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★大人の社会見学会 ★『自然体験&3Rを学ぶ 工場見学プログラム』(2014年6月5日(木)開催)

2014月05月07日 更新
開催終了レポート
 
開催日 2014年6月5日(木)
対象

1)イーズ未来共創フォーラム 企業・団体パートナーのみなさま
2)一般参加のみなさま

ゲスト
ファシリテーター

枝廣淳子

参加人数

16名(スタッフ含む)

開催レポート

今回のパートナーフォーラムは2回目の特別編。★大人の社会見学会★『自然体験&3Rを学ぶ 工場見学プログラム』を実施しました。訪問先は、産業廃棄物処理業の石坂産業さん(以下、石坂産業)。見学者数は毎年2,000人を超えています。茂木経済産業相や中南米・カリブ10カ国の大使による外交団も参加したという、注目の見学プログラムです。今回の参加者は15名。遠くは宮城からもご参加いただきました。

 

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(社員の方が運転するマイクロバスで現地へ)  (ダンプトラック用レーン:看板の指示がわかりやすいです)

 

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(地場野菜を使った自社製の「三富弁当」おいしかったです!)(女性スタッフ:すてきなもんぺ姿!)  

到着後、経営企画室の熊谷さんから事業のオリエンテーションをうけ、実際の現場を見学へ。

 まず、一般的に工場は、屋外施設が多い中、石坂産業では地域住民や環境配慮し、粉塵や騒音等を軽減するため、全天候型の屋内施設になっています。


20140507_05.jpg(全天候型施設)

 

石坂産業で受け入れをしている、産業廃棄物は主に、「住宅の解体材」です。簡単に言うと、役目を終えた住宅はその場で解体され、土、コンクリート、木材、鉄、ステンレスなどさまざまなものが、持ち込まれます。その後、石坂産業の工場で、細かく分別・分級され、再生材に生まれ変わります。

 処理施設の特徴は、先進的なリサイクルプラントや技術を使っていることです。減量・リサイクル化は業界トップを誇る、97%を実現しています。また、技術だけでなく、同時に、地域の人びとや環境との共生にも取り組んでいます。

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このあと順番に、廃コンクリート→分別分級→減量化→木材リサイクルとさまざまなプラントの作業工程をみせていただきました。

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    (廃コンクリート)         (人による分別分級) 

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(雨水によるダンプトラックのタイヤ洗浄)(重さ、種類による分別分級)

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(故障した重機も自社で修理し、整備されています)


~このあとは自然体験へ~

埼玉県の三芳町、所沢市、狭山市、川越市にまたがる、施設の総敷地は面積158、000㎡(東京ドーム3.5個分)。その約87%が森であり、昔は武蔵野の雑木林と呼ばれていました。今失いつつある雑木林を再生、次世代につないでいくため、「里地里山再生プロジェクト」をはじめたそうです。

ホタルのビオトープをはじめとする環境保全は単に整備するだけでなく、社員や地域住民の交流の場としても活用されています。

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   (ホタルのビオトープ)     (くぬぎの森環境塾・くぬぎCAFE)

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(敷地内:再生材の赤瓦やエコモアチップも利用されていました!)


見学のさいごに、石坂産業の石坂典子社長とエダヒロの対談をおこないました。

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エダヒロより、まず、見学で印象に残ったことを伝えました。

・社員さんのおもてなし(あいさつ・笑顔)がすばらしい

・減量化/再資源化率97%を誇る、3Rの施設も飽くなき追求

・環境・地域との共生へのこだわり


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        ( エダヒロ   X  石坂典子社長 )

まさにアミューズメントパークのような施設で、産業廃棄物処理企業がなぜここまでこだわりをもって環境や地域共生に力をいれるようになったのか、そこに至った経緯や思いや課題をうかがいしました。

その理由は「脱産廃屋を目指すこと」から始まったようです。

 <産廃=ゴミ屋さんというイメージ>

まず、「脱産廃屋」をめざす理由のひとつは、以前からあった、産廃=ゴミ屋さんというイメージがあること、またいかにコストを掛けずに安く捨てるか、という常識への疑問がわいたことです。

産廃の処理技術があがったことで、大部分、リサイクル・循環できているのに、いまだに「ゴミ処理屋」としか思ってもらえていない。この認識を変えていきたいと思いました。

<所沢のダイオキシン問題>

もうひとつは誤報だったのですが、10年前の所沢のダイオキシン問題があったことが、「脱産廃屋」を掲げる大きなきっかけとなりました。

事実でなくても、一度は地元からいらないと、いわれた時に、「地域で生き残っていくためには、地域で愛される会社になることしかない」と思いました。また、いっしょにがんばってきた社員へ報いたい、という思いもありました。

そこで、産廃屋という意識を自ら変え、そして、地域・環境との共生活動を本気で取り組むことに舵を切りました。

 <産廃屋から、資源化・循環型処理業へ>

工場はそれまで焼却型だった処理方法を一切やめ、40億円投資して、徹底した分級・分別型に完全シフトしました。業界平均が75%前後のところ、今や石坂産業では97%の減量・リサイクル化ができています。他の業者さんでは難しい分別・作業も受けています。また、武蔵野の森の再生をめざし、社員による森林整備をすすめ、ここを地域の人々の交流や環境学習が体験できるような場に変えていきました。

 

<課題は製品化した出口戦略>

当面の課題は資源化・循環型処理後に製品化したものの出口戦略です。

(元は愛着のあるマイホームにも関わらず)産廃からできた製品ということで、なかなか購入してもらう機会がありません。考えてみると、住宅購入時はいろいろ時間をかけて家を作っていきますが、壊すときのことまでは考えが及ばないのかもしれません。このあたりの意識を変えていけたらと思っています。

 以上


 

<関連サイト>

~エダヒロの共創日記~
大人の社会見学会~産業廃棄物の95%ものリサイクル率のヒミツは?

 

 

 

 

参加された方の声から

参加者の皆さんから見学を終えての感想と疑問質問について、書いていただきました。
<感想>
・平日開催なので参加するか、まよいましたが、思い切って休みをとり、参加した価値ある見学会だったと満足です。

・再資源化を高められ、地元住民、社会からの要請に応じて、経営品質の底上げを図られているご努力についてたいへん勉強になりました。

・他方再資源マテリアルの引き取り市場拡大のために取引先等ステークホルダー含め更なる追求すべき経済合理性、心理的障害を超えるための取り組み困難性を強く感じた。

・石坂産業さんのおもてなしの心は、見学者に対して隅々まで気配りされていて素晴らしいと感じました。また、屋内処理施設の完成度の高さもさることながら、それを扱う社員の方のモチベーションの高さも感じられました。

・石坂産業さんの最新情報収集ができて良かったです。

・社長対談で、森の話をもう少しききたかったです。

・なかなか、行く機会のないところを見学出来、勉強になりました。

・産廃工場のイメージが根本から変わりました。従業員の方々の気持ちの良い挨拶が思いだされます。また、男前!?の石坂社長のお話がとても心に残りました。

・石坂産業さんという非常に魅力的な取り組みをされている企業が学びの対象で、見学会としての中身が濃いと思いました。社長のお話を直接聞けたことで、石坂産業という企業に親近感を持つことができたと思います。石坂産業さんが何を実現したいのか、非常によく伝わってきました。

次回のイベント・フォーラムの予定

 

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