開催日 | 2013年10月31日(木) |
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対象 | 企業の環境・CSR・IR・経営企画ご担当者さま |
ゲスト | 高崎経済大学経済学部教授 |
ファシリテーター | 枝廣淳子 |
参加人数 | 一般企業の皆さま:29社31名、パートナー企業さま:16社25名 |
※エダヒロの共創日記にも今回のフォーラムについて、報告しておりますので、ぜひご覧下さい。※
環境省の平成23年度「環境にやさしい企業行動調査結果」によると、国内では1,000社を越える企業が環境報告書を作成・公表しています。私は環境報告書大賞の審査委員などを通じ、かなりの数の環境報告書やCSRレポートを読んできましたが、「惜しいな、もったいないな」と思うことがよくあります。何が足りないのでしょうか?
一方で、GRIなどのガイドライン自身も進化しています。今回のセミナーでは、こういった世界の動向と日本企業のレポート作成の実情に詳しい高崎経済大学経済学部の水口剛先生をゲストにお招きし、GRIガイドラインや統合報告の動向、企業として気をつけるべきことなどをお話しいただきました。
枝廣 淳子
今回は公開フォーラムのため、まず「対話の作法」をご紹介しながら、まず環境報告書・CSRレポートに感じている課題・悩みのワークをしました。
つづいて、日米の動向について概観した後、多くの環境・CSR報告書を見てきた経験から、大事なポイントを4つに絞って詳しくお伝えしました。そのポイントをさらに具体化した「エダヒロの10点チェック表」とレーダーチャートをお配りし、プレゼンテーションの合間に自社の報告書を自己評価いただきました。
水口先生にもレーダーチャートを作成いただきました!
2013年に公開されたGRIガイドラインの第4版(G4)とIIRC(国際統合報告評議会)の公開草案について、その背景から詳しく解説いただきました。国内では、コンサルタントでさえ誤解しがちな統合報告の意味を丁寧に読み解き、すべての企業が身につけるべき統合思考の重要性を示唆していただきました。
水口先生、枝廣のレクチャーやワークを終えて、皆さんからの質疑応答の時間をとりました。
「経営層に理解してもらうには」
「統合報告の義務化のながれは?」
「自然資本、社会関係資本を測定評価する方法は?」
「レポート読者のフィードバックを集めるには」
「地域との関わりについての具体的な他社事例」
など多数のご質問にご回答いただきました。「経営層に理解してもらうには」については枝廣からいくつか事例のお話をさせていただきました。
最後にお知らせです。
2014年1月16日に「企業価値を高める海外発信セミナー(仮)」を開催します(共催:NGO ジャパン・フォー・サステナビリティ/KPMGあずさサステナビリティ株式会社/有限会社イーズ)。国内向けのコミュニケーションを単に「英訳」するのでは、不十分なだけでなく、ときに誤解も招きます。はじめから海外にターゲットを絞ったコミュニケーションのあり方についてご一緒に考えましょう。詳細は決まり次第ご案内いたします。
懇親会のようす
次回フォーラムは、2014年1月末開催予定です。ただいま調整中ですので、決まり次第ご連絡いたします。
参加された方の声から
★以下、一般企業の皆さん★
講演会を聴く”というスタイルのつもりで来ましたが、グループワークがあり、さまざまなホンネが聴けて非常に有意義でした。
他社の方々の近しい課題を抱えていることが分かったのも大きい価値がありました。
作っただけで終わり、となってしまっていたので、活用できるような内容になるよう最初の企画から見直そうと思いました。
枝廣氏のレクチャー:CSRレポートをルーチンとして作っており、内容面(項目やバウンダリー)の向上には毎年努力しているが、それ以外の視点は、あまり意識しなくなっていたことに改めて気づきました。
水口氏のレクチャー:統合報告の説明の中で“価値”の解釈について、まさに“企業価値”のことと思っていたので、“社会価値”であるという話は大切な発見だった。
G4とか統合報告について参考にしたく来ましたが、枝廣さんのレポートの評価の仕方についても実用的で役に立てられそうな内容でした。ありがとうございました。
他社の担当者との情報共有・コミュニケーションができた。CSRの最新動向を聞くことができた。
CSR=GRIのように聴かせてもらいましたが、私はCSRのCをとってSRの考え方を広く伝えるのが良いと考えます。環境問題対応型の経営者の育成が不可欠です。つまり、新しいパラダイムに対応できるリーダーシップ研修がないように思います。トップダウンで進めるテーマだと考えるが、要するにリーダー育成が鍵だと考えます。
論点が明確で、参加されている方々の意識も高く、自身のためになるだけでなく、モチベーションがあがる。
経営陣へのアプローチのしかたをおしえていただき、参考になりました。
また環境部門に異動間もないため、これから勉強していきたい。
統合報告とCSR、2つのテーマに興味があったため、話を聞けて良かった。
そもそもCSR報告書何のために出すのか、再認識できました。
質問を多く受けていただき、答えていただいたこと。GRIがすべてではないという水口先生のお話もおもしろかった。
レポートの目的と対象の明確化の必要性を再認識した。
次年度のCSRレポート作りに対し、目を開かせられる改善点をしてきしていただいた。アンケートのかんがえかたについて整理ができた。
他社の方とのワークスタイルで意見交換することができた点はよかったです。
他社さんの困り事や工夫された点を共有できた(他社さんも困っていることは一緒なんだなぁと)。
枝廣さんのレポートの評価基準が参考になった。水口先生のお話も最新動向が整理できて有意義でした。他社の方々ともう少し交流もしたかったな、と思うよい企画でした。
統合会計についての説明がわかりやすかった。
Q&A方式のセミナーは初体験でしたが、緊張感があってよかった。
環境報告書を集めて読んだことがありますが、こんなに環境に熱心だというアリバイ的な感じを受けた。その問題点は枝廣さんの話に集約されていたように思います。
<改善すべき点>
他社のよい事例、悪い事例を教えてほしい。
★以下、パートナー★
<よかった点>
レポートの評価ポイントが具体的でわかりやすかった。事例もあると、なおよかったです。
いつも通り勉強になりました!!
さまざまな視点、切り口の気づきをいただき、大変参考になりました。
レポート制作のポイントがとても参考になりました。G4の変更点やIIRCとの関連がとてもわかりやすかったです。
自社のレポートの課題が見えてきた。
統合報告の考え方がよく分かった。また、枝廣先生のトップの意識を変えた3つの事例の話が参考になりました。
聞くだけの形式でなく、参加型(精神的に負担も少なく)で理解が深まった。
時間内に席替えをしたことが良かったです。コミュニケーションの輪が広がりました。
水口先生のお話も興味深かった。内容は直接仕事内容には関係なかったものの、参加になりました。また、多数の企業・団体が参加され、お話を聴けたことも大変参考になりました。
統合思考の考え方が勉強になりました。
統合報告とは“非財務情報を財務と結びつける投資家とのコミュケーション”と私自身もありがちな説明をしていた。統合報告=統合思考という話が興味深かった。
枝廣さんのCSRレポート・環境報告書の10点チェック表とその考え方などを知ることができ、大変有意義でした。
環境・CSR報告書の作成担当者の方々(特に異動になってすぐの方々)の新鮮な声が聴ける貴重な機会でした。
統合報告の最新情報が聴けてよかったです。
CSR報告の勘どころ、痛いところの認識ができました。