン市、「グリーンシアター行動計画」を開始
2008年09月24日
EU域内排出量取引制度の収益を途上国の気候変動対策支援に向けるべき
2008年09月25日
オーストラリア:気候変動研究で農家と研究者が連携
2008年09月26日
ILO・UNEP報告書:気候変動対策で数百万の新規雇用創出
2008年09月27日
アースアワー、2008年アジアマーケティングキャンペーン賞
2008年09月28日
ドイツ環境省の予算、2005年に比べほぼ2倍に
2008年09月29日
米国商工会議所の報告書:温室効果ガス規制は各分野に壊滅的な経済的負担を強いる
2008年09月30日
カーボン・トラスト報告書:気候変動対策が企業価値に与える影響
2008年10月01日
報告書:CO2排出量、途上国で急増
2008年10月02日
報告書:局地的な大気汚染物質、将来の気候変動に大きく影響
2008年10月03日
国連とノルウェー、森林減少に由来する温室効果ガスの排出抑制に向けて協力
2008年10月04日
英政府、航空業界を再生可能エネルギーの目標達成から除外するように要請
2008年10月05日
欧州議会環境委員会:乗用車に対する厳しい排出規制を支持
2008年10月06日
研究報告:異常に温暖な1年でCO2吸収量は2年間抑制される
2008年10月07日
アイルランド 2020年までの温室効果ガス排出量予測
2008年10月08日
主要先進国、気候変動投資基金に61億ドル超の拠出を表明
2008年10月09日
欧州自動車業界、低排出量車への切り替えを促進する政策をEUに要請
2008年10月10日
英国の排出枠交付近づく――EU域内排出量取引制度第2フェーズ
2008年10月11日
研究報告:欧州、気候変動適応策の強化が不可欠
2008年10月12日
北欧5カ国 車のCO2削減方法を模索
2008年10月13日
国連総長 気候変動による災害防止計画強化を訴える
2008年10月14日
北極の海氷、観測史上2番目に小さく
2008年10月15日
報告書:気候変動により病原菌の発生地域が拡大
2008年10月16日
欧州議会環境委員会:EU域内排出量取引制度第3フェーズに向けた改定案を評決
2008年10月17日
気候変動戦略が水資源管理を促進する
2008年10月18日
共同報告書「世界の資源と環境」発表される
2008年10月19日
英国 2050年までに温室効果ガス80%削減をめざす
2008年10月20日
研究報告:太古北極地域の氷、永久凍土層の未来を示す可能性も
2008年10月21日
EU 発電所へのCO2地中貯留技術導入を検討
2008年10月22日
欧州議会、北極圏の統治に関する決議案を採択
2008年10月23日
研究報告:排出量で不当に批判される都市、実は解決策で大きな役割担う
2008年10月24日
世界の海洋、過去異例の速さで酸性化
2008年10月25日
COP14準備会合:金融危機を理由に温暖化対策を怠ってはならない
2008年10月26日
NOAA年次報告:北極域での温暖化影響さらに進行
2008年10月27日
IMO海洋環境保護委員会、排出量削減対策等で前進あり
2008年10月28日
国連、「グリーン」市場成長刺激を目指すイニシアチブを立ち上げる
2008年10月29日
EU15カ国、京都議定書目標達成の見込み:EEA報告書
2008年10月30日
グリーンピース、イタリア政府にEU温暖化対策の妨害をやめるよう要請
2008年10月31日
欧州 持続可能な森林管理で気候変動の緩和をめざす
世界の温暖化をめぐる動き(自然界も社会も)から目を離せませんね。この先、どのように展開していくのでしょうか。日刊温暖化新聞、ときどきのぞいてみてください〜!
http://daily-ondanka.es-inc.jp/
いま盛岡に来ています。午後は講演と達増知事との対談です。楽しみです〜。