前号で、日本のエネルギーの現況をお伝えしました。今回のエネルギー関連です。
昨年から、原発の賛否を超えた対話とこれからの地域づくりに向けての取り組みをお手伝いしている柏崎市で、11月18日(月)夜、池上彰さんの講演会が開催されました。
悪天候にもかかわらず、柏崎市文化会館アルフォーレという、市で最大のホールがほぼ満席となり、1000人を超える市民のみなさんが『池上彰さんと考える「これからの柏崎とエネルギー」~エネルギー情勢の現状とこれから、そして柏崎~』に参加されました。(応募は1500人近くあったそうです)
池上さんの講演タイトルは、
池上彰が読み解く「日本のエネルギー情勢と世界の動向」でした。
ふだんは講演を引き受けていらっしゃらないという池上さん、開口一番に「柏崎の原発の賛否を超えた対話を進めようというすばらしい取り組みを聞いて、それならお役に立ちたいとやってきました」と。
70分間があっという間に感じたほど、聴く人を惹きつける素敵な語り口で、世界の情勢から日本の動向まで、原発からシェール革命まで、幅広く、わかりやすく話して下さいました。
池上さんのご講演の内容を私なりにまとめてみました。池上さんがエネルギーについて、原発について、どのような観点からどのようなお話をされたか、ぜひご覧下さい。
http://www.es-inc.jp/diary/2013/dir_id004587.html
さて、前号で
> 経産省が10月に発表した試算によると、2013年度に電力9社が支払う燃料費は
> 2010年度と比べて、原発代替分だけで3.6兆円増えるとのこと。内訳は液化天然
> ガスが1.7兆円、石油が2.1兆円、石炭が0.1兆円の負担増で、原発用ウランは0.3
> 兆円減ります(1ドル=98円で試算)。
と書きましたが、「原発が止まっているせいで、どのくらい燃料費が高くなっているか」は、コスト計算のべーすともなり、原発の是非を巡る議論でも争点の1つとなります。この点について、河野太郎議員のメルマガを全文転載します。
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衆議院議員 河野太郎の国会日記
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福島第一原発の事故を受けた原発停止の影響で、火力発電の焚き増しにより、2012年度に燃料費が3.1兆円増えたと経産省は主張している。
経産省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会第2回資料によると、2012年度実績という欄に、原発停止による燃料費の増加が3.1兆円と明記されている。
しかし、これは嘘だった。
経産省は、2008年度から2010年度の原子力発電電力量の平均2748億kWhから、泊3号機と大飯3、4号機の2012年度の発電電力量156億kWhを除いた電力量、2592億kWhを火力発電で代替したと仮定した。
その火力発電の内訳を石炭153億kWh、石油1206億kWh、LNG1234億kWhとして経産省が計算したのが3.1兆円という数字だ。
しかし、実際には、節電や省エネルギーへの取り組みが進んだこともあり、火力発電の焚き増しは1827億kWhに過ぎず、経産省の計算の前提よりも現実は766億kWhも焚き増しは少なくて済んでいる。
現実の焚き増しによる燃料費の増加は2.1兆円にとどまる。しかも、この中には原油価格の上昇に連動したLNGの価格上昇分も含まれているため、自然エネルギー財団の試算によれば、原発停止の影響による焚き増しのための燃料費の増加は1.4兆円から1.6兆円と、経産省が「実績」と称している額のおよそ半分に過ぎない。
経産省は、2013年度の原発停止による燃料費の焚き増しは3.8兆円にも上るとしているが、その数字も信憑性が低いと言わざるを得ない。
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~~~~~~~~~~~~転載ここまで~~~~~~~~~~~~~~
実際には、原発停止による燃料代アップは、経産省の出している数字の半分程度ではないかとのこと。きちんと信頼できる数字を出してもらいたいですね。
そして、「省エネや節電によって、原発代替の火力燃料は減らせている!」ということも、もっともっと広く伝えて、取り組みの拡大・維持の原動力にしなくてはね!