ますます複雑性を増す社会の中で、目の前の見えているところだけに反応して行動していても、効果的な取り組みとはならず、かえって問題を悪化させてしまうこともよくあります。組織の中でも、個人の生き方や暮らしでも、つながりをたどって見えない構造を見抜く力、そこから効果的な介入点を探す力は、身につけたいスキルの1つです。
システム思考は「つながり思考」。長期的な動向を見るツールやつながりをたどって全体像を把握するためのツールを身につけることで、自分や他人を責めることなく、問題の構造に働きかけて問題状況を変えていくことができます。視野を広め、長期的・複眼的なものの見方を身につけたい方にぜひ身につけてほしいスキルです。
10数年前にシステム思考に出会って「ぜひ日本の人々に届けたい」と活動してきました。
などを執筆する傍ら、数多くのセミナーを開催し、数百人の方々にシステム思考の基礎を教えてきました。
今回はそういった経験とノウハウをベースに、短時間にシステム思考の概要と基礎ツールを身につけていただくセミナーを行います。
また、メンタルモデルとは、だれの心の中にもある「意識・無意識の前提や思い込み」です。小さい頃の育てられ方や教育、大きくなってからのさまざまな経験などから、私たちはいろいろな「○○とはこういうもの」という無意識の前提や思い込みを抱いて生きています。
ふだんは問題ないのですが、メンタルモデルが自分のやりたいことや進んでいきたいことに歯止めを掛けてしまう場合もあります。自分では気づかないので、なぜ進めないのか気づかないことも多いでしょう。また、メンタルモデルが他人との柔らかで生き生きとしたコミュニケーションを阻んでしまうこともあります。「いつも同じようなパターンになってしまう」としたら、そこにはあまり役に立たないメンタルモデルが潜んでいるのかもしれません。
ピーター・センゲの名著『学習する組織』の中で書かれている、「5つのディシプリン」(伸ばすべき領域)の中の1つにも、「メンタルモデル」がありますが、うまくいかないことの原因を外部に探すのではなく、自分や組織が知らず「前提」にしている「思い込み」を疑うことが、より望ましい未来へ向かおうとする組織にとって、非常に役立つ手法であると分ります。
やり方さえわかれば、少しずつ自分のメンタルモデルに気づいたりほぐしていくことができます。システム思考のツールを使いながら、自分のメンタルモデルを浮かび上がらせ、必要があればそれを緩めたり、新しいものに変えていきましょう。過去に作られたメンタルモデルに一生縛り続けられる必要はないのですから。
システム思考とはどのようなものかを知り、その基礎ツールを身につける
メンタルモデルについて知り、自分のメンタルモデルに気づく方法を身につける
システム思考と基礎ツール、メンタルモデルについてのレクチャー、スキルを使ってみるワーク、自分に当てはめて考えてみるワーク
システム思考の入門編と長期的・複眼的なものの見方の基礎を身につける
自分を無意識のうちに縛っていたメンタルモデルに気づき、緩められるようになることで、自己内ストレスを減らして進んでいくことができる